ラベル 生きものの姿 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 生きものの姿 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018/12/07

八重山の楽しい種子の姿

ウルトラマン、ネズミ男、それらの顔が、植物の種に現れる?!

 沖縄の島袋保子さんからは、実に嬉しい数々の希少な植物の種をプレゼントしていただいて、心からありがたく思っているのですが、…まあ、写真をご覧ください。


「サキシマスオウの実」…何の顔?

ウルトラマン


 明らかに「ウルトラマン」の顔に見えるのは、「サキシマスオウ」という植物の種だそうです。
 しかしより傑作は、「ネズミ男の顔」に見える種で、…あれっ、この植物の名前忘れてしまった! でもそんな人間の勝手なイメージなどどうでもいい! 自然の造形の奥深さにこそ、敬意を払いましょう。



これ、「ネズミ男」


 おっとそれから、黒茶でつるつると指にとても良い感触の実は「モダマ」。島袋さんのご主人が見付けてくれた、宝石みたいに貴重な種です。妻と私は手のひらに乗せてなぜては、折々その感触を楽しませてもらっています。

「モダマ」

なお私の木の実の宝の中で、最大のものは「ブラジルの豆の入ったサヤ」で、生まれて初めての海外で、「プッキ」という芸術大学でおりがみの話をさせてもらったとき、一人の学生が『これはわれわれの楽器だよ。波の音がするよ。(あっ、言うまでもなく通訳の方が訳してくれた。)』と言ってプレゼントしてくれたもの。振るとジャラジャラと楽しい音が出ます。 ゆっくり揺すると、確かに(波の音)に聞こえます。 はて、どんな豆が入っているのか?

百円玉とで大きさを見て!
これを横から見ると、弓のような形です。

 

2018/03/17

不老不死

プラナリアとタコクラゲ

 歴史上で、大きな権力を握った者が、しばしば願望するのがタイトルのもの!…だそうです。ところが、そんな願望を実現している?!生物が、自然の水の有るところに棲息する小さな生命体「プラナリア」だそうです。
 自身の体を、ある時期が来ると分断する!…すると、分断されて無くなった部分が再生されて、二つの生体となる! そしてその二つは若返っている!!
 私は別にこのような生命になんの憧れも持ちませんが、テレビで見て、命の不思議を感ぜずにはおられませんでした。

プラナリア

 そしてこの「プラナリア」に少し似た(生命継続のシステム)を持つのが「クラゲ」だとか。ずっと昔、「たけしの万物創世紀」という実に楽しいテレビ番組で、そんなクラゲの不思議さを教えてもらいました。
 8本の蝕手を持つところから「タコクラゲ」と名付けられた、オレンジ色のクラゲがすごい数暮らす南海のクラゲの楽園世界! そのオレンジ色は、その体内に共生する(藻)の色なのだとか。
 そもそもクラゲは、全体が(脳)であり、(心臓)であり、そして(生殖器)なのだとか! 番組では「海の花」と呼んでいました。
 後日、クラゲの展示で人気となった「新江ノ島水族館」で、万物創世紀で紹介されていたその「タコクラゲ」の、その実物を見て魅了されました。
 で、「プラナリア」と「タコクラゲ」をすぐにおりがみ化してみたのでした。

タコクラゲ
水族館で見たものは、確か
白くて透明だったと思う。
それは(藻)と共生してい
ないからのようです。  

2017/11/30

白のおりがみ

おりがみ(=用紙の意)の新しい意味付加の以前は?

「おりがみ」という言葉は、手芸遊びとしての行為を指すと共に、そのための素材(片面に色を付けられた正方形の紙)のことも指しますね。
 しかしこれは、明治9年に、我が国に(幼稚園教育)が持ち込まれたときから発生した用語で、それ以前には白い長方形の和紙(半紙)がその用紙でした。すなわち「おりがみ」の語の意味の二重性は、幼稚園教育導入時からのものだと聞いております。
 というより、「おりがみ」の語自体が新しいもので、かつてこの手芸遊びの名称は「折り据え」「帖紙(じょうし)」「畳紙(たとう)」「折形(おりかた)」などであったとも聞いております。

 さて話はガラリと変わりますが、大好きなファンタジーの「ロード・オブ・ザ・リング」の中に出て来る、魔法使いの(灰色のガンダルフ)は、地獄の魔物との壮絶な戦いにより一度は命を落とします。しかし時間の流れを経巡った後、(白のガンダルフ)となりパワーアップして蘇ります。
 この話に感激して、(白)こそ最高!と思って、白いコピー用紙でのおりがみを、最高のおりがみのイメージとしての本を何冊か書きました。そしてそれらは(白のおりがみシリーズ)として、日貿出版社により3冊の本にて出版されました。
 そこで収録していただいた、おりがみの表裏での表現をせずに、白一色でも成立する造形のものを、少しだけここに紹介してみました。つまりは、明治9年以前のおりがみ世界への回帰みたいな思いもあってのことです。…えっ、ほんと? いや、うそ!

(白のおりがみ)3部作
灰色から白に昇格した「ガンダルフ」
楕円の顔の白い「ふくろう」
白い「きつね」
白い「たぬき」

白の「ライオンカップル」
白の「ユニコーンたち」を見つめる「(楕円の)樹」
改めて言うまでもなく「樹」と「ふくろうの顔」は同
じ折り方だが、ジャバラの(分割数)が違いますね。

2017/11/10

自然の造形

岩山・岩礁

「岩山」のイメージ。そんなのは、別にはっきりとした形があるわけでもないので、実にどんどんと無作為の折りの形の中にイメージ出来るもののようです。ただし、ただ岩山だけでは何の面白さもありません。…で、そこに「飛び立とうとする鷲」を乗せるというものを、3種の造形アイデアを得ましたので、それを紹介します。

 また、岩を海の中のものとすると「岩礁」で、これまた生き物たちを配して、その造形を楽しみました。ここでは1種類の形を色と位置を変えて、並べてみました。

 そう!このブログの冒頭で言いましたね。「おりがみ・オン・ステージ」と! 無意味な形と見えようとも、じっくりと見つめて、そこにイメージを引き出してみましょう。











2017/09/17

二人の天才を思い、ため息を吐く。

 スペインの天才建築家、アントニ・ガウディ(Antonius Gaudi 1852〜1926)と、日本に初めて博物学やエコロジーの理念を持ち込んだ先駆者、そして(粘菌)という不思議な生命の存在を教えてくれた天才、南方熊楠(みなかた くまぐす 1867〜1941)。
 ところでその残された顔の写真を見ると、何とはなく二人は似ているように思われる!
それは私だけの印象だろうか?(二人の顔は、インターネットででも見てほしい。)

 この二人の天才は、共に自然と生命を畏敬し、そしてその自然の創り出す形を理想のものとして受けとめていた。そのことは、その純粋で一途な目に現れていて、その印象から似ているように思われるのかも知れない。

 ガウディはいくつもの作品の中に、具体的に自然の造形をいっぱいに取り入れているから、その理念ははっきりと感じ取れる。熊楠はその思いを文章に綴り、丁寧なスケッチを添えて示した。が一方、明治初年に政府から出された廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の命令にて、仏像や御神木が次々と破壊されたり、売却されたりするのに対し、体をはって反対を唱える行動もとったとか。自然を畏敬するのは、神道だけならず仏教とても共通の理念なのに!の思いからだろう。樹木の中から荘厳さを伴なって彫り出された、万人の心を清めてくれる仏像の破壊など言語道断との思いもあったのだろう。
 しかし、そんな個人行動がうまく行かないとみると、政府の高官でもあった民俗学者、柳田国男(1875〜1962)に訴え、廃仏毀釈の暴挙を止めさせたと聞いた。見事で大きな知恵に裏打ちされた行動だと思う。

 さてこんな天才の名前を出して、何を言いたいのかといえば、自然の生み出した造形、そして命の美しさは、野に咲く一輪の草花、あるいは一枚の木の葉でもじっと見つめるとその繊細な美しさに思わず感動し、二人の天才の思いに改めて共感させられる。
 南方が生涯を打ち込んで研究した「粘菌」とは、南方の言葉通りに『吐き捨てた痰みたいな姿、』の時期も有るが、それが命を持っていて、どうぶつのように動き回るが、同時に植物のように胞子を作ったりもする! そんな動植両態の玄妙不可思議な在り様が畏敬されるということなのですね。

 まあ大層な話をしたところで突然、卑近なる我田引水の話とはなるが、先頃「つめくさ(クローバー)の花」をおりがみで作ってみたが、たった1本のそれを作るのに、実に1時間近くの時間を要した!
 自然はその何千本、何万本、いや無数とも言える数で地を飾る。これほど地に溢れているので、昔、箱の中の品物の緩衝材に(詰めた)ので、「詰め草」の名となったとか。
 毎日の散歩で、ふと足を止め、一群のつめくさをじっと見つめ、…やがてそこに(四つ葉)を探し、…あれっ、このときの目は、もう畏敬ならずして欲望の目か?

アカツメクサ・シロツメクサ
花は、これで3度目の登場となる「おりがみ球」

 また側らに「どくだみ」という植物が有る。これは実に有益な植物なのに(毒)などと言う名を付けられ、これまで「ひどい!」と思っていたが、後半の(だみ)は(矯み)の意で、「毒を取り除く」となるのだとか!?…辞典にはそんなふうに説明されていた。
 私の母は、この植物を採って干して、「ゲンノショウコ」などと合わせて「お茶」にしてくれた。慣れると飲みやすく、肌に良いらしい。私の皮膚の弱いのを直してくれようとての母心です。…そこでその花も(おりがみ化)してみた。その葉は、美しいハート型をしている。
(ツメクサもドクダミも、春から初夏が花の盛りです。原稿と写真の修正などのこともあり、時間が遅れての公開との時期のずれから、つい季節感の相違が生じてしまいました。お許しあれ。以後は充分気を配ろう。)


ハート型の葉を持つ「ドクダミ」


 とまれ、自然の生命のなんという輝き! そう思って改めて畏敬のため息を吐く。
さてこれはもう蛇足となるが、ツメクサと似るもので、「ヒメツルソバ」という植物があるが、これが最近はツメクサ以上に目に飛び込んでくる!(これも春から初夏が盛り)
 明治の頃、(ロック・ガーデン)のために、岩場に強い植物として、ヒマラヤ原産のこの植物が輸入され、それが野生化されたのが現在だとか。そこでそれも折り紙化してみました。ここで面白いのはその葉で、まるで(ぞうり)のように(はなお模様)があることです。花は4度(おりがみ球)の採用。ツメクサの8分の1くらいの小ささです。


「ヒメツルソバ」というこの花の名は、
植物のことにすごく詳しいお隣りの
奥さんから、妻が教えてもらって、
そして私も知りました。     


 さて、沖縄の美しい海で、ジュゴンたちが平和に暮しているところを、基地にしようとしているニュース映像を見ると、それってかつての廃仏毀釈の暴挙に似て見える。そんな思いで、おりがみの「ジュゴン」を手にして、やりきれなさにため息を吐く。

ジュゴン
この生物の体の色は、グレーだったかも知れないが、…
手許に在った良い紙で折ってしまい、とてもうまく折れ
たので、そのままにした。まあこれ、おりがみの自由!


 人間って、進歩していると思って来たが、1万年、平和を保って来た縄文人の終わりの頃から、なんだか退歩し続けているようだ! 悲しいことだと思い、またため息を吐く。
 と先日、テレビニュースで、石垣島の洞窟から(我が国最古の人骨発見)と! ジョーモン人のルーツは、沖縄かも知れない!? これには「おーっ」と一人歓声を上げる。

 まあ確かに科学は進歩し、こんな幼稚なつぶやきなんぞを、家の中でへらへらとして座って居て発信出来るのに、退歩など言うはおこがましいが、…その結果の悲劇を知りながら、憎み合うことを止められない恐れの暗い心から、戦争の準備としての基地を増やすなどの行為は、とても進歩などとは言えないだろう。「どうして人間は、戦争という蛮行を止められないのだろう?」そんな悲しい思いでため息を吐く。

 おやまあ、えらそうなことを言う前に、私はミニチュアおもちゃピストルと、おりがみの武器で自身の欲心を撃ち倒し、謙虚な心でいられるよう、難しいが努力しよう!
 そして、野に咲く一輪の花に目を凝らし、優れた先人の心を感じ取りたいと願うのだ。

タンポポのキューブ
フレーベルの美麗式の中で、
もっとも人気の高いパターン
を「タンポポ」に見立てた。


おもちゃ武器は、邪心に向けて撃つ!

20円のガチャガチャでのミニミニ「スプリングピストル」
200円のカプセルと比べると、20円のそれはカプセル自体も可愛い!
おりがみ「大小刀」

エンゼルの弓矢

2017/09/09

こんなものも、おりがみのテーマに!

野菜と果物

 これまで何度か、女の子を読者に意識した本を書きました。1977年にサンリオから出版された「おしゃれなおりがみ キティとかざろう」がその最初。そしてなんと、これは今も生きています! ほんとうに嬉しいことです!
 そして2年後の1979年、学研よりの「ジュニア実用百科 生活4 折り紙あそび」もその意識を持って書いたもの。そしてこの中には、初めて(野菜のおりがみ)をくふうして入れてみました。(野菜=女の子)って、よく考えれば変なイメージですが??

 次が1981年、サンリオから「おりがみひろば にんぎょうのへや」。そして、その10年後の1991年、「おひなさまの事件」の項でお話しました日本文芸社の「最新・かわいい折紙のすべて」。そしていちばん新しい(?)のが、2009年に大泉書店からの依頼で書いた「遊べる おりがみ」です。そしてこの中でも(野菜、そして果物)などをくふうしました。(お人形=女の子も、果物=女の子も、まあ妥当なイメージと言えるでしょうね。)

 さて「だいこん」「にんじん」「かぶ」、なんていうのは、すぐにくふうのイメージが得られますが、「長ネギ」「ほうれんそう」「キャベツ」「白菜」「玉ねぎ」、なんていうのは、???ーでしょう! でも、そういうものをくふうするのが私は楽しい!
 同様に「りんご」「いちご」なんかはイメージが容易ですが、「洋ナシ」「ぶどう」はどうでしょう?
 というようなことで、その後のくふうと共に、前掲の本の中に載せた野菜と果物の、あれこれの成果をご紹介します。

だいこんには「青首ダイコン」と「中太ダイコン」
「白菜(左上)と「キャベツ(下中央)」は、少々
おしつけがましいか? でも右下の「長ねぎ」は、
大泉書店の本に、自信をもって紹介しましたよ!
右上の「玉ねぎ」「ピーマン」は、やっぱ地味か?
この他にも「ほうれんそう」「きゅうり」などあるも
写真が少々窮屈になるので省いた。想像してみて。
「バナナ」は、(4本)(6本)とまとめて表現。
「とうもろこし」は、茹でて食べられるようにした姿(右上)で。
「ぶどう」は(1枚折り)ですが、「さくらんぼ」は(2枚折り)
「トマト」は野菜か果物か?(上中央)
『洋ナシ(ラ・フランス)は(右下)

 ほらね!おりがみって楽しいでしょう! そう、女の子にも男の子にも、おねえさんにもおにいさんにも、おかあさんにもおとうさんにも、…そして言うまでもなく、おばあさんにもおじいさんにもね!

2017/09/05

親子の表情

からすの親子

 ここでの(ひな)は、もっと手の込んだものをいくつかくふうしておりますが、今回はかくもシンプルなもので見立てました。「イメージ・ゲーム」の極意!?




にわとりの親子

 今年(2017)の干支ですが、くふうしたのはずっと前だった。黄色いあんよのひよこは、有名な童謡からの発想です。


(ひよこ)は別形だが、(おんどり)は上のものと同じ。ということは、上は(尾羽)を複合したのだ。


白熊の親子

 これは大いに自慢の作品。ノアのマガジンの(500号)に紹介してもらいました。



虫にも(親子の表情)が?!?

「まゆ蛾」と「蚕(かいこ)」…そして「繭玉(まゆだま)」
 私の故郷、長野県の岡谷市は、かつて養蚕の地。かくてこの作品は私ならではのものと自負しています。(いずれも「スーパー長方形おりがみ 日貿出版社 2009年刊」に紹介。 まっ!“親子”という題には、ちょっとね?とも思うも、事実ではあります。ああそれから、かいこはもっと白いようですが、この色の方が可愛いと思ったもので。)

かいこ まゆ玉 まゆ蛾


2017/07/11

親子の姿

私の(おりがみ個人史?)

 ある日、先輩宮下温(あつし)さんが言いました。『あなたは鳥やどうぶつの作品を、よく(親子の姿)として発表していますが、そんな作例を見ていると、親から大事にされているからだと思いますが、そうでしょう!』

 世田谷区の豪徳寺にお住まいの宮下さんは、同じ世田谷区の代沢(利用駅は下北沢)に実家の在った私からは、歩いて30分くらいの距離に居られ、…でもお歳は、実に私の母と同じという方!ですが、おりがみでは、同志のお付き合いをさせていただいたことではあります。

 有名な製菓会社の樺太支店長を勤められたと伺いましたが、個人的なご趣味では、おりがみの他に、フレンチホルンの演奏と伺い、…『半音階のドレミファを正確に発声することが出来るのです。』と、それがご自慢でした。
 また『ソニーの(ウォークマン)っていうのはすごいですね!頭の真ん中で音が響くんですよ!』こんな話を伺い、音楽好きの私も、少し後にウォークマンを買いました。確かに宮下さんの言われる通り、音は頭の真ん中にずんずんと響きました。…いや閑話休題。

 古典資料「かやら草」のこと、明治や大正時代の(伝承作例)のこと、また吉澤章氏のこと、河合豊彰氏のこと、そしてそのお弟子さん方の活動の様子など、いろいろな情報を教えてくださいました。そして、やがてそのお弟子さんたち何人かの方たちの、独立行動の場に紹介されました。そこから私も「創作おりがみグループ’67」という、初の組織活動に参加して行くことになるのですが、そのきっかけを作ってくれたのが宮下氏でした。

 そのグループのメンバーのお一人、(ユニットおりがみ)の先駆けとなる「カラー・ボックス」の作者、薗部光伸さんが愛情を込めて呼んでいた『不思議な老人』とのネーミングがぴったりのお方でした。そしてその集まりには、宮下さんと同年代の高濱利惠さんも居られ、…まあ、このリーダー的なお二人が、そこに良き絆(きずな)的な雰囲気を作ってくれたのだと思っています。

 そしてそんな不思議な老人、宮下さんとの最初の出会いは、これまた世田谷の実家のすぐ近くに勤務会社が在ったことで知り会えた、不思議なご縁の中西康夫氏がある日のこと『内山興正師が、京都から、近く東京田無のご実家に帰られるとの情報を得ましたので、君を連れて行ってあげよう。』とて連れられて内山先生のご実家に伺った折、…そこに宮下さんも訪問されておられて、知り会えたのです。なおこの中西氏は、私の兄と同じ歳の方です。(この場には、もうお一人、貝のスペシャリスト、池尻博之氏が居られました。
この方はマルチ人間で、きわめて多くの、私には未知の分野の話を聞かせてくださり、私の目を開かせてくださいました。そして私には、プレゼントしていただいた美しい貝のコレクションのいくつかが残されたことです。)

 さて話は個人の思い出に傾いてしまいましたが、…『親から大事にされているからでしょう」と、そんな宮下さんのご指摘に加え、4人兄弟での私は、姉・兄・姉・私の上3人が7、5、3との2歳違いなのに、末っ子の私だけ9歳も離れていましたから、3人の兄姉からも両親からも大いに可愛がられたのです。まあ宮下さんのご指摘通りかどうかはともかくも、私は実にしばしば、どうぶつや鳥を(親子の情景)として作りました。
 だって、親子の表情ほど魅力的なテーマはありませんから。かくていずれそんな親子の情景のあれこれを紹介するつもりですが、今回は一つの例を、その出会いのエピソードと共にご紹介します。

 それは1991年のこと、私の2度目の海外経験のとき、その地、ブラジルのサンパウロで、私が希望した「動物園を見たい!」を聞き入れてくださり、やさしく、そしてしっかりと案内をしてくださったのが、素敵な金ヶ江真里さんです。そしてそこで目にしたのが、背中にこどもを乗せて歩く「オオアリクイ」の姿でした!

 帰国して少し後にくふうしたのが、その「オオアリクイの親子」でした。写真がそれです。この生物の毛の色などは、単純なものではありませんでしたものの、それはパンダのように際立った個性とも思われませんでしたので、おりがみでは、全体としての表情表現で良いとの判断からくふうしたものです。

オオアリクイの親子

2017/07/03

ミニチュア・ボックス

伏見先生ご夫妻の思い出

 その昔、伏見先生ご夫妻が金婚式を迎えられたとき、新宿のかわいいレストランに、前川淳さん、川崎敏和さん、布施知子さん、そして私の4人が招待されました。まったく夢にも思わぬことでした!

 なにかお祝いを考えなくてはと、そう思いましたが、伏見先生とはおりがみによっての繋がりですから、相談して、「やはり、おりがみでしよう!」とて、3人はそれぞれ最新の自信作を持って来る、となりました。

 でも最年長の身には、それでは済まない気がしたものですから、新作旧作取り混ぜて、ちょっとした情景を構成したものを、おりがみの(小箱)の中に入れたもの、それを金婚式の数字に合わせて(50個)作って持参しました。

 食事の後、箱を開けてもらい、先生ご夫妻は元より、3人も目を輝かせてくれたことでした。そうそう、実はこのとき、私の2回目のブラジル派遣訪問で、サンパウロにて親身のお世話をいただいた、当地在住の光田八千代さんも居られてびっくりしたのですが、伺えば伏見満江夫人と光田さんとは、大学の同級生であられたとのこと! そして光田さんも喜んでくださったことです。

 とまあこうして、思った以上にお喜びいただけたことから、その後もこんな小箱作りを楽しむようになり、何年か続けるうちに、その数は200以上になりました。今はこれらを「ミニチュア・ボックス」と呼んでいますが、…でも現在はもう、こういう細かい作業はほとんど出来なくなりましたので、たまに保存しているこれらを開けて見て、指が自由自在に動かせた頃を懐かしんでいます。そこで皆さんにも、それらを時折ご披露してみましょう。

 既に、「天女」と「ミツバチと蜂の巣」の2つをご披露してありますが、今回は3つのミニチュア・ボックスを開けてみました。

蟷螂の斧(1枚折りのカマキリ。切り込み有り。)
「おりがみ新発見3 日貿出版社」に収録しています。


(睡蓮の間)で寛ぐ「かえる」


真っ赤蚊!

2017/04/09

空想生物

「木」というテーマ

 私はこれまで随分多くの「木」をくふうしています。が、中でも「こりゃ良く出来た!」と悦に入っているのが「エント」です。

「エント」って何? 知らない方にご説明しますと、イギリスのファンタジー作家J・R・R・トールキンの名作「ロード・オブ・ザ・リング」の中に出て来る、歩きまわれる大樹の精霊のような存在の(太古人間)で、ファンゴルンという森の住人です。『男エントばかりになって、女エントを捜しているのだ。』と、ホビットのピピンやメリーに嘆きを語ります。





このファンタジーを読んで、私なりに得たイメージをおりがみにしたものですが、表情がいろいろと変えられるところが自慢です。




ダジャレ

 木の幹を2本にしての(木)は、木+木で、…つまり「林」とのダジャレでの作例に、旧作ながら気に入っている「休む牛」をコラボレートすることで、牧歌的な風景を構成してみました。

2017/04/01

生きものの姿あれこれ

おりがみ・オン・ステージ

 たとえば「くじら」「白くま」「あざらし」…などに、気に入った作品が出来たとします。それらを単品で飾って眺めるのも楽しいでしょう。でもここでアイデアをひっぱり出し「氷山」「氷原」「冷たい海」のような舞台をくふうし、そこにかれらを飾るなら、…「北極」という大きなテーマの表現が可能になります。

 そして「北極」が表現出来たのなら、次に「南極」は?…それには「ぺんぎん」と「冷たい海と氷原」のステージをくふうして飾りましょう。
 なお、この見出しの言葉を書名にしての1書、既に脱稿しておりますが、言うまでもなく未刊。

北極海




エジプトの猫

“エジプトの猫” とは変なタイトルのようですが、結構端正な造形に、“隈取り” したような目を描き入れたら、思わずこんなタイトルを思い付いた次第。
 パピルスを生み出したエジプトには、いつもレスペクトの思いを抱いています。加えて人類の偉大な文明の発祥の地でもありますね。おりがみで、クレオパトラの像が出来たらこりゃもう “おりがみ卒業!” でしょうね。

エジプトの猫

オアシスのスケッチ

スフィンクスとピラミッド


高原・雪山


 無作為に、そして適当に定めた “目安” で、きっちりと折ったら、それを広げて “半開状態” にします。無作為に折ったものなのに、そこに様々なイメージが引き出されます。こんな安直な造形法を思い付き「半開折り(Half-opened crease*)による“イメージ・ゲーム”」と名付けて、以前熱中したことがありました。(*カナダ在住の青柳俊明さんが英語訳してくれた。)
 最近そのイメージの幅を広げて、 “高原” とか “雪山” などをイメージし、そこに「走る馬」を。また “半開折り” での「雷鳥」を飾ってみたりしました。



冬の雷鳥

コラボレーションの楽しさ

 “おりがみ・オン・ステージ” の項でも言いましたように、作品単品で飾るより、なにかしら “背景” や “舞台” となるような造形を考え、2者で協同表現させてみるのは倍増効果を生み、楽しいことです。






食材も、また楽しいくふう

まつたけ エリンギ しいたけ しめじ マッシュルーム えのきだけ


見立て変え

 イメージが定着出来た造形を、裏から見たり、ひっくり返して眺めてみるとき、そこに最初のイメージとまったく異なる “見立て” が出来ることが、しばしば起こります。初め「箱」だったものが「ベンチ」に見えた!

取っ手付きの箱が‥

恋人たちのベンチへとイメージチェンジ


 あるいはまた、伝承の名作「虚無僧」の “笠” の部分だけの(反転色変え)を考えていた中で、ひょっこりイメージが変化して出来た「庵主(あんじゅ)さん」。

「こむそう」が「庵主さん」に変身

図形の美

 私のライフワークとしてのテーマ「キューブの探求」は、探求している最中にその図形のあまりにも豊かな柔軟性に驚かされることしばしばです。
 例えばハワイに伝承されているそうな「ココヤシの葉から作る(ころころボール。佐藤邦昭著 作ろう草玩具 築地書館 2004年刊より)」や、沖縄に伝承されている「アダンの葉から作る(星っころ)」(下の写真)など、一見キューブと無関係と見えるも、どちらも明らかにキューブに繋がっています。
 ともあれキューブの探求は、すればするほど興味が深まるものなんです。下にいろいろと写真紹介したようなものも、いずれもキューブから出発しての成果で、まあ私の独断かも知れませんが、「キューブこそ図形の王様」と呼べると思っています。

アダンの星と、ころころボール

24枚組みの「籠編みキューブ」

あやめキューブと葉

フレーベルの「美麗式」から生まれる「華麗なくす玉キューブ」

キューブ半切で生まれる正6角形は「蜂の巣」に。

沈みゆくキューブ

あじさいキューブ

キューブから球へ


パンダルマ?とキューブパンダ

 幾何図形のユニットや、花のくふうには、あまり論理的な思考をしない方がいいように思えます。すなわち(ずぼらなくふう法)の(イメージ・ゲーム)のようなくふう法こそ成果に繋がるようです。…まあ私の場合ですが。これがその一例。
 そうなんです。ただ無作為に折っていたら出て来た造形に、パンダの顔がイメージ出来たので、それに(体も付けよう!)との結果です。イージーなくふうでしょう!