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2019/12/15

(7)という素数からの正7角形。

ラッキーセブン!

 ラッキー7とは、野球から来ている言葉だそうだ。よく7回で逆転劇など起こるからだとか。でも前にも言ったが、日本では(七転び八起き)で、8こそ良き数! まあまあ、どうでもいい縁起担ぎではありますが、おりがみでは実に楽しい数ではあります。だってこれ2、3、5に続く一桁最後の(素数)!

 かくて素数7からの(正角形)は、実に魅力的なテーマ。でも定規とコンパスの使用範囲では(作図不可能図形)とされていますよね。

 さてところで、イギリスの50ペンスコイン(…昔の知識で、今どうなっているかは分かりませんが、以前手にしたそれは「正7角形」になっているのですが、7角形のままではコイン販売機では使えませんね。) そこでこの「正7角形」を、(定幅曲線=ルーロー)にしてあるのです。

 正多角形を転がしても、その幅が一定になるよう
にするために、辺を(膨らませた)ものを「定幅曲
線ルーロー」と呼んでいますが、このルーローは発
見者の名前ですね。              
 この理論の活用例で有名なのが「ロータリー・エ
ンジン」で、それは正3角形のルーロー形を使って
いますね。                  
私の知る範囲で、正多角形を通用コインに使用
している例は、上のようなものがある。いずれも自
動販売機にても使用可能なように、定幅曲線にした
り、円の中での正多角形にしたりしているが、…?

 上掲の正多角形コインで、「正7角形」を用いている例で、この(作図不可能図形)をデザインした人は、何に拠って作図されたんだろう? 定規やコンパスでもだめ。さらに分度器を使ったって測れない! 考えれば不思議感が沸き起こる!

 もしかして?(おりがみ)に依ったんじゃあないだろうか? まさか? しかし、おりがみだとほんとうにこれが楽々と作図出来るのですよ!

 私は何度かこの(おりがみ)のことを宣伝していますが、…その一つが(引き算のおりがみ)と名付けた処方で、まずは、やさしく折れる(正8角形)を折り、その一つのかどを、(−1する=引き寄せて重ねる)ことで、(正7角錐)を作って、それを「正7角形定規」として作図する!のです。いいでしょう!
はいっ!これが「正7角形定規」です!

 この手を使えば、(正5角形)も(正9角形)も(正11角形)だって、…ともかく、こんなおりがみを教育の場で使わない手はないでしょうよ!
 遠い星に移られた伏見康治先生、阿部恒さん、これでいいでしょうか?



ごあいさつ

 さて今年は既に師走も半ば! まあ私はもう走れませんで、ただゆっくりと歩くばかりの者ですが、今年は本当に大変な年でしたね。風水害のすさまじかったこと! 私なんか風速15メートルくらいでも、体重も軽くなっているからきっと一発でアウトでしょう!

 難しい事なのかも知れませんが、来年はどうか、地球温暖化が鎮まって、静かな年であってくれ!と祈りつつ、ひとまずここで、当分の間ブログを閉じたいと思います。


(不切正方形1枚折り)の「茂った木」(既出)

2019/11/01

これはもう(教材)?!

(中間)の考えから、深入り!?

 今、1折りでおり紙(=四角い色紙の方の意)の、(色面)と(裏の白面)の大きさを(1:1)とする折り方、を考えたとします。
 これなど「やさし過ぎて、考えるのもバカバカしい!」と言われそうで、…すなわち、3分の1の長方形を折ればいいわけですね。(写真1)

写真 1


 しかし、これを(対角線上での1折り)で考えると、こりゃ中高生の本格的な数学問題になってきます。

 でも私は、これを(正多角形すべてを“中間の視点”で捉えるのやり方=前項での解説)と同じように、小学生にも解るような方法で、考えます。 すなわち、この正しい位置は(1:1)となりそうな、やさしい折りで、その正解の前後のものを見付けて、「正解はその(中間)に在る!」とするわけです。要するに(絵解き)というやつですね。(写真2)
        写真 2
まずは辺を(3等分)と(4等分)したもので、
その(正方形)か(正方形の半分=三角形)で、色面
    と白面の数を数えてみます。               
  すると、左の3等分では(色面)と(白面)とは、 
    2:5で、白面が圧倒的に広い。             
 次に右の4等分では、色面:白面とは、4.5:7と
て、やはり白面がずっと広い。まあこのように小数点
が付いてしまうようなときは、正方形を3角2つと数
えて、9:14とした方が、小学生にはいいですね。
上の実験から、今度は(5等分)と(6等分)
で見てみると、左の5等分では、色面:白面は、 
8:9で、やはり白面がやや広い。ところが今度 
6等分では、色面:白面は、正方形を2と数えると
ほーら、25:22で、白面の方が小さくなった。
 すると色面と白面がきっちり同じ広さになるもの
   は、この2つの(間に有る!)と分かるのですね。   
                           
ほらね! 答えは(中間に有り!)というわけ。

 ただし、この例題での正解は、まったくの(計算)で求めるしかありませんでしたが、そんなこととは別に、(正解の姿を感じ取る)のが大事だと思います。

各辺を3等分した、つまり全体を9等分
してから√2/3が答えとなりますが、そんな
のは、興味の薄い事柄ですね。      

2019/10/24

コップと正5角形

(似て非なるもの)の楽しさ

 前項の(コップの折り方)とそっくりな折り方から始まるも、まったく似て非なるものがあります。写真に見ていただくと、…「コップ」の方は、その(斜めの辺の目安点が、1:√2)となっているのに対して、この似るも異なる折り方では(目安点は、1:1)と単純です。
左が「コップ」の折り出し。では右は?

では右は何かと言えば、これは(アメリカ方式の“正5角形”折りの目安)なのです。さて(正5角形)という図形の作図は、決して単純なものではなく、まあ大胆な言い方をすれば、「近代の幾何おりがみの出発点は、正5角形の正確でやさしい作図法の追求」だったとも言えると思っていて、そしてこの課題は「決着がついている」と、はっきり納得するには至っていないようにも思えますが、…
アメリカ方式の「正5角形の作図法」
理屈の上ではわずか誤差があるので、一応
は(近似解)なのだが、現実に折るとき、
それは途中で吸収されてしまう。    
しかしそんな中で(1:1の目安点)から折る(アメリカ方式の正5角形折り)は、これが近似解(*)であっても、現時点で最善のものだと思っています。
 これを私に教えてくださったのは、(OrigamiU.S.A.)の前身「ニューヨーク・オリガミセンター」が発行していた、季刊新聞「ジ・オリガミアン(The Origamian)」の編集長であった、アリス・グレイ(Alice Gray)さんでした。

* 理論的に(正)となる(正5角形の作図法)は、今から100年以上前の1905年に、インドの数学の先生、T・スンダラ・ロウ(T.Sundara Row)さんにより導き出されています。しかし、このように、理論上の精度はおりがみの実際においては生かされない場合は多い。事実このロウ先生の折り方では、神経を研ぎ澄まして折らないと、まったくもって(正5角形)は取り出せない。

 このロウ先生の「正5角形の作図法」を、ご著書「折り紙の幾何学(日本評論社)」で紹介された伏見康治先生は、これの改良を試みられ大いに改善されたが…それでもきれいに折るのがかなり難しい。(目安)には、(取り易いもの)と(取り難いもの)とがあり理論的なものでは、どうしてもこの目安が取り難いものが多くなるようです。

 つまり、実際には(わずかでも厚みのある紙)を折り、なおかつそれが重なって行くわけで、理論上の精度は、この紙の折り工程で大抵は壊されてしまうのです。だから、始めからこのズレを“誤差”として見込んでの近似解の折りこそいいのではないだろうか。
 そんな意味合いにて、私は上記(アメリカ方式の正5角形折り)が(楽しく折れて、なおかつ精度が高い)これが最善だと思っているのです。


2019/10/16

コップの幾何学

ここでも(1:2)の比率

 前項で、私の幼児期の小さなな記憶に繋がる「コップ」の話をしました。なにしろ幼児期のおぼろげな記憶ですから、それはおそらく現在のように、きっちりとは折ってはいなかった筈です。

 しかし、現代のように正確な折り方となりますと、そこには明確な数理が見えて来て、そう!これも立派な教材へと繋がって行くと思えます。

 もう過去に何度も、諸所にて喧伝してきたことではありますが、改めて折りながらそれらのことを、楽しんでいただきたいと思います。 

改めて示すまでもない、「コップ」の現代の折り方ですが、このような折り方に
よるなら、そこにはとても面白い(数理事実)が見出せます。すなわち、(面積)と
    言う視点からの興味です。                              
 なお上の写真は、反時計回りで示した折り方ですが、2番目のピンクのところには
3つの三角形が在りますが、真ん中の三角形は(2等辺三角形)であることは1番目
の目安の折りから明らかですね。と、このことから上部の直角2等辺三角形と、下部
の直角2等辺三角形の面積比は(1:2)が証明されます。           
 そして、5番目のピンクの完成形では、ピンク部分と紙裏の白とが(等積=同じ大
きさ)の事実も見られます。ではそのことを証明してみてください。       
    

2019/10/07

(重心)探しの遊び

バランス

 伝承おりがみの最高傑作の1つ「やっこさん」は、おりがみ歴史研究の第一人者であられる岡村昌夫先生のお調べから、明治期に「弥之助(やのすけ)さん」と呼ばれた資料もあるとのこと。
 つまりは写真のように、バランス玩具の「やじろべえ」を、おりがみで折っていたとの証拠資料と言ってもいいでしょうね。

 なんですか?『弥次郎兵衛(やじろべえ)と、弥之助さんで、名前が違いますが?』と苦情がありそうですね。実は「やじろべえ」のことは、「やのすけ」とも「豆蔵」とも、あるいは「正直正兵衛(しょうじきしょうべえ)」など別名があるのだそうです。ほら、名作「宝船(たからぶね)」に、「唐船(からぶね)」「八幡船(ばはんせん)」などいくつもの名前で呼ばれているのと同じです。
 

針金か、竹ひごなどを使って
楽しい「やじろべえ」を作って 
みましょう。         

 ところで前項では、端紙から(まったく自由に切り出した三角形)を、(内角の和)の証明を(楽しむ教材)にして活用しよう!との提案をしましたが、今回はそれを「(重心探し)の教材とし、そこから(バランス玩具)作りを楽しもう!」との提案です。ねっ!端紙捨てるべからず、ですね。

まずは(三角形の重心)は、どう
やったら見つけられるか?を考えて 
みてください。そのためには(三角 
形の面積の求め方→底辺×高さ÷2) 
を思い出してください。ねっ!(い 
い教材)でしょう!        
 

2019/10/04

三角形の内角の和

これまた「良き教材案」

 おりがみ遊びを長年続けていると、膨大な(端紙ーはがみ)が溜まります。ねっ、そうでしょう! おりがみって、色とりどりのきれいな紙を使いますから、端紙でもなかなか捨てられません。
 まあ、「貼り絵」や「切り絵」などに使えばこれは生きますね。

 でもその他に、なんか役に立たないかなあ? なんて考えてみたときの一案として、「それらをすべて異なる三角形に切って、それから(三角形の内角の和)のひみつを知る」という教材にする、の思案を得ました。
 この発案の元は、藤田文章教授(Prof.Hujita Humiaki)から教わった事柄からです。

すべて異なる(三角形)から、その(三つのコーナー
の角度、つまり“内角”の和)は、必ず(180度)である
との、ギリシャ時代から知られる数理を、おりがみで証明
してみようではありませんか。            
これ、前項での教材案のつづきですね。      
            
一つのかどから、対辺に垂線を下ろし、その
足に三つの角を折り集めると、全体は長方形と
なり、180度が(目に証明される)!   
  この目に証明が、おりがみの大いなる力です!

2019/10/01

安息

教材案?

(安息=rest,repose)という言葉を、広辞苑などで引いてみてください。
 まずは(やすらかに休むこと)の解説の後に、…カスピ海沿岸に、イラン系遊牧民の創った王国の話などが出て来て、…その国が「安息国=Parthia」というに至って、大いに感激しますよ!

 ともあれ(安息)、いい言葉ですね。もっとも、後期高齢者となると、なんか「お迎えが来た!」みたいな響きも聞こえてきますが、まあそれも良しと思っています。

 さてこの(安息)の語は、(安息日)や(安息香)などの言葉となりますが、もう一つ(安息角)という言葉があります。ご存知ですか?

 この(安息角)は別名(休止角)とも言い、(ボタ=石炭の選炭後の屑)などを積み上げるとき、斜面が崩れ落ちることなく安定しているときの(最大角)のことで、まあ、ボタ以外の(砂)とか(小石)など粒状のものの積み上げでも使う言葉で、それぞれの粒の湿度の違いなどで、具体的な数値はバラバラですが、(平均値)で言って(30度)が妥当なところとされているようです。

 ではここで問題です。「おりがみで、この30度を正確に(2折り)で示すには?」

 これはおりがみの必須の基本知識で、写真のようにすれば簡単に折れますね。そしてこの折りは同時に(60度)も正確に折り出していますから、小学校の算数授業での(三角定規)がこれにて取り出せますね。かくて「おりがみって、とても良い教材」ですね。

この(正三角形)のための折りは、
おりがみ遊びを、(教材)にも繋げる 
大事な(30°折り)の基本です。   
 なおこの折りは30°と同時に(60°) 
も折り出していますね。次の写真を。 
ほらね!右側を見れば(60°)が!
上の事実から、「おりがみ三角定規」が。

はいっ!「おりがみ三角定規」です!
 そしてここから、「安息角のお山」が出来ま
した!                
上の「三角定規」から、すぐに出来る「安息角」。ちゃんと立ちますよ。
さてここで、教材案の根拠です。「この(お山)のてっぺんの角度は?」。 
(三角定規)の表面を見ると、そこに
ちゃんと「安息角」への折り目が現れて
いますでしょう。それを向こう側へ折っ
て、はみ出した部分も折って、それを支
え台にすれば、作品が立ちますよね。 
「安息角のお山」


2019/09/25

ことりの基本形

(シルバー矩形)との繋がり

 前の項で、(ことりの基本形)が出て来ましたが、改めてその形や「ことり」の姿を示します。(写真1・2)
 この「ことり」という伝承作品は、その完成形がかわいいだけでなく、前項で見ました通り、楽しい(幾何の図形)や(やさしい数理)とも繋げられる(教材効果)もあるものでした。

 さて次に、前項での(パズル)の答えの姿を(写真3)に示します。 ところで、この白い(面積1:2)の正方形の出方の上下を入れ変えたものから、(ことりの基本形)と同じ折り方をしてみたら、(写真4)のような形で「白頭わし」が現れました!
(ことりの基本形)の(比率変化)という思い付きが、思わぬ収穫となり「やったー!」


           写真1 「ことり」
次のことに、何の証拠も根拠もありませんが、
私はこれは大正時代に考えられたもののように思い
ます。何故って、大正ロマンの香りがするから!?
 なおこの形を(基本形)として取り上げたのは、
私が最初なんです。              
             写真2
(ことりの基本形)の姿は、正式には真ん中のもの
ですが、今日では右の変化形も同じく(ことりの基本
形にしています。いや失礼、こんなことを決めたのも
かく言う私のようです。はっはっは。       

写真3


写真4
上部に2、下部に1、の面積比から
出来た(新しいことりの基本形)です。

はい! 「白頭わし」アメリカのシンボル。
なお、下の台座は、(織り紙)の「正12面体」

2019/09/22

(比率)のこと

(1:2)の比率

 さて前項では(おりがみで“面積”のことを考える)というのを解説しましたが、ここでは同じく面積に関わるものですが、ちょっと視点を変えたものをご紹介します。それは、(比率)という数理に親しむものです。

小と大の正方形→(1:2)の面積比
上の形は(ことりの基本形)から得られる
形です。だから、すぐに折ってもらえますよ
ね。さてこの形に私が魅了されますのは、こ
こに見える白い2つの正方形が、(1:2の
面積比の関係)にあることです。     
面白いと思いませんか? ではその関係をど
うやって証明しますか?ねっ!これパズルで
しょう!                
 そしてさらに面白いのは、この全体の大き
さが、折る前の紙の(2分の1)になってい
ルことです。この事実は、下の写真の通り、
同じ大きさのおりがみで(ざぶとん折り)し
た正方形と比べて見ると分かりますね。  



さてではパズルです。

 上で見た白い二つの正方形は、その面積が(上部が1、下部が2)の関係ですが、これを(上部が2、下部が1)と変えてください。
 上のものを上下入れ替えるとて、これをぐるっとひっくり返せばよい、とトンチでの回答はだめですよ。

2018/02/13

「かざぐるま」への二つの考察

分割比率と用紙形

 フレーベルの(美麗式)の大半のものは、伝承おりがみの「かざぐるま」から折られたパターンです。
 そこでこの(かざぐるま)について、二つの考察を加えてみました。すなわち、その1は、用紙を(4等分割)する基本の形から、それを(3等分割=古典資料「欄間図式」での「玉手箱」の原型)や、(5等分割)(6等分割)…、と比率を変えてみる考察です。

 そして次のその2は、(用紙形)を正方形から(正3角形)(正5角形)(正6角形)…と変えての考察です。 ただしフレーベル研究の先人による著述物には、この用紙形の変更での変化を「かざぐるま」ではなく、(美麗式)での変化として考察していました。

 しかし私は、伝承の名作「かざぐるま」そのものについて考察してみたわけです。実は
こんな試みをした理由は、(美麗式)を平面図形としてだけではなく、立体化することで美しい(容器)にしたいための、その折り出し形のためのくふうでした。そしてその1も同様の考察からでした。
 そんな「美しい容器」を写真(その3)に一覧しました。


その1 分割比率での「かざぐるま」変化。
左下は(8等分割折り)の例で、結果的には
左上の(3等分割折り)と同じサイズのもの
   となります。具体的には(ふうせんの基本形)
から折ることになるものです。      
その2 用紙形での「かざぐるま」の変化

その3 「かざぐるま」から出来る美しい花型容器 「お皿」から「壺」まで

2017/04/15

教材案

阿部さんの教え

 阿部恒さんからは、数学に関連したいろいろなご教示をいただきましたが、そのご教示の中の一つに次のような話を伺いました。

『小学校の算数の授業で、その教え方の順序が間違っていると思うことがあるんだよ。それは、まず最初に(足し算)と(引き算)を教わる。次に(九九)を覚え、その後で(掛け算)を教わり、いちばん最後に(割り算)となる。』
『でもこれが間違いで、こどもが日常生活の中で最初に出会う算数は(割り算)だと思うよ。たとえば(おやつ)を食べるとき、その菓子が複数あるもので、兄弟など何人かで食べるとき、(分ける)という必要に出会うだろう。つまり(割り算)だよね。
 ここにいくつ足すとか、いくつ食べたから残りはいくつだとか、こどもはそんなことはほとんど考えないだろう。そうなんだ、(割り算)こそ最初なんだよ。』
『ところでさ、(おりがみ)できっちり折るという行為は(割り算)と等しいと言えるよね。だからさ、小学生の算数の授業に正方形の紙を与えることを提案したいね。』

 これって卓見だと思います。そして私の思うに、小学生だけでなく、中学生に、あるいは高校生の数学の授業にも(正方形の紙、すなわちおりがみ)を教材にすることを提案したいものだと願っています。少なくとも(数学嫌い)を減らすのに、おりがみは必ず役立つだろうと信じています。

 ところで、阿部さんと同じようなご教示を、伏見康治先生からも伺ったことがありました。『数学での“証明”を言うとき、一般には(proof)と言いますが、幾何学においては、(demonstration)と言います。そしておりがみにおいては、正に(目に証明する)のですから、デモンストレーションですね。これがおりがみの優れた点だと思いますよ。

 さてね、今世界中で、美しい古典幾何学が教育現場から消え去ろうとしています。私はこんな現状を、おりがみは(そんな現状を変える先兵となれる)と、ヤノケンさん(数学者、矢野健太郎さんのこと)にも言っているんですよ。』(今から30年くらい前の話です。)
 さてさて、これは私には(特ダネ記事)ですが、伏見先生は阿部さんのことを「フリーランスの教育者」と呼んでおられた、とは阿部さんご自身から伺い、そして阿部さんは、『これほど嬉しい評価はない。』と言っておられた。お二人の関係の素晴らしさ!

 さてさてパズルの項で紹介したものも、そんな阿部さんや伏見先生への返答としての、一つの案になるかも知れないと思う、もう少し教材的な思い付きを紹介してみたいと思います。


“16等分 ” の折り目から

 正方形のおりがみ用紙に、縦横それぞれを(4等分する折り目)を3本ずつ付けます。すると、それは(16の小正方形)に分割されます。
 こんな、どうということもない(おりがみの基本の折り)によって、実にいろいろな数理が見えてくるから、おりがみって面白い!
 この(16等分)の折り目を利用すると、いろいろと解ることが出て来ます。

1.辺の長さの5等分が出来ること。
2.“相似3角形“ ということが判ること。(3角形の内角の和=2直角)の数理の応用。
3.“ピタゴラスの定理” を身近に思えるようになれること。
4. いろいろな無理数などが取り出せること。

 考えれば、これらの他にもいろいろと楽しい数理が判明し、「おりがみって、確かに良い教材!」が判ってくるでしょう。ともあれ、(考えること)が、目で行えるわけで、これって(教材)たる資格を示していると思います。




シルバー矩形の面白さと穏やかな日常

 シルバーって(銀)や(銀色)のことで、これに年齢(エイジ)の語を付せば、高齢者のこと、つまり私のことでもあります。そしてオリンピック、パラリンピックでは、金に次ぐ第2位が銀。

 さて、長方形について、最も美しい第1位のものを「黄金矩形=ゴールデン・レクタングル」と呼び、それに続く第2位を「銀色矩形=シルバー・レクタングル」と呼びます。私がしったかぶりに解説しなくとも、皆さん先刻ご承知のことですよね。

 ところでことおりがみについては、私は(黄金矩形)より(シルバー矩形)の方が、はるかに楽しく応用力もずっと高いように思っています。そして、(おりがみの実際から言う)ならば、…いえ、私個人の感覚から言えば、「おりがみでは、黄金矩形よりシルバー矩形の方が、はるかに面白く可能性も高い長方形だ!」と公言出来るでしょう。

 ただし、(おりがみと長方形)というテーマでは、私としては、第1位は「2:1の長方形=正方形の半分」で、第2位は「3:1の長方形」、そして、第3位に「シルバー矩形」を置きたいと思います。どうしてかと言えば、シルバー矩形は日常生活の中でもっともありふれた存在であり、楽しい成果をもたらせてくれる用紙形ですが、制作や説明を子供などにするのが難しいのが難点で、よって私はこれを第3位にしたわけです。


新聞紙と折込ちらし

 新聞紙というのは、シルバー矩形(√2:1≒1.4:1)という比率のものだと思って来ましたが、新聞紙でのおりがみをやっている中で、「おや?これって、シルバー矩形とは違う長方形では?」と思いました。つまり、シルバー矩形とは、半分、半分、…と折っても、長辺と短辺の、その比率が変わらない長方形ですが、新聞紙はそうではないようだぞ?…

 その通りでした。すなわち、新聞紙の比率とは(2:3→3:4→2:3→3:4…)と、半分に折るごとに二つの比率を繰り返す長方形でした。
 このような事実を、家から新聞紙と折り込みチラシを持ってきてもらい、それらを(折って確かめる)ことは、それは「おりがみの教材化」を意味すると思う。
 因みに、チラシ広告の多くは(√2:1)のシルバー矩形だったのだ。


シルバー矩形と非シルバー矩形の見分け方

 手にした長方形が、シルバー矩形かそうでないか、との判定に(折ってみる)という手段が考えられます。その手段をご紹介しましょう。