2017/11/30

白のおりがみ

おりがみ(=用紙の意)の新しい意味付加の以前は?

「おりがみ」という言葉は、手芸遊びとしての行為を指すと共に、そのための素材(片面に色を付けられた正方形の紙)のことも指しますね。
 しかしこれは、明治9年に、我が国に(幼稚園教育)が持ち込まれたときから発生した用語で、それ以前には白い長方形の和紙(半紙)がその用紙でした。すなわち「おりがみ」の語の意味の二重性は、幼稚園教育導入時からのものだと聞いております。
 というより、「おりがみ」の語自体が新しいもので、かつてこの手芸遊びの名称は「折り据え」「帖紙(じょうし)」「畳紙(たとう)」「折形(おりかた)」などであったとも聞いております。

 さて話はガラリと変わりますが、大好きなファンタジーの「ロード・オブ・ザ・リング」の中に出て来る、魔法使いの(灰色のガンダルフ)は、地獄の魔物との壮絶な戦いにより一度は命を落とします。しかし時間の流れを経巡った後、(白のガンダルフ)となりパワーアップして蘇ります。
 この話に感激して、(白)こそ最高!と思って、白いコピー用紙でのおりがみを、最高のおりがみのイメージとしての本を何冊か書きました。そしてそれらは(白のおりがみシリーズ)として、日貿出版社により3冊の本にて出版されました。
 そこで収録していただいた、おりがみの表裏での表現をせずに、白一色でも成立する造形のものを、少しだけここに紹介してみました。つまりは、明治9年以前のおりがみ世界への回帰みたいな思いもあってのことです。…えっ、ほんと? いや、うそ!

(白のおりがみ)3部作
灰色から白に昇格した「ガンダルフ」
楕円の顔の白い「ふくろう」
白い「きつね」
白い「たぬき」

白の「ライオンカップル」
白の「ユニコーンたち」を見つめる「(楕円の)樹」
改めて言うまでもなく「樹」と「ふくろうの顔」は同
じ折り方だが、ジャバラの(分割数)が違いますね。

2017/11/26

おしどりパズル

パズルの(コマ)は、ミニ・キューブで。

 このパズル、いつ、どこで、だれが考えたものか? 私はまったく知りません。でも昔から大好きなパズルで、様々なコマで楽しんだものです。ただこのコマは、それぞれ同形で、なおかつはっきりと2色になっていることが条件です。要するにおしどりの(おす)と(めす)を表すからです。
 で私は、このコマを(キューブ)で考えたのですが、やさしく作れるキューブこそ最良です。そこで(5等分したテープ状おりがみ)の3枚で一つのキューブとするものを選びました。

 この(1:5の長方形)を6枚で作るキューブは、最古級資料「欄間図式」での「玉手箱」の一つの折り方として先達本多功氏の手で、記録伝承されています。
 しかし私は、その半数の3枚組みでのキューブを思い付きました。これこそ最も簡単なおりがみキューブです。コマの作り方と遊び方とそのルールは次の通りです。

(作り方)
 15cmのおりがみで2色を各3枚選び、5等分した細長い紙3枚を編んでキューブにします。のりなども要りません。要するに(組む)のです。それ、判りますね。
 15cmの5等分は(3cm×15cm)ですね。そしてこの(3cm)は、プラスチック製の(18cmの定規)の幅が3cmのものが多いので、これを当てて折り目をつけてから切ると楽に出来ます。初めから縦横5等分で、全体を25等分の折り目を付けておき、そこから(1:5)の長方形に切るといいでしょう。

(遊び方)
 15cmのおりがみ6枚を5等分したら、計30枚の材料が取れて、一つのこま(キューブ)は3枚を組んで作れるのですから、計10個(2色各5個)が出来ました。

 で、まず3個ずつを写真1のように並べ、必ず隣り合う二つを取って、そのまま移動します。例えば写真2のように。そしてその移動を計3回で、写真3のように(おしどりのおすとめすが、仲良くツガイになるように並べよ)がこのパズルゲームです。
 これが出来たら、今度は4+4と並べて(写真4)、4回の移動でペアに。(写真5)そして、これが出来たら、最後は5+5で(写真6)、5回の移動でペアに。(写真7)

(ルール)
 いずれの場合も、完成時おすめすが離れていてはいけません。なにしろ(おしどり)なんですから。
 なおこのパズルゲーム、この先6+6なら6回の移動、7+7なら7回の移動でと、どんどんと続けられ、私12+12で12回の移動までは確かめてみました。
 ところでこのパズル、ペアの姿から元に戻すのは、実に難しい! やってみて。

(最後の難問)
 さて、5+5で5回の移動までうまく出来た人に、最後の難問です。それは2+2で2回の移動でのペア作り、さあ出来ますか?

写真1
写真2
写真3


写真4
写真5

写真6
写真7

2017/11/22

海の生き物のおもちゃ

ゼンマイおもちゃ

 おふろやビニールプールなどで遊ぶゼンマイおもちゃで、海に関わるものたちのいくつかを並べてみた。この半数は既に動かないが、ともかく彼らの表情が好きです。これらの中で「いるか」のメーカーがトミー、「えい(マンタ)」のメーカーがSHINSEIだと判ったが、他は不明だった。
 そう!赤い「くじら」と青い「さめ」は、百均で買ったもののように思う。メーカーの判った二つは、確か300円以上したが、今もしっかり動いて遊べるが、100円の二つは動かない。世の中の有り様の、なんか(?)を感じますね!
 でもまあ、デザインは等しく可愛いでしょう! 息子に娘、そしてその後は孫たちがこれで遊びました。もちろん言うまでもなく、最初に遊んだのは私です。

2017/11/18

海の世界

 大好きなSF作家アーサー・クラークは、生涯の後半はスリランカに住み、よくスキューバ・ダイビングを楽しんでいたそうです。
 海水の中に身を沈めると、それは無重力状態と同じように、体重を感じなくなれて、宇宙遊泳に似ているとて楽しまれたようだ。
 ああ、海! ラ・メール! 命の母!

 さて、私の生まれ故郷長野県は、海の無い県だ。 そこで県歌に詠う…『信濃の国は十州に、境連なる国にして、…(中略)…海こそ無けれものさわに!…』海こそなけれ、諏訪湖があり、…野尻湖、青木湖、…美しい湖はいくつも在るさ!

 甲斐の武田信玄は、領国内に海が無いので、海を持つ国を欲した故に越後の上杉謙信との戦だったのか? まさかね。 信玄さん、子どもの頃は川遊びをしたのかもね?

 小学3年のときに家が東京に転居して、その何年かの後に初めて海を見たときの大きな感動は、今でもはっきり感じられる。かくて青年期から壮年期、毎年海へ行き泳ぎを楽しんだものです。日焼けしておくと風邪を引かない!?との俗説を信じてのこともあって。
 しかし今の私にはもう海は強過ぎるようだ。「昔、始まりの物語」の(鬼のオグル)のように。かくてその後は、よく風邪を引くようになってしまった?!
 で、機会があればせめて水族館に行きたいと思う。が、それも車を止めた今はなかなか思うようにならなくなって、…そこでせめておりがみでとて、海の世界を並べて楽しんでいます。

タラバガニ
「イソギンチャク」と「かに」
ジンベイザメ
「クリオネ」
「動物折り紙BOOK 朝日出版社 2008年刊」に紹介。
これも「ミニチュア・ボックス」の一つにしてみました。
ホタテ貝



2017/11/14

組み木細工

箱根はパラダイスだった!

 景気も良く、私の体力も全盛の頃、よく親戚や家族と箱根に遊びに行きました。そしてそこでのおみやげは、自分自身のための「木のおもちゃ」でした。
「組み木」「寄木」「パズル・ボックス」…。まあよく買いました。そしてそんな見事な木の工芸品に溢れていた箱根は、私には(宝物に溢れたパラダイス)でした!
 後年、そんな品々のいくつかは、海外の友人へのプレゼントとも出来て、それはとても喜ばれて、なにか誇らしい気分も味わえたことでした。

 さてここでは、そんな「組み木パズルおもちゃ」で、「おりづる」と「ピストル」の二つを紹介しましょう。
 まあパズルとしては初級クラスのものですが、でも私の愛好世界を写してくれたものではあります。
 それから、これも初級クラスの「パズル・ボックス」。ここには「奴さん」の姿が、寄せ木細工で描かれている。 こういうのは、正に感動のおもちゃでした。

「組み木パズル・おりづる」

「組み木パズル・ピストル」

「パズル・ボックス 奴さん」

2017/11/10

自然の造形

岩山・岩礁

「岩山」のイメージ。そんなのは、別にはっきりとした形があるわけでもないので、実にどんどんと無作為の折りの形の中にイメージ出来るもののようです。ただし、ただ岩山だけでは何の面白さもありません。…で、そこに「飛び立とうとする鷲」を乗せるというものを、3種の造形アイデアを得ましたので、それを紹介します。

 また、岩を海の中のものとすると「岩礁」で、これまた生き物たちを配して、その造形を楽しみました。ここでは1種類の形を色と位置を変えて、並べてみました。

 そう!このブログの冒頭で言いましたね。「おりがみ・オン・ステージ」と! 無意味な形と見えようとも、じっくりと見つめて、そこにイメージを引き出してみましょう。











2017/11/06

太陽と月

「太陽」と「月」は、「星」と並んで私には(おりがみの魅力的なテーマ)の一つです。で、これまでにもいくつものくふうを試みました。
 そんな最新(と言っても、10年あまり前)の成果をご紹介しましょう。「太陽」は複合、「月」は(半開折り)です。そしてこの「月」は、作ろうとして作ったものではなくて、無作為に折ったものを途中で半開きにして、そこに何かをイメージする! という、そう!「イメージ・ゲーム」での自慢の成果なんです!

ミロ風「太陽(2枚複合)」

月のプロフィール(半開折り)
裏の形はとても見せられない。

2017/11/02

3体積み木

フレーベルの心を手の上に!

 フレーベルの理念での教材案としての(3体積み木)は、私の心をしっかりと引き付けるものでした。(立方体)と(円柱)と、(球)との3体の形に、「異形でありながらも相互間の“共通性”を見つける面白さ」を知らせる教材です。この視点は、私のファンタジー「むかし、始まりの物語」のひとつのモチーフでもあります。
 このフレーベルの理念に共鳴させられた私は、日曜大工のコーナーで、正にこの3体積み木そのものと同じものが、(手作り工作)の素材として売られていることを知り、とても嬉しくなって、すぐに買って来ました。(20年以上前のこと)
 そしてそれは、私の「ミニチュア・ボックス(15cm角の一般的なおり紙から作った“蓋=伝承の「升」”と、”3等分折りでの“立方体形の箱、すなわち身”)」の中に、実に気持ちよく納まりました!

ミニチュア・ボックスに気持ちよく納まりました!


フレーベルの生誕地、ドイツのバッド
ブランケンブルグ市の、彼が散策した
という丘の上に建てられている石の記
念碑の姿がこれです。       
        この3つの異形が、ある面からの視点       
       で、同形となる面白さを幼児に教える!