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2023/01/10

パズル懇話会の思い出

新手の「おりがみパズル」の話

 これは既に記したことですが、昔、数年の間「パズル懇話会」という高級なサークルの仲間にしていただいていたことがありました。

 そこに私と同じ頃入会されたと後で知った、北沢忠雄(Mr.Kitazawa Tadao)さんとおっしゃる方が、今まで見たこともない(おりがみパズル)という、とても楽しいものを紹介されていて、夢中にさせられました。それは大体次のようなスタイルでの問題でした。

◉『図をコピーし、正方形を切り取ったら、3回折ってアルファベットの(H)にせよ。』←そこには中心部に、とても(H)とは繋がらない黒い塗りつぶされた図があるのです。

◉『あちこちと、違う方向を向いている(ぶたちゃん)を、3回折ってぜんぶ同じ方向を向かせなさい。』

 いやーっなんと言う斬新な視点でしょう! そしてこの新手のパズル、その頃おりがみプロを自任する私の心を鷲掴みにしてくれたのです。

 そこで私も北沢さんの視点から問題を考えてみました。それが次のようなもので、会誌に発表してもらいました。 なおこの問題、私は(5回の折り)としての回答を考えていたのですが、すごい方々揃いの会とて、すぐに(4回折り)の回答が送られてきました。どうぞ、解答を捜してみてください。この際折り回数は4でも5でもかまいません。




2021/06/25

ざぶとん折り物語 2

佐野康博(Mr. Sano Yasuhiro)さんの思い出

 もう三昔以上も前の頃のことだったと思います。日本折紙協会( NOA)の創設メンバーのお一人で、初代理事長であられた佐野さんの講演でのことです。

『私は講習会などの冒頭、1枚のおりがみで、目安の折りなどまったくせず、いきなり(ざぶとん折り)をします。みんなびっくりします。 でも今日はそのひみつを教えてあげます。実はね、私の使うおりがみは中心に針で穴を開けてあるんですよ!

 その穴は私だけに見えるので、さっさとかどをこの穴に合わせて(ざぶとん折り)を正確にやってしまう! そんな針穴などまったく見えない人たちには、「わーすごい名人芸!」と驚くわけですね。どうぞ皆さんも講習するときやってごらんなさい。うけますよ!

 ただしお断りしておきますが、私このことで(特許)を取っておりますことは覚えておいてくださいよね??? はっはっは』

 こんなお話を伺った後、二人でお茶を頂きながら、私は、佐野さんにこんなことを言いました。「只今の(ざぶとん折り)の話、面白かったです。そのお礼の思いにて、私の思い付いた(ざぶとん折りのパズル)を提供しますが、聞いてくれますか。」

「先ほどのお話での(ざぶとん折り)ですが、目安の折りをしないとて、4回の折りが必要ですよね。さて用紙が正方形と保証されれば、(3回の折り)で出来ますが、解ります?」

??


「すみません。このパズルは心理の盲点を突いていまして、…(ざぶとん折りとは、同じ面にかどを折り集めること)とは規定していないでしょう。」

『ははーっ、うまいですね。解りましたよ。長方形に折って、二つのかどをいっしょに折ってから重なりを開けば、確かに3回の折りの(ざぶとん折り)だね。』

「ああ、佐野さんはさすがにスマートでいらっしゃる。ところでね。最近私はこれをさらに縮めて、(2折り)でやる方法を思い付きましたよ。」

『んーっ、そりゃ難問だ!…家でゆっくり考えさせてもらいましょう。』

 皆さんは解りますか?


 実はこの答、当ブログのかなり前の項で、筋道を示していましたよね。


3回折りでは、上の写真のように、2種類の答が出来ますね。




 上の写真は、最初の「ざぶとん折り物語」での問、ざぶとん折りの出来る三つの用紙形の答ですが、これらを広げたらどんな形になりますか?

 

2020/02/18

市松パズル物語 2

アメリカの名人の凄さ

 3×3の市松模様を(6回で折る)という凄い問題に、楽しく悩まされている中で、ともかく「市松模様」を、下図のような一般的な(8回折り)とは別の折り方は?と考えて、色々と折ってみると、折り回数は減るどころか、どんどんと増えて…9回、10回、11回、…でもまあ、ともかくも(市松模様)となるところまで手は止まりません。

 でも、それを手にすると、何回折りでも楽しくなる。つまり折ること自体が「おりがみの魅力なんだ!」というわけなんですよ。
素直な折り方での(市松模様)は(8回折り)が必要。

 ところで、私がふた昔以上も前に、こんなおりがみパズルを楽しんでいた頃だった。アメリカのおりがみ名人ジョン・モントロール(John Montroll)さんが、驚きの本を出版された。(おっと、市松折りの話の発端は、この本の話題からだったかも知れない。)

「ORIGAMI INSIDE-OUT Antroll Publishing Company 1993年刊」がそれで、これには何と!(不切正方形1枚折り)にて、8×8の「チェスボード(Chess Board &Table」の折り方が示されていた!
 これは(15cm)のおり紙でもちゃんと折れた。 まあ今のコンピューターおりがみ蔓延の時代では、これなど易しい部類の作品かも知れないが、当時は本当にびっくりさせられたものだった。
モントロールさんの凄い著書

 なお彼は同じこの著書の中で、「縞々の尾のあらいぐま(Raccoon)」や「縞模様まで折り描いた虎(Tiger)」や「ツートンカラーのいくつかの幾何立体図形(Geometrics)」など、頑として全てを(不切正方形1枚折り)に徹していて、あっぱれだと思った。

 私にはこんな芸当をする技量は無いので、逆に、「2×2の表裏共に市松模様」なんていう考えの方に向かう。これは、テレビを見ながらでも楽しめる類のものだ。 いずれにせよ、(おりがみパズル)はいろんなスタイルで考えられるだろう。そしてそれらはいつも指と頭の体操となってくれるのだ。

2020/02/14

市松パズル物語 1

(パズル懇話会)で聞いた話から

 もうふた昔も前のことです。私は(パズル懇話会=Academy of Recreational Mathematica
Japan)」という、大変レベルの高い会に入れてもらっていました。
 大学の先生や著名なパズル研究家などが多く、入れてもらったのは嬉しいものの、月一回の集まりで発表される事柄の半分近くは理解出来ないものですから、窮屈感が強かったのですが、気楽な飲み屋での二次会が魅力で、それで何年か留まり続けていました。

 さて そんな集まりの立ち話の中で、『おりがみで(市松模様=checker)を(3×3)で折ることを考えると、常識的には(8回の折り)が必要だが、当会のエースの一人はそれを(7回の折り)で可能だと、前に発表してましたよ。』と教えてくださる人がおられました。
 帰宅して試みてみると、いやっー!こりゃ難しい! 私は三日掛ってやっと答えを手にしました。

 ともかく私なりに答えを得たので、この話をおりがみ仲間に自慢げにしたようです。すると、これが密かに伝聞されたようで、しばらくの後『私も出来ました!』とて、答えを手渡されました。東京の小松英夫(Hideo Komatsu)さんがその解答者で、…私の解答より(一回り大きく)出来たものでした。
 つまり同じ(7回折り)でも違う折り方なのです。 私はパズル懇話会の方の解答を知りません。だから、それが私と小松さんのもののどちらかと、同じものか違うものか? ともあれ「答えは一つではない」ことを知ったわけです。

 ぐっと下がって2012年の夏のことです。久しぶりに会った愛知の川畑文昭(Fumiaki Kawabata)さんが、このパズルのまた別の答えを提示してくれました。 そしてこの解答はまた別の折り方のものだったのです。私と小松さんとの解答の、丁度中間の大きさになるものでした。
 具体的に言いますと、小松さんの答えは(全体を7等分したサイズでの3×3)。川畑さんの答えは(全体を8等分したサイズでの3×3)。そして私の答えは(全体を9等分したサイズでの3×3)とて、サイズ面からは私が最下位?
左から、笠原、川畑さん、小松さんの(7回折り)解答

 ところで、です! 2020年、つまり今年の川畑さんからの年賀状に、とんでもない記述がありました。『私の友人が、3×3の市松模様折りに、(6回折り)の解答を見つけました!』
 本当かい!? 7回折りでもあれほど時間が掛ったのに!? 川畑文昭さんって、大いに真面目な方です。 で、この話を心から信じて考えています。…しかし、一ヶ月半考えてまだ答えを得ていません!

 世界最難問と自称する(21・スクエア・パズル)の二つの未解決問題と違い、この超難問には答えが在ると知らされているのですから、頭のトレーニングとして、こんなに楽しい話はありません。でもムズ過ぎる!

 なお、探求の途中で楽しい造形を得ました。 それは写真の「6回折りの、市松模様のハート」です。(要するに、3×3の1コマが足りないものです。)
6回折りの「市松ハート」

 


2019/11/13

フレーベルの美麗式

その中にもパズルが有る!?

「フレーベルの美麗式」という彼の発想の根本は、“わずか1折りの違い”が、大きな造形変化に繋がる面白さの、こどもへの伝達ということだろうと思います。
 が、そのフレーベルの美麗式に関わる資料の中には、「えっ!」と思わず叫んでしまうほどに、(難しいパズル)があることを発見しました。それが下図の造形です。
1895年、ロンドンとグラスゴーで出版された英文の
書、「おりがみの教科、フレーベルの“こどものための手技
工作”  の一つ(Couse of Paper-Folding  One of Froebell's Occu-
 pations for Children)」著者はエレオノール・ヘーエルバルト
(Eleonore Heerwart)。この資料の中に、上のような(部分反
転パズル)といってもおかしくない(難問?)があったので
す。初めて見る方はぜひチャレンジしてみてください。  
  なお正確に言いますと上の形の色分け、原書は中心部も白 
なのですが、私の好みから、中心部にも色を出しました。 

ところでこの(パズル案)を得たのには、エピソードがあります。以前、沖縄の島袋保子さんが、年に一度、信州おりがみ交流会「りんどう」の大会にご参加された帰り道に、お仲間と共に戸塚まで来てくださり、食事をご一緒しながら、楽しいおりがみ談義に時を過ごすというのを恒例にしてくださったのです。

 一年に一度の出会いとて(七夕会“たなばたかい”)なんて呼んでいましたが、まあお互い歳をとり、いろいろと体に不都合なことも生じ、今は楽しい思い出になっています。
 ともあれ本当に楽しい集いでした。で、私はその会合の一ヶ月前くらいから、何か会合の思い出に結び付くものをと、考えます。まあ、隠居の身では、お金の掛からない(おりがみ関連の記述プリント)くらいしか出来ませんでしたが、それを(おみやげ)とすることを考えてやってきました。
2012年のプリント

 島袋さんは、何よりも(フレーベルの美麗式)がお気に入りで、沖縄からこの(美麗式の再評価)の普及活動をされました。そのこともありましたので、私はそれに賛同するプリントを作り、上記のような(おみやげ)を考えたのですが、その中で、この中に(すごいパズル)を発見して、このときのプリントの(目玉)としたのです! それが上掲のものです。 私はこれの解答を得るのに、ほとんど1日掛かりました。

 ところが、ところがです! この(七夕会)に常に参加してくださっていた埼玉の左方文子さんは、あっさりと解答されたんです!
 かくて前項の「表裏胴白ちょうちんパズル」は、彼女のことを大いに意識して考えたのでした? はっはっは、もち冗談! 事実はただの偶然の産物で、…だけどきっと、あっという間に解答されちゃったかもね。

2019/11/09

「ちょうちん」反転パズル

既に答えは得ているのに、…

 1996年に、双樹社から出版された「ジョイ・オブ・オリガミ」は、自分でもよく書けた一書だと自負しておりますが、その中で伝承の「ちょうちん(又は風鈴)」の部分反転パズルを紹介しています。(“風鈴”のタイトルの方を作品採用すれば、部分反転は必要なくなりますよね。)



伝承「ちょうちん」の(部分反転パズル)

 そしてそこでは、上掲の通り、既にいくつもの解答を示しています。だからこれは完結したパズルなんです。
 しかし最近、同じく伝承の作品で「切子とうろう(目玉ちょうちん、またはお化けちょうちん)など、いずれもこれの作品名」の部分反転パズルのことを楽しんでいる中で、再びこのパズルの(難しい!?解答)を得ました!

 変な話でしょう! 素直ないい解答を既に得ているのに、なんで今更!ということですが、現代のおりがみでは、あえて難しい折り方のものを求めることに、快感を覚える向きもあること(!?)を知っていますから、まあ、そんな人たちの(受けを狙って)紹介してみようか、と思った次第です。
超難しい「表裏“胴白”ちょうちん」のパズル。
なお、明かりの灯る部分を、私は(胴どう)と呼ん
でいますが、間違っているかも?        

左の黄色いのが(かんのん折り)からの「ちょうちん」
右の橙色が(ざぶとん折り)からの「切子とうろう」。  
  そして今回紹介した「表裏“胴白”ちょうちん」は、右の  
「切子とうろう」から見付けたもので、もちろん切らずに 
作らなくてはいけません。パズルですから。       
なお、上段が表面で、下段は裏面です。       
   
 ともかくこれ、ほんとうに難しいパズルですよ。そして、前に紹介した「サイコロキャラメル・パズル」考案者同様、私も『パズルの楽しさと苦しさ、そのどちらも味わっていただくために、答えは教えません!?』
それにしても、(おりがみ部分反転パズル)奥が深いでしょう! おっと、難しくてストレスを感じたらどうぞ中止してください。「楽しくなければ良いおりがみではない。」が私の主張です。でも私自身は、超難解おりがみパズルの発見に大喜びしていますがね。

2019/09/22

(比率)のこと

(1:2)の比率

 さて前項では(おりがみで“面積”のことを考える)というのを解説しましたが、ここでは同じく面積に関わるものですが、ちょっと視点を変えたものをご紹介します。それは、(比率)という数理に親しむものです。

小と大の正方形→(1:2)の面積比
上の形は(ことりの基本形)から得られる
形です。だから、すぐに折ってもらえますよ
ね。さてこの形に私が魅了されますのは、こ
こに見える白い2つの正方形が、(1:2の
面積比の関係)にあることです。     
面白いと思いませんか? ではその関係をど
うやって証明しますか?ねっ!これパズルで
しょう!                
 そしてさらに面白いのは、この全体の大き
さが、折る前の紙の(2分の1)になってい
ルことです。この事実は、下の写真の通り、
同じ大きさのおりがみで(ざぶとん折り)し
た正方形と比べて見ると分かりますね。  



さてではパズルです。

 上で見た白い二つの正方形は、その面積が(上部が1、下部が2)の関係ですが、これを(上部が2、下部が1)と変えてください。
 上のものを上下入れ替えるとて、これをぐるっとひっくり返せばよい、とトンチでの回答はだめですよ。

2019/09/19

「1折りパズル」

おりがみで(面積)を考える。

 この見出しタイトルは、前項で示した(玉川学園教育博物館)との繋がりが出来て、初めて知ったフレーベルの教えです。 当ブログの始めの方で、『おり紙の表の色面で、裏面の白をきっちりと、“過不足無く覆い隠し”、それぞれ形が異なるような(2分の1形)には、3通りのものがある。』とのフレーベルの教えに対し、私はそれには「もう1種考えられる!」とのことを発見した!
(注:4種の2分の1形の中の“長方形”は、折り方は無数にあります! この事実もパズルとして考えてみてください。この答えは、また後の項で。)

 さてずっと前の項で、上記のような自慢話を致しましたね。そしてそんな自慢の発見の興奮は、その後もずーっと尾を引いており、かくて何年か後に「1折りパズル」なんていうのを思い付いたのでした!

 その一部を具体的に示しますと、次のような形に(1折り)を加えて、「色面と白面との面積を同じにする折り方を見付けるパズル」です。

 答えはあえて示しませんが、楽しく考えてみてください。 なお、こういうことを考え始めますと、そこに「おりがみの教材価値」が強く認識されることが痛感されることでしょう。

上のような(折り形)は、色面と裏の白面の大きさが
異なっていますね。そこでこれに(1折り)を加えて、 
色面と白面が等しい大きさになるようにしてください。 

2019/06/27

ブラックホール!

阿部さんとの思い出

これまで何度か、炯眼の士で師とも思う人、阿部恒(あべ ひさし)さんのことを記して来ましたが、具体的な思い出となる本があります。

 1979年に、サンリオから出版した阿部さんとの共編の「たのしい パズルあそび」というかわいい本です。いくつかの出版物からの引用などのものでしたが、もちろんオリジナルも有って、とても楽しい作業物でした。しかしあまり売れませんでした。ガクッ!



 話はがらっと変わりますが、平成の最後のときになって、これまで人類の、とくに天体物理学者の最大の夢と言われて来た「ブラックホールの実像の観測」が、ついに実現されましたね!
 正にその名の通り(黒い穴)でしたが、とにもかくにも人間の知恵ってすごいですね!

 さてこれは、まったくの(ジョーク)ですが、実に40年前、私はおりがみで、この(ブラックホール)を発見し、上記阿部さんとの共編の書にそれを紹介していたのですよ!?!

 ともあれ、話題のタネが無くなってきた者の(悪あがき)みたいな思いで、そんな発表を写真紹介してみましょう。

おりがみセットの中の、保護材の厚紙
を用いましょう。          
まずは正方形の(中心)を印します。

次に、この(中心)を通って、辺に
(平行でない線)を引きます。   
次には今引いた線と、(中心で直角に交わる
線)を引きます。             

この2本の線を、カッターで
切ります。そしてこの中心の直角
を外側にして並べると、…???

 はい! 全体がわずか大きくなった正方形。 でも中心部に(穴)が空いた! そう、これが「ブラックホール」!!!

2019/06/18

3つは一つ!

組み木パズル

 近頃また(組み木パズル)の人気が再燃しているようだ。100円ショップなんかでも売っている。さてもらったり買ったりしたそれらの中で、これまでまったく違うものだと思っていた、写真の3つの(組み木)が、構造的にはまったく同じものだ!と最近気付いた!

 ほら!写真よく見て! この3つが(同じ構造物)だなんて信じられますか?

一番右の形を、おりがみで作ったイギリスの名人が居ますね!

2019/04/13

(かやら草)の「ふくらすずめ」

「ふくらすずめ」、しっかり伝承されていますが…?

 きっと皆さん、この名の伝承作品よくご存知でしょう。(下の写真参照) でも私、この造形にどうしても(すずめの姿)が感じられませんでした。 それから(ふくら)という言葉には(福良)の当て字を与えている資料もありますね。

 ところで、(ふくらすずめ)という名を昔、母や姉たちの会話の中に聞いた覚えがありました。
 すなわち(帯の結び方)あるいは(髪の結い方)の言葉だったように覚えていました。で今回、改めて広辞苑を引いて見ました。すると、まず『肥えふくれた雀の子、また、寒気のため全身の羽毛をふくらませた雀。』との説明の後に、『女の髪の結い方の一』と『帯の結び方の一』ともあって、私の記憶が正しかったことが分かって嬉しかったです。

 さてここでは、そんな自慢が目的ではなく、この伝承の造形が、(冬のふとったすずめの子)とは見えず、(髪型)や(帯の結び方)の方が似合うように感じていたのです。

 ところでもう一つの疑問は、この「ふくらすずめ」は、実に易しい折り方のものなのに、「かやら草」の記録者、足立一之さんは、なぜ『その折り方がよく分からないので、紹介出来ない。』なんて記したのでしょう? 多分、全然違う造形だったのでは?

「ふくらすずめ」として伝承されて
いるものは、この形ですね。でもこ
の形にはスズメの姿は見い出せない
でしょう。なお、「ふくらすずめ」
の名で紹介されている形にやっこさ
んの形をスズメに見立てた2種があ
ります。ところがつい先年、岡村昌
夫先生がやっこさんの形を「すずめ
踊り」と題した資料のあることを、
明らかにしてくださいました。  
「ふくらすずめ」の名で、こんな
造形も伝承されています。なお、
やっこさんそのものを「すずめ踊
り」との見立てのあることは上記
の通りです。         
どうしてもスズメに見えなかった「ふくら
すずめ」を、少しでもスズメらしくしてみよう
の折り変えです。「ふくらすずめ」の原型を少
し折り変えるだけですから、折ってみて。  

左の原型を右のようにしてください。

 さて、上のような折り変えから、少なくとも雀らしい造形にしてみましたが、でも満足できませんでしたので、さらにくふうを進めて、別伝承の「ふくらすずめ」2形が「やっこさん」からの見立てであったことから、私は今度はやっこさんからの「すずめ」を試みてみました。 その結果が下の写真のもの。これには(足)が付いていますよ。

(やっこさん)からの「すずめ

「やっこさん」の半分を反転させ、
そこから三角のかどをつまんで折り
それを(足)にして、「すずめ」と
してみました。なお奴よりさらに1
回(ざぶとん折り)を増やして折る
と、嘴が二つになったり、目の表現
が出来たりしますよ。      
上記説明のもの。
「ふくらすずめ」についての探索は、私の中では以上で終了しました。でも(福良)を付けない「雀」は、大好きな鳥ですし、くふうが楽しいので、すでに10種以上くふうしていますが、これからも楽しむことでしょう。





2018/05/06

キューブ 1枚折りから6枚組みまで

問題は(5枚ユニット組み)!

 また(キューブ)の話に戻って、これを、(1枚折り)から始めて、ユニットでの(2枚組み)、(3枚組み)、(4枚組み)、…とくふうを進めて、最も一般的なスタイルの
(6枚組み)までを考えたとき、4と6の間にある(5枚組み)というのが、パズルのような印象のものとして、脳内に問い掛けて来ました。そこで…
 さあ、あなたならこの(パズル的な問い掛け)にどう答えますか?

 左は「1枚折り」 中央は「2枚組みの(おりがみサイコロ)」で、
前に「サイコロ、すなわちキューブの魅力」の項で、1、2、3、
の面をお見せしましたが、ここではその裏側の、4、5、6、の面
を出しました。                       
そして右は「3枚組みユニットキューブ」で、実はこれ、小学生の
(算数の教科書)に採用された自慢のキューブなんです!    
左は「4枚組みキューブ」 右は定番の「6枚組みキューブ」
で、この(4)と(6)との間の(5)の思案はいかに?  
 キューブの「面」も「辺」も「頂点」も、その数を5で割ると、
    小数になってしまうでしょう。で、さてどうする?         

私はこのパズル的な問い掛けに、抒情的な造形を思ってみたのです。ともあれ(1枚折り)から(6枚組み)までの「キューブ」の5種の紹介の後で、(5枚組み)の作例を紹介してみます。おっと、それを見る前に、どうぞ皆さんなりに考えてみてください。


私が(5ユニット組み)で着想したものは、こんな
(キューブに"耳”が付いたような形)でした。  
そしてこんな耳付きキューブは…?       
ユニット5枚組みキューブの「ねこ」と「ガマ」。
なお「ガマ」は、別名「歩き出したキューブ」と 
も見立てました。この方がいいかな?      

ユニット5枚組みキューブの「コアラ」です。
ただしこのコアラは、鼻のための(+α)とし
              て、(4分の1の黒い紙)を使用しています。              
なお、これを閉じた形にした場合、キューブの
頂点の一つを押し込んだ形となっていますよ。


教科書に採用されました!

 ある日、甥っ子の娘が中学生になったとき、『おじさんの名前での“おりがみ”が数学の教科書に載っていた!』とて、その子の祖母、そう、妻の妹がコピーを添えた嬉しい便りをくれました。実に嬉しく、そしてとても誇らしい思いにさせられました。
 もちろんこの出版社からの依頼は受けていましたから、知ってはいましたが、身内の子が気付いてくれたことがなんとも嬉しいことでした。

 ところでこの名誉な出来事は平成17年のことですが、これに遡ること10年前の平成7年には、「小学算数4年の教科書」にも私のおりがみが採用されました。
 このどちらも、私の本を見てくれた執筆の先生方のどなたかが選んでくれたようです。
巻末の(綴じ込み)で紹介されています。

 そして実に嬉しいことに、どちらも採用されたのは「キューブ」でした。ともあれ自慢の鼻高々に、その両方の教科書を写真紹介します。

平成17年発行の、中学生の数学の教科書(東京書籍)

平成7年の小学生の算数の教科書(大阪書籍)
ここでの右上にある「3枚組みキューブ」が、
上に写真紹介したものです。 なおこのユニッ
トは、裏側を外にしても組め、その場合は、模
様が現れます。              
キューブの(規定)なんか越えて楽しむ!

厳密な規定からは、こういうのを「キューブ」と
呼ぶことはいけない!…先生方からは叱られるか
も知れませんが、おりがみ遊びではこんな形も皆
「キューブ」です! すなわち左は「2枚組みの、
切子型キューブ」、右は「3枚組みの“筆立て”型
キューブ」です!              
なおどちらも、ちゃんとした「キューブ」とも出
来ますが、それでは面白くありませんよね。  
後ろの二つは、「やっこさん」の形からの発展で、
やっこさんを(ユニット化)して、その6枚組み。
 左は「面取りキューブ」、右は「くす玉キューブ」、
そして手前のものは「織り紙キューブ」と名付けて
みました。いずれもおりがみ遊びであって、教材で
           はありませんので、すべて「キューブ」の名で呼ぶ。          
 つまり私のライフワークとは、遊びとしての自由気 
 ままな追求なんですよ。             
「“正4面体”をハグする6枚組み、角切りキューブ」


2018/04/12

サイコロキャラメル

両親の思い出

 一歳違いだった私の両親は、共に74が享年でした。父に1年遅れて母が、仲良く(後期高齢者)と呼ばれる直前に亡くなったわけですが、私は既にそう呼ばれる年齢を越えています。 いつか再会したときは、末っ子の私が両親より年長!

 さて突然変な話ですが、母が大好きだったのが明治製菓の「サイコロキャラメル」でした。 そしてもちろん私にも分けてくれましたよ。 こどものときの小さな口にいっぱいになる大きさで、実に幸せな夢を見る如き甘さでした。

 改めて説明するまでもないでしょうが、サイコロ型の紙箱の中に、大粒のキャラメルが2つ入っているもので、冬期限定で、赤と白のサイコロの箱でしたから、後年、空き箱をためておき、前に紹介した「おしどりパズル」をこれで楽しんだものです。

 ところでこのキャラメルを(パズル)にした商品があります。 (HANAYAMA)という会社の製品ですが、実に見事なパズルです。随分前にどこかで見付けたものだと思います。
 後の写真の通り、キャラメルと同じく紅白二つの箱で、その一つには、透明なキューブの箱。もう一つには本物そっくりのプラスチックのキャラメルのピースが15個入っています。

 前記した通り、一つのサイコロには2粒のキャラメルが入っていますが、このサイコロが8個入っている中型のもの、そして27個入っている大型のものもありました。
 このパズルは、8個入りの中型箱で出来ているのですが、…2×8なら(16粒)のところを、1粒少なくしてあるわけで、…つまりこの1粒欠いたことからパズルとなっているのです。

 問題はこうです。『キャラメルピース15個をケースに詰め込み、全部のピースを固定させよ。フタをしめ、ケースを様々な向きにかたむけてずれ動くピースがまったくなければ完成!』 そして続けての小粋な言葉、『パズルを解く(楽しみ)と(苦しみ)を充分に味わっていただくために、解答図は付けていません。ぜひ自力で解答を見つけていただき、本当の(感動)を味わってください。』 いいですねえ! そしてこれかなりの難問なんです!(長時間掛かって、私は二つの解答を得た。で、2度の感動を味わった。)

 ところでこれは、実際にその楽しさを、ここでの紹介だけでは味わっていただけないわけで、それで紹介を迷ったのですが、キューブとパズルの(記録)ということで示しました。悪しからず。
 こんな話を聞き遊びたく思った方、どこかで入手出来ることを祈っていますよ。

 ともあれサイコロキャラメルと、パズルも好きだった母に見せたかったなあ! 一方父は、おもちゃ類や遊具が好きで、いろいろ手作りしてくれた記憶がありますが、それは、「水鉄砲」「竹馬」…。まあ、私のおもちゃ好きや手作り嗜好は、父と似ている点、いや遺伝かなと思っています。 おっと、もっと似ているのは、酒好きのところですかね。

 父はウイスキーをよく飲んでいました。で、私も一時父と同じ銘柄を愛飲していましたが、その後バーボン、ブランディー、テキーラ、カイピリーニャ、ラム、ジン、ジュネバ、グラッパ、ウオッカ、シュナップス、マッコリ、ラオチュウ、…などと、厳しい?呑み比べの行脚? 最近は日本酒や焼酎、そして偶にワインや泡盛です!

 要するに(のんべえ)です。 そして(のんべえ)の理想は?
『なかなかに 人とあらずば 酒壺になりてしがも 酒にしみなん』 大伴家持さんでしたっけ。万葉の同志!?


追記: ところでまさか?とは思いましたが、インターネットで“サイコロキャラメル”を
   検索したら、ああ、ちゃんと載ってました!…でも、悲しいことに、2016年を
   以って製造中止と! ノスタルジイばかりが募るこの頃です。

インターネットには、この「サイコロキャラメルパズル」
のことの紹介もありました。でも残部寡少とてすごく高価
でしたよ!                     


解答その1

解答その2
追記2: 明治からの販売は中止されたそうですが、北海道や横浜のメーカーでの製造
    販売に受け継がれたそうで、ほっと安堵しました。名菓は滅びませんよね。


2018/02/25

(立体化)のこと

「21・スクエア・パズル」の(立体化)

 昨年始めたブログの最初の方にご紹介した、あの超難解な(おりがみパズルー写真1)の発見は、私の存在理由を示すものだと自負しています。そこでその後もあれこれいじってみておりますが、その一つがこれの(立体化ー写真2)の思案で、次にはそれを全て(箱ー写真3)にして、その中に同じく立体化した(タングラム)を入れるというアイデアなんです。

写真1 21・スクエア・パズル

 ところでこの全20種のピースから成るパズルを(商品化!?)することを考えたら、これを(長方形でコンパクトにまとめる)必要がありました。
 すなわち、20種の中から18種を選んで(正方形に並べる)という最終問題の次に、全20種で長方形に並べる必要が有ることを(商品化プラン)を考えたときに、はっ!と思い至ったわけです。

 さて正直に言いまして、まだこの問題について正解を見付けていません。写真に示した商品化のための(全20ピース)での長方形には、実は小さな三角の(空き)が有り、それは(取り出すときの指入れ空間)とする!と逃げているもので、…「この惑星を後にする前までに」、この(未解決問題)に答えを得たいと思ってはいるのですが…が、どうもそれは実に難しい!

 おっと『この惑星を後にする』というおしゃれなセリフは、敬愛していたデンマークのトキ・イェン(Tohki Yenn)さんのもの。おりがみ同志の皆さんは、彼のことよくご存知ですよね。 ところでこのトキ・イェンさんのお名前はご本名ではありません。
 本当のお名前は?『日本人にはとても発音出来ないだろう』とのものです。そしてトキは『ほら、鴇(トキ)という漢字は(七十の鳥)と書くだろう。それが棲む園(その)の意で、70歳になったとき付けたのさ。』と教えてくださいました。すごい知識の人!
 が彼と親友だった藤田文章先生は、『それは違う。トキ・イェンって(投機、円)から付けたんだよ』とおっしゃった。まあ、おしゃれな生き方をされた大人の先生方の、ハイセンスなジョークは、幼い精神の私には理解に時間が掛かりますが、憧れからそのスタイルを模倣するのですね。お二人の行かれた惑星に、いずれ私も移りたい!

 なおそれから、(商品化)の希望はもう持ってはおらず、本にて紹介したいと考え、その原稿はかなり以前に完成していますが、…時代の変化はもうそんな思いも諦めさせるようです。…「おりがみ遊面体」のことがまた思い出されました。
 いやはや、閑話休題ですね。 

 さて、2種から始まって、3種、4種、5種、…と(18種までを組み合わせて)「正方形か長方形」に並べる問題は、全て解決出来ています。つまり、合計(17問)の全てに、解答を得ているのです。(17種の奇数種の組み合わせが難しかった。で、この問題には辛うじて一つの答えを得たのみですが、他はかなり多くの答えが得られている!)

 さあすると、全20種でとの問題の手前の(奇数、19種での長方形は可能か?)の問題が思い浮かんで、それにも答えを得ておりませんので、結局まだ2題の超難問が残っている!…という次第。もし答えを得た方は、どうぞ教えてください。

写真2 立体化第1案

写真3 立体化第2案(箱案→タングラムを中に入れて)。
   中に入れるタングラムは(1組)あれば充分ですね。

 さておしまいにもう一つの思案をご紹介します。それは、この「21・スクエア・パズル」って、『1本の“切り込み”を許して考えてごらんよ』との阿部さんのご教示から生まれたものですが、それを今度は(不切1枚折り)で考えてみたのです。そしてそれはご覧の通り既に解決済みです。(下の写真)
 こんな思案はあまり意味のあることではないかも知れませんが、まあ「おりがみって、何でも課題にして楽しむことが出来るんだ。」という話と捉えてください。

写真4 全20ピース
の(不切1枚折り)案

2017/11/26

おしどりパズル

パズルの(コマ)は、ミニ・キューブで。

 このパズル、いつ、どこで、だれが考えたものか? 私はまったく知りません。でも昔から大好きなパズルで、様々なコマで楽しんだものです。ただこのコマは、それぞれ同形で、なおかつはっきりと2色になっていることが条件です。要するにおしどりの(おす)と(めす)を表すからです。
 で私は、このコマを(キューブ)で考えたのですが、やさしく作れるキューブこそ最良です。そこで(5等分したテープ状おりがみ)の3枚で一つのキューブとするものを選びました。

 この(1:5の長方形)を6枚で作るキューブは、最古級資料「欄間図式」での「玉手箱」の一つの折り方として先達本多功氏の手で、記録伝承されています。
 しかし私は、その半数の3枚組みでのキューブを思い付きました。これこそ最も簡単なおりがみキューブです。コマの作り方と遊び方とそのルールは次の通りです。

(作り方)
 15cmのおりがみで2色を各3枚選び、5等分した細長い紙3枚を編んでキューブにします。のりなども要りません。要するに(組む)のです。それ、判りますね。
 15cmの5等分は(3cm×15cm)ですね。そしてこの(3cm)は、プラスチック製の(18cmの定規)の幅が3cmのものが多いので、これを当てて折り目をつけてから切ると楽に出来ます。初めから縦横5等分で、全体を25等分の折り目を付けておき、そこから(1:5)の長方形に切るといいでしょう。

(遊び方)
 15cmのおりがみ6枚を5等分したら、計30枚の材料が取れて、一つのこま(キューブ)は3枚を組んで作れるのですから、計10個(2色各5個)が出来ました。

 で、まず3個ずつを写真1のように並べ、必ず隣り合う二つを取って、そのまま移動します。例えば写真2のように。そしてその移動を計3回で、写真3のように(おしどりのおすとめすが、仲良くツガイになるように並べよ)がこのパズルゲームです。
 これが出来たら、今度は4+4と並べて(写真4)、4回の移動でペアに。(写真5)そして、これが出来たら、最後は5+5で(写真6)、5回の移動でペアに。(写真7)

(ルール)
 いずれの場合も、完成時おすめすが離れていてはいけません。なにしろ(おしどり)なんですから。
 なおこのパズルゲーム、この先6+6なら6回の移動、7+7なら7回の移動でと、どんどんと続けられ、私12+12で12回の移動までは確かめてみました。
 ところでこのパズル、ペアの姿から元に戻すのは、実に難しい! やってみて。

(最後の難問)
 さて、5+5で5回の移動までうまく出来た人に、最後の難問です。それは2+2で2回の移動でのペア作り、さあ出来ますか?

写真1
写真2
写真3


写真4
写真5

写真6
写真7