2017/08/08

奴さんとサイコロ

「奴豆腐」に「賽の目」

「やっこさん」は、「おりづる」や「お三方」と並んで(おりがみの代名詞)ともされる伝承作品ですが、その「奴(やっこ)」という言葉には、実にいろいろな意味があるようです。
 まあ第一の意味は、江戸時代、大名行列の先頭で毛槍を振っている、髭を生やして派手な法被を着た武家の召使いのことです。おりがみでの「やっこさん」はこの姿を表現したものですが、おりがみの歴史研究の第一人者であられる岡村昌夫先生のお調べを伺うと、「やっこさん」の名で記録されたものより前に「奴凧」があり、そしてその前には「雀踊り」の名での記録があるとのこと。
 さらには、既に「サイコロ、すなわちキューブの魅力」の項でご紹介した、最古級の資料「欄間図式」の中では「こもぞう=薦僧」という名となり、それは時代が下がると「こむそう=虚無僧」となるのですが、この名の変遷はあくまでも「おりがみ」でのもの。

 今ここでは言葉の意味を知りたいとて辞書で見ると、「男だて→旗本やっこ、町やっこ」「遊女などで“男だて”ふうなふるまいをすること」…ともかく、例えば広辞苑などで見てもらえばお判りの通り、実にさまざまな意味があるのです。

 さてここで、実に面白いのは、「やっこ豆腐」の言葉で、これは豆腐を四角に切ることを意味し、…すると、「豆腐を“賽の目”に切る。」の言葉から、なんと!やっこさんは、豆腐を通して(サイコロ)と結び付くんですね!

 こんなことを発見しても、別に何の役にも立ちませんが、面白いと思いました。ただそれだけの話です。でも私ほどおりがみの「やっこさん」のことを愛好し、そして多くの発展のくふうをした者は居ないようですし、サイコロ=キューブの探求を楽しんでいる者も居ないでしょう。それだけは言いたいですね。

「やっこさん」が「箒に乗った魔女」に変身!


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