2019/01/29

5弁の梅の花

素直に「5は5で。」

 前項では、5弁の椿を六角で表現するという、おりがみならではの処方の面白さをご紹介しましたが、ここでは、「5弁の梅」を5弁の通りに(律儀に表現)しました。 ただここでは(長方形の紙)を用いていて、四角いおりがみ用紙では難しい(5)を引き出したのです。

 こんな処方はきっともう皆さんよくご存知のこととて、花だけでは興味を引けないかな?と考えて、これに「うぐいす」らしき鳥(?)を配して、「花札風景」という次第?
 なおこれ、例の「ミニチュア・ボックス」にしたものです。

定番「梅にうぐいす」
あれ?「うぐいす」って、
(きみどり)だよね?  
 その色ボックスで使った 
 ので、あえてこの色にした。
 で、違う鳥にしてもいい。
  

2019/01/26

三角薔薇に、六角椿?

師の技法から

 この作品は、わが師と思う内山興正(うちやま こうしょう)先生の作品「すいせんの花」のバリエーションです。先生は6弁の「すいせんの花」を、まず3弁で作り、その二つを(重ねて合わせて)6弁として、見事にその姿を表現された(こども向け作品)であります。
 6=3+3というわけですが、私は「5弁の椿」を、師の作品をお手本に、三角の3つのかどそれぞれを、(3分の1)づつ内側に折ると(6角形)となり、それを5弁のように感じてみる(!?)で、実現したのが下の写真です。

 ほら、伝承の「あやめの花」は、垂れた3弁の花びらを、4弁で表現していますよね。昔、『こんな誤った造形をこどもに教えてはいけない!』と声高く注意された学者が居られたと聞きましたが、おりがみの造形って、象徴的なものです。「おりづる」は実際の鶴の姿を忠実に表現したわけではないでしょう。

 かくして私は、六角で「5弁の椿」なんていうことを平気で言う!?
 そして、これに満足したので、さらにイメージを推し進めて、三角のままで、「さんかくのバラの花」もやってみちゃいましたよ!

さんかく、いや(六角)椿

さんかくのバラ
(葉)は、椿の場合と同じ1枚折りからです。

2019/01/23

親子の情景

「ライオンの親子」は「虎の親子」にもなる?

 写真紹介のものは「ライオンの親子」です。 が、もし黄色い紙で折って(黒いシマ模様)を描き入れれば、「虎の親子」となります。 どちらも(ねこ属)とて、造形的には同じで成立するでしょう。 これ、おりがみならではの(自由度)ですね。

 ただし、今回は「ライオン親子」だけしか用意がありません。でも、整理の中で出て来た、違うどうぶつの親子のいくつかを紹介します。
 とまあ、おりがみの(くふうへの考え方の講釈)ですが、どうぞ軽くお聞きください。

ライオン親子



ぞうの親子

さるの親子と友だちのりす

きつねの親子

チーターの親子
 いずれの作品も、2002年に(みずうみ書房)より出版された「ハッピーおりがみ」に紹介したもので、そのとき折ったものがまとまって見つかったようです。おっと、「りす」と「きつね」はこの本には無く、違う本のようでした。





2019/01/10

「足付き三方」とは?

これって、もしかすると中世朝鮮の、貴族の「お膳」では?

 ずっと前の項で「最近テレビで韓国の歴史ドラマを楽しんでいる。」と言いました。 その中で、(ヤンバン)と呼ばれる支配階層の貴族たちは、しょっちゅう酒を飲んでいまして、(のんべえ)の私にはうらやましい映像ですが、…そのときのお膳が、どうも「足付き三方」の形なんですよね! ただし(黒い漆塗り)ですが。

 以前(信州おりがみ交流会“りんどう”)の会誌の事で、『おりがみで(お三方)として教わったものは、実際の三方の姿をディフォルメしてうまく写しているが、おりがみでは(足付き三方)という作品の方がどうも先に在って、…はて?実際の三方には(足)など見えず、…(足付き三方)なんて本当に在ったものかなあ?』という私のつぶやきに、埼玉の同志、青柳祥子さんがすぐにネットを調べてくれたところ、「確かに在る」と記されているも、その実物の写真は無い?…ことなどを教えてくれました。

 一方、皇室の神事の際などに、なにやら(黒い高足の付いた三方らしき?)ものを映像で見たような朧な記憶があるように思う?!? あれっ、こりゃ妄想かな!?

 まあ、私のような庶民には、やんごとなき世界は判りませんが、ともかく私なりの「足付き三方」を見てください。 ちゃんと酒瓶と茶碗二人分を乗せました。

ヤンバンは大抵、金の(酒瓶)と(茶碗)で飲んでいますよ!
おっと、金の酒器は王様か、ヤンバンのトップクラスの(テガム=
高級官僚の称)だけ? なお、酒器は(青磁)も多い。     

2019/01/07

ねこちゃん

頌春(しょうしゅん=春を頌える)

 伏見康治先生は、確か(卒寿=90)になられたとき、『もう年賀状はやめます。』とおっしゃったように記憶しています。 先生に比べたら、まだまだ若い身ではありますのに、段々と正月の年賀状書きが辛くなってきました。
 加えて、「おめでとう」という言葉も口にし難くなってきたようで、まあ「本年もどうぞよろしく。」くらいの思いです。
 ただ「頌春」は、また春を迎えられてよかった! の感じで気持ちに合います。

 さて、干支の「いのしし」は既に昨年末にご紹介しましたから、新年最初のおりがみは「ねこちゃん」です。
 昨今「いぬ」「ねこ」のブームのようで、テレビなどではこの2種が繰り返し動画紹介されていますよね。
 現実では、散歩中に犬を引っ張って歩く人に出会うのの多いことよ! でも猫はそんなふうに(外に引っ張り出されたり)また(飼われる)ことはないそうですね?
 ほら、どなたが言った言葉か知らないが、『猫は人間と(同居)しているだけ』だと。

 私は犬も猫も好きですが、どちらかというと、女性的な曲線造形の猫が好きです。でもおりがみでのくふうでは、猫は犬よりはるかに難しい!と、勿体をつけた後、私のおりがみ「ねこちゃん」を見てやってください。 ほら、しゃべっていますでしょう。

頭と体の(2枚複合)です。
春を頌えて一踊り