2021/08/03

人間の(細胞の数)? 

(かに折りさん)?

 昔、私が初めて聞いたときは、『人体は60兆個の細胞で出来ている。』でしたが、最近はこれが37兆個ときっちりした数値に減らされていますね。あの山中伸弥教授(Prof.Yamanaka Sinya)が言われているので最新の認定数値ということでしょうね。なにか深い理由でもあるのか知らん。

 まあそれでも大変な数ですが、この細胞の中には複数の共生者の(ミトコンドリア)が居るし、腸には多数の(細菌)が居るそうだ。その数なんと100兆個だって!

 ともかく我々一人の人間は、無数に近い生命の共同体だと、テレビにて、具体的な映像で見せてもらえるこの頃だ。そういう神秘的な映像から教わるのは、いやまったく精妙不可思議な人体です! しかし、そんなこと教えられ「うわっー!」と驚くも、実感などはまったくもって無い。いや感じ取ることなど出来ない!

 さてこんな凄い映像情報を、もしもかのレオナルド・ダ・ビンチさんにお見せ出来たら、『そんなこと私は予想していたさ。』とでもおっしゃるかな?

 いやそれは冗談、実は次の話に繋ぎたいのです。

 1枚のおりがみの中に(無数の夢や可能性)が内在していて、今発見されているものは、ほんのその一部。だから「クレオパトラの横顔」が出来たぐらいで、この世界の楽しみを終われる筈もないのだが、…ただこちらの肉体の衰えは如何ともし難い。

 このことだけはいやでも実感できる! そして、肉体が衰えると、脳細胞も疲れてか、意欲を覚えるテーマもなかなか思い浮かばない。

 そこで若いオリガミアンの方々、おっと今はオリガミストと呼ぶんですってね。おりがみをするには、タキシードかロングドレスを着ないとならないように響く改名ですね! ミュージシャン、コメディアン、オリガミアン、私はそんな名の方が好きです。 あれあれジジイになって嫌味が多いですね。どうぞ聞き流して。

 でもともかく、どうかこれまでに見たこともないような、すごいものを引き出して見せてください。

 ともあれこれまで自分で見付けた諸々を、同好の士にお聞き願いたいの思いもあって、こんなブログを始めたわけですが、まあそんなエネルギーもあとどれほど残っているか?

 おっとすみません。暗い話はいけませんね。でも私気持ちは明るいんです。知の巨人と称された立花隆さんの100分の1にも及ばないでしょうが、何しろ本をいっぱい読み、数え切れないほどの未知だった情報やドラマに触れて、いつでも心に感動を覚えて生きて来れた幸せな人間と感じているからです。

 それに加えるに「おりがみ」という大きな包容力を持った友とも手を携えて来れました。もはや何をか望まん。

 でもね、岡村昌夫(Mr.Okamura Masao)先生の論文に、『明治の頃のおりがみ好きの中で、江戸時代に考えられた(蟹=8本の足、2つのはさみ、2つの目玉を1枚のおりがみで折り出す奴です)が折れる人を(かに折りさん)と呼んでレスペクトを受けた。』といった一節がありました。

 で昔の作例ですが、大いに気に入っている「かに」を紹介してみます。 はいっ! この際しっかりと言いましょう、この私は、我が身の内で働いてくれている細胞は実感できないが、1枚の紙の中に潜む諸々を感じ取る技に、人より少し熟達している(かに折りさん)なんですよ?





(割りピン)という素材との、コラボレーションでの作例です。面白いでしょう。

2021/07/30

ざぶとん折り物語 付記

前川淳(Mr.Maekawa Jun)さんの「無限折り」

 4月に前項の「クレオパトラのプロフィール」が、図らずも出来てしまったことからこれはもうドヤ顔にて自慢しなくてはならない!とて再開した当ブログですが、いわば(卒業制作)を終えてしまったら、さて? もう思い出を語るしかない?

 で、今更私が語らなくても、皆さんの方がずっとよくご存知の前川さんの、私だけの思い出を記してみよう。

 彼の作品集を最初に手掛けさせてもらったことで、以後の私のおりがみ観は大きく変えられるところとなった。そしてそこからおりがみ世界全体の技術がレベルアップしたと確信する。

 彼のまず第一の功績は「かどを、いくつでも、どこにでも自由に折り出せる手法、すなわち人の言うところの(前川おりがみ原子論)の発見だ。すごい!

 この発見の結果おりがみ造形のくふうが、試行錯誤のものから(設計するもの)へと発展したわけです。

 しかし試行錯誤のくふうしか出来ない私には、(小声で正直に言うと)、私はこの理論あまり使えません。この設計理論を紙の上に折り線として具体的に描き出すには、やっぱりパソコンが必要となるようですが、そもそもパソコンはいつまでたっても未熟で、もっぱらワープロとEメールとして用いるばかりなんです。

 さてここで違う話題を紹介します。 おりがみと双璧をなす伝承の遊び(あやとり)の研究でも著名であられた早稲田大学の数学の先生、野口宏(Prof.Noguchi Hirosi)教授が、あるとき面白い話をしてくださった。

『あやとりに(はしご)というのがあるでしょう。3段、4段、5段、と増やして行くのを、試行錯誤で楽しんで来たのですが、一人の東大生がそれを数式化して、何段でも自由自在に取れて、しかもそのクロス部分のひもの(上下関係)も自由にした! だから今は(はしご)をしない人が増えましたよ。』

 おっとごめん。前川さんの発見はこれとは違い、かどの数を望みのまま折り出せる技術として広く普及されていて、現代おりがみの(基礎理論)の一つですね。

 その点東大生のやったのは、あやとり作品の一つの広がりを解明しただけで、あやとり全体の(基礎理論)とは違うだろうと想像している。だから要するに(前川原子論)は、私の試行錯誤おりがみにとり、意欲を損なうようなものではまったくないのですね。(いえね、この頃“東大”の語が氾濫しているので、ちょっと嫌味を言いたくなっただけですよ。)

 それにしても、優れた頭脳から「折り線交点の定理」とか「変化おりづるの処方」…、など明快な基本事項にすごい発見をたくさんしてくれていますね。

 でも私がもっとも感激した発見は「無限折り(この“無限”という言葉も、今すごく流行っていませんか?)」です。

 1905年に、インドの T. スンダラ・ロウ(T.Sundara Row)とおっしゃる数学の先生が、「おりがみで幾何学演習(Geometric Exerscise in Paper Folding)」という書を出版された。 

 この本のことは、伏見廉治(Prof.Hushimi Kouji)先生が、満枝(Mrs.Hushimi Mitue)夫人との共著で著された「折り紙の幾何学 日本評論社 1979年刊」の中で紹介をされていて知ったのです。

 伏見先生は、ロウさんの「正5角形の作図法」の改良ということでの紹介でしたが、私が心惹かれたのは、ざぶとん折りを(面積を半分にする折り)として取り上げ、そのことで(数列の和)という数理を教えている点でした。

 すなわち折る前の正方形の面積を1とすると、ざぶとん折り1回するとは面積を2分の1、さらに続けて2回すると4分の1=2の二乗分の1、3回は2の三乗分の1、…それをn回続けて2のn乗分の1、でその(和)を求めると、それは最初の紙の大きさ(1)へと行き着くわけで、答えは(1に収束)となるわけです。

 そこでそんな視点を実感してみたいとてやってみると、15cmのおりがみでは、5、6回で厚くなって折れない! それは完全に(紙くず製造)だ。

 ところが前川視点では、これを(直角二等辺三角形の折り)に変えることで、そう!(無限折り)になるのだ。お見事! そしてつくば大のおりがみ教室で彼の曰く『死ぬまで折り続けてください。』

 確かにそれは理屈の上では無限に折り続けられる。まあともかく実際にこれを12、3回試みたものは、造形的にも美しい。私はこの前川無限折りをお借りして、この造形美を立体化してみた。そしてパウロ・ムラチンヨさんのご好意によりドイツから出版させてもらうことになった「おりがみ 図形と幾何学 Origami figurlich und geometrisch Augustus刊」の中で紹介させてもらったが、今でも時々この(無限折り)を楽しませてもらっているんですよ。 


 写真左上が「無限折り」のオリジナル形。それを反転して立体化してみたというわけ。皆さんも折ってごらんなさい。おりがみの楽しさが満喫できますよ。


 

2021/07/19

女王クレオパトラの横顔!

とうとう!!!

 このブログの始まりの方の頃で、「おりがみで、エジプトの女王クレオパトラが折れたら、もうおりがみ卒業だ!」なんて軽口をたたきましたが、あれれれれ どうしましょうか!

 それが手の上に現れてしまった! そしてそれは、私自身充分満足の行く表情で取り出せたのですね。でも前項で言いましたように、当初私はただ単純に、魅力的な「女性の横顔」が欲しかったのでしたのに。

 そこで、その最初の希望にちょっぴり色を付けて、ふふふっ…「女性の裸の胸像」もやってみました。

 なお女性の全身の裸像は、ずっと若い頃「ビーナス像=イブ像とも」として試みており、知る人ぞ知る、英文の著書に紹介していますよ。

 まあ講釈はともかくどうぞご笑覧ください。

 男女平等の社会と信じて生きて来た者とて、男性の全身裸像「アダム像」も公表していますよ。 おっと、イブはアダムのあばら骨から作られたって? まあ、おとぎ話にせよ、それって男尊女卑の意識からとしか思えませんがねえ。








ちょっとテーマイメージが薄れましたので、少々の休憩タイムを置きます。

2021/07/15

コロナ禍の中で、奇跡的に傑作が!

「雪女」が手の上に!…そしてなんと!!!

 350年余り前に起こったというペスト菌によるパンデミックは、今よりもっと人々を恐怖に追いやったことでしょうが、それが一応の収束となるまでに1年3ヶ月の時間が掛かったそうですね。そこで私は素人の思いにて、今年の3月にはなんとか、なんて思って人にも言ってきましたが、4月が過ぎて5月になって、6月になって、7月になっても、ああまだですね。

 しかしそんな4月に、なんとなくおり紙をもてあそんでいたら、おっ!これはこれは!…なんと「雪女」の姿が生まれ出てきました!

 この雪女というテーマについては、昔、小林正樹監督が、小泉八雲(ラフカデオ・ハーン)のオムニバス小説「怪談」の中から、四つの話を選んで映像化した中に、岸恵子さんの演ずる「雪女」があって、それに魅了され、おりがみに出来たらなあ!と心に温めていたものです。

 それが今ひょっこり手の上に現れた! でもただしそれは「折り雛」と同じく目鼻の表現は無いものです。それでも私はうれしかった。がここで欲が出て、女性の顔を描きたいものだ!と思ったら、これまた勝手に手が動き、女性らしい目鼻が現れてきたのです。

 かくてここからはもう夢中でイメージを駆り立てて、美しい女性のプロフィールを手にしました! (顔)と(髪の毛)との(2枚複合)の手法です。 が、ここでまた新たな欲が湧いてきて、ここでの(髪の毛)を(王冠)のような形に変えたら、あっあっ!「クレオパトラのプロフィール」が!

 いやまず今回は、「雪女」を下に写真紹介します。 もしかして高い鑑識眼をお持ちのあなたには、『どうってことないな。』と言われるかも知れませんが、私自身は大満足です。人の評価などどうでもいい!




2021/07/11

魚のキューブの話

(鷹の羽模様)の「ユニット・キューブ」から

 写真のようなパターンの「ユニット・キューブ(6枚組み)」を見付け、これに(鷹の羽)のイメージを得た。しかしどうもそれだけではインパクトが弱いと思い、このパターンに(濃い色の面での増・減)を加えてみようとのアイデアを得た。



 その結果が(金魚)であり(インディオの魚)との二種の「魚」のイメージだ。その二つの実際が次の写真だが、「金魚のキューブ」では自然に12匹が現れるが、「インディオの魚のキューブ」 では、当初どうしても6匹しか表せなかった。

 ともあれ、(鷹の羽)からのデザイン面での増減が(金魚)と(インディオの魚)とのイメージ変化を生んだところを見て欲しい。



 話を戻し、思い付いたことに拘って6匹では諦めず、大いに粘って金魚と同じ12匹のパターンを得た。が、この間には実に2年の時間が流れていた! 単純なくふうを好む私としては珍しいことだ。でもまあそれだけに愛着のある作品だ。ところで皆さん、(インディオの魚)って、ちょっと変なタイトルでしょう。(伝承の作例から「大口魚のキューブ」とも呼んでいますが。)



 私は、インカやマヤの絵文字のデザインに魅了され、この魚のパターンが、そんな絵文字の中のそれに似て見えたからの題名です。皆さんは、もっと深い意味を想像されたかも知れませんが、単純な理由なんですよ。