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2019/06/15

(皮革)もおりがみに成る!

それは楽しいおりがみ素材

 人間とは(記録)を好む生物のようです。そこで簡便な記録素材(紙)の発明以前に、(木)や(竹)や(粘土)などの他、羊皮紙(パーチメント)に記録したそうな。

 さて羊に限らず、牛や豚などのどうぶつの皮は、おりがみにも向いている素材なんです。

 以前レザークラフトをやっている親友から、皮革素材をいただいて『皮は折れるよ。』
と教えてもらい、おりがみに適応させてみる試みをしていた中で、(半開折り=Harf-opened crease=カナダ在住の友人が名付けてくれた。)が、(皮折り)に向いていることが分かりました。

 次に写真紹介するのが、皮革で折った(半開折り)作例のあれこれです。皮は着色出来ますから、これらに色を付けたら楽しい作品になるでしょうが、私にはその用意がありませんから、素材のままで止めております。
 なおこれらも元々は(イメージ・ゲーム)からの収穫なんです。

 そして前にちらっと紹介した(厚紙)からのおりがみ。これは水でぬらしてから折るとちゃんと造形出来る!と解説しましたが、皮革も同じでぬらしてから折るのです。ただし皮は指で折ったくらいでは折り目はすぐ元に戻ってしまいます。で、皮折り用のペンチを使います!
 ともあれ、落としても壊れず、ずっと変形しないおりがみ作品、そんな発案は面白いでしょう。

『みみずく その1」
「みみずく その2」
「埋もれた石像」
「怪しげに笑うガマ」


 それにしても、薄い開閉出来る板の中に、文字から写真から絵から動画まで記録出来るばかりか、計算までやってくれ、そしてさらにはそれらを、世界中どこにでも送ってくれる。そんなパソコンなる機器の氾濫は、喜ぶべきことなのか? 私などの頭ではまったく解らない!
 まあ科学的には明らかに進歩した記録器具でしょうが、人間の頭脳が、自ら考えることを止めたとしたら、それって?

2019/02/25

組み絵(木)

電動工具への憧れと別れ?

 これは30代頃の話です。(糸鋸)という道具にすごく魅了されておりました。(木)という素材を、曲線デザインのままに切り出せる道具だからです。
 しかし、狙い通りのきれいな曲線を切り出すのには、かなりの腕力と技術が必要なことを実践を通して知ってました。で、そんな作業を楽にしてくれる(電動糸鋸)というのにすごく憧れました。何年もの願望期間を経て、…それを含めて様々な木工の出来る(電動工具キット)を、ある日ついに手に入れました!

 で、喜び勇んで住まいのベランダでスイッチを入れてみたら、…ああ!まるでジェット機が墜落したごときすごい音ではありませんか!(これ、もう35年以上も昔の話です。今は音の静かなものに進化していることでしょうね?) ともあれ集合住宅では使えません! 欲張って、他の作業も出来るキットに出会い、衝動買いしたのが失敗だったようですね。

 ところで、妻の実家は昔(木型屋さん)でした。かくてここに持ち込んで、まあ一応は『仕事の補助に使える』とて、感謝されて安堵しましたが、本来の希望だった木での(組み絵)の作品制作の夢の実現は遠のいてしまいました。
 長年の夢が、自分の住まいで叶えられないのでは、その思いは潰えてしまうのは止むを得ず、…悲しいかな、結果意欲も消えてしまったのでした。

 が今回、その頃描いた(組み絵)のデザインが出てきましたので、それをご披露します。厚い木でこれを切り出してみたかった!

干支の組み絵のデザインです。実はこれは2作目。
第1作目は「十二支+α」のテーマで、確か「ひよこ」
や「うりんぼ」を加えたデザインで、糸鋸で切り出した
ように思うが、今回は見つからなかった。      
なお、この(組み絵世界)で、憧れだったのが、小黒
 三郎さんという方でした。(組み木)が当時の名称。  
      
ずっと前の項で、小学館からの依頼で
「木のおもちゃ」のデザインをさせてもら
って、すごく嬉しかった、という思い出
を語りましたが、写真ではわずか3種類
しか紹介出来ませんでした。今回そのと
きは居なかったものが出てきましたので
全員集合です。           
なおこれは(合板の板に型抜き)という
 手法で生産されたものです。      



2019/02/22

おひなさまと千代紙

男の身でも?

 3月が近づいて来ると、おりがみ愛好者の心に思い浮かぶのは、そう!「ひな祭り」ではありませんか? さて私は男の身ながら、かなり多くの「おひなさま」をくふうしてきました。
 これは、特に出版社からの依頼があったからだけではなく、雛人形というものが、おりがみの源流にあることを意識しているからでしょう。
「流し雛」というのが、その具体的な(源流)にあるものの一つと思っています。

 ところでそんな理由の他に、日本には、素晴らしいおりがみ素材として(千代紙)という、和紙に華麗な模様を刷り出した美術品があります。「おひなさま」に最も似合う素材がこの(千代紙)です。そして、それを使いたいからでもあります。

 でもこの(おひなさまへの千代紙選び)が、私はどうも不得手のようだと、いつも感じていた者です。
 このことでは、「すごいセンスだなあ!」と感嘆させられた方が、高濱利惠(たかはま としえ)さんでした。 既成の千代紙の柄だけで満足されないときには、複数の千代紙を(切り貼りして)納得の柄を作っておられました。(具体的には“小倉百人一首”の絵札を全ておりがみ化されたときなどに!)

 とまあ、ともかくそんな私なりの「おひなさま」作品がいくつか出てきましたので紹介します。なお、向かって(めびな)さんが、右のものと左のものと混ざっているようですが、どうもその時の気分で、適当にしていたようです!

菱型ステージの上の「さんかく雛」
衣装の豪華さを出すために、千代紙を複合させた。

「立ち雛」。妻はこの形式の雛が好きだそうです。




2019/02/10

ちょっと素敵なおり紙

(はくつる おりがみ)という商品

 いつ、どこで買ったか覚えていませんが(grimm hobby)というおりがみメーカーの(7cm × 7cm)の小さなおり紙ですが、ひとつのかどに(赤)(黒)などでわずかのデザインが施されているだけのものです。(下の写真参照) そしてこの部分を(頭部)として「おりづる」を折ると、「丹頂ツル」と成る!というしゃれた用紙です。

 ちょっとしたアイデアですが、粋なセンスだと感心しました。買ったまま忘れていたのですが、部屋の片付けで出て来て、折ってみてすごく嬉しくなりました。
 今でもどこかに売っているかも知れませんね。







2018/03/13

彩竜紙と彩陶紙と、そして

驚きの(新世界)

 まずタイトルの「彩竜紙(さいりゅうし)」とは、長崎市の田島純雄さんの開発になる紙のことで、具体的に説明しますと、「雲龍紙(うんりゅうし)」という伝統の和紙に、ある処理を加えることで、これまでちょっと(折り難かったところを、すっきりと気持ちよく“折れるようにした”)というものです。

 和紙のことをご存知の方なら、「雲龍紙」にはところどころに(厚い繊維)が入っていて、それが(雲龍)の名前にふさわしい(風合い)を生んでいるのですが、折るときにはそれがけっこう(折り難さ)となっていた。
 そのような和紙の(おりがみとした場合の弱点)を、特殊処理により(おりがみとして折りやすい素材)とされるという発明です。

 同じような発明を「彩典紙(さいてんし)」と名付けられた紙でもされていますが、それは「典具帖(てんぐじょう)」という、極薄の和紙に(しっかりとした“コシ”を与える処理)をされたものです。

彩竜紙で折った「スワン」です。
スワン=白鳥なのに、色紙で折っ
たのは、ペア感をだしたかった?
いえ、単純にきれいだったから。

ところで、田島さんの(おりがみに向けての開発)の主眼は、実は、折ったものを窯で焼くと(陶磁器)となるという素材です。従来の同様な試みでの素材に生じた(ゆがみ)が抑えられて仕上がる「彩陶紙(さいとうし)」と、そのゆがみを(ゼロに近づける)ための「ガラスの粉」の開発にあるのです。
 一般的に、(陶芸用の紙)で折ったものをそのまま焼くと、それが(おりがみ)の場合では、必ず厚いところと薄いところとが現れるわけで、それが(ゆがみ)に繋がります。
 そこで田島さんはこれを防ぐために、(塩釜料理=魚などを塩ですっかり包んで焼くという調理)のように、ガラスの粉に包み込んで焼けば(ゆがみ)は防げるだろうとお考えになり、そしてその狙い通りに成功されたのでした!

彩陶紙
田島さんが運営される「おりがみ陶芸
センター」で焼成してくださった「月
とうさぎ」ですが、千度以上の高温で
     焼かれたものと聞いています。        
ただこの素材は、あまりに繊細に過ぎ
る上に、電気窯が必要とて、一般的と
は言えないでしょう。でも、こうして
出来たものは、永く残りますね。  
また水で洗うことも出来ますね。  
彩陶紙には(千代紙柄)も有り
 そのまま模様が焼き付けられる。

 ところで田島氏のことは、私は教わったことが多過ぎて簡単にはご紹介出来ない方ですが、忘れられないエピソードの一、二をご紹介します。

 まず一つは、(彩陶紙の原材料)からそれを粘土細工のように形成して、「蓋付の容器」にし焼成したものに、和紙に包んだ食材を入れて電子レンジでチンすると、なんと!その食材の本来の美味が、調味料を一切使わずに目一杯発揮される!との(調理器具)の発明です。野菜でも魚貝類でも、果物でも、本当においしくなるから不思議です!

 さて、おりがみでイタリアからご招待をいただいた折、この田島さんの発明をご披露したいと望み、パドバ大学の藤田文章先生のご協力をいただき、イタリアおりがみ協会の大会でのアトラクションとして、この容器のデモンストレーションをさせていただくことになりました。イタリア、アメリカ、そしてドイツの何人かの女性の皆さんのご協力もいただき、食材の買い出しから電子レンジの手配など大いに助けていただいたことです。

 ここで藤田先生は科学者らしく、『本当にこれが食材を生かすかどうかは、ふつうの陶器での容器との比較でやってみるべきだ!』とて、もちろんそのようにしました。…そして確かにその素晴らしさが、皆さんの味覚判定で確認されたのでした!
 グルメの国イタリアの皆さんが認めてくれたのですから、これは大感激のことでした。

 さて田島さんから教えていただいたことで何よりも大きな驚きとなったもう一つのことは、例の(ガラス粉)が、(籾殻)を焼くことで得られたというお話でした!

 ガラス、それは(無機物)でしょう? 一方(籾)は言うまでもなく植物ですから(有機物)ですね。その有機物を焼いたら、田島さんが教えてくださったところでは、『(ガラス)が籾殻の過半数(60%と伺ったか?)に及ぶ量が取れた!』
 有機と無機とは、一体何なのでしょう? まあ人間にしろどうぶつにしろ、焼けば(炭素=灰)で、…(炭素)って有機か無機かよく知りませんが、私には実に驚きのお話!
 世の中に溢れている(常識の非常識)。翻ってこの世界って(うまいこと出来ている)んですね! ともあれ田島さんは、多くの驚きの新世界を見せてくれる方です。

備考:『籾殻を焼いて(ガラス粉)を得た』ということについて、記憶力が朧になってきた私には、…それって、(珪素=シリコーン)と伺ったようなおぼろな記憶もあり、ガラスとシリコーンは別物ですから、…ともかくこういう方面にはまったく無知な人間ですから、正直よく分かりません。でもともかく、私があまりはっきりと真実を語っては、企業秘密の漏洩にもなりかねませんので、曖昧なままで話しました。ご了解あれ。

2017/12/16

月桃紙の話、及び訂正

 沖縄の、ショウガ科の植物に「月桃(げっとう)」というのがあり、その茎皮から作られた「月桃紙」という紙は、実に気持ちよく折れるものです。少し黄色味を帯びたものですが、その風合もとても感じが良いものです。
 沖縄におりがみのサークルを作られ、私を沖縄にお呼びくださった島袋保子さんが、この素敵な紙をたくさんプレゼントしてくださり、感激して楽しませていただきました。
 下にその頃折った「雄ジカ」と共にその月桃紙をお見せします。こんな手の込んだ作例なのに、とても気持ちよく楽に折れて、何年経っても形がしっかりと保たれていて嬉しいです。

 なおインターネットで見たら、その葉には独特の芳香があり、防虫、防カビの効果があるので、この葉で餅を包んだ(ムーチー)という日持ちする食品もあるそうです。
 また種子を煎じて飲むと(健胃・整腸)の作用があるとか。つまり実に有益な植物なんですね。
 以前テレビニュースで、なにかの工事により海に土砂が流れ込み、サンゴに被害が出たが、そういった事故の再発防止のためにも月桃を植えて、土砂の流出を防ぐことが何より有効だと、識者の提言があったと聞きました。

 ああそれから、この月桃の茎からは(縄)も作られ、収穫したサトウキビをそれで縛ったとも! 何と素晴らしい植物でしょう。
 加えてその「月桃」の名も素敵ですね。なお島袋さんからは、この月桃の枝に付いた実も頂きましたが、これまたなんとも可愛い(ミニチュアの和菓子?みたいな形)なのでした。
 まあ頂いて大分年月が経ち、色が枯れてしまいましたので、写真紹介はしませんが、玄関に飾ってあり今でもその不思議で楽しい形を折々眺めています。


「月桃紙」は、壁紙や障子紙などにも利用され、防虫防カビ効果を発揮するそうだ。


最後の「大訂正!」

 このブログの始めの方のエッセイ「二つのお話」の中で、「天武天皇が“ヤマト”の国名をアラム語?により定めた?」…みたいな書き方をしてしまっています。そんなふうに書いたら、それこそ作家加治将一氏に失礼で申し訳ないことになってしまう!
 今年の〆括りに全体をよく読み直してみて、今にしてはっと気付いたのです! とにかくそんなふうに読めてしまう文章を書いていた!

 多くの人が知っているように、「日本書紀」の編纂を命じたのが天武天皇で、そのことから我が国の国名が(倭)から(日本)となったとは常識だ。 日本書紀という国書は、(ニホン書紀)で(ニッポン書紀)とはふつう読まない。それにこれが倭国の言葉なら、(日本)の文字は(ヒホン、ヒモト)か(ニチホン、ニチモト)なんても読める!?

 ところが加治氏の慧眼だと、これらは倭国の言葉ではないようで、アラム語と、イスラエルの人の名まえではなかろうか?…そして推論は進み、(ニッポン)となる! 

 先ほど言ったような、これまで教わって来た学習に照らすなら、(倭)を(ヤマト)と読ませたり、元明天皇が(ヤマト)には(大和)の字を当てたというような話も、そもそもするりとは飲み込めないで来た。 私がつい誤記してしまったのは、(日本)の文字をも(ヤマト)と読むよう教わって来たことも原因していたのかも知れない。
 ほら(日本武尊)は(ヤマトタケルノミコト)ですよね。そして古事記での(ヤマトタケルノミコト)は(倭建命)と当て字されているそうだ。
 つまりは(日本)=(倭)=(ヤマト)となっちゃうのではありませんか? すると(ワ)はどこへ行った?

 また私は、天智天皇(中大兄皇子)と天武天皇(大海人皇子)は(兄弟)と教わって来た。ところがそれがまったくの他人!と聞いたら、?!?だ。 頭はこんがらがって、…かくて混乱からあんな文章となったようだ。

 天智天皇の海外遠征(白村江)の戦いのことは、今では素直に(ハクソンコウ)と読んでいるのに、私の頃は(ハクスキノエ)というように読まされた。…一体これ、どこの言葉? 歴史教育というのには、なんだかすごく欺瞞があったように思えてならない。…加治氏の慧眼は、その欺瞞の発端は、天武天皇の遠大な計略が敷き詰められた「日本書紀」及び「古事記」に始まるのだ、というように指摘をしておられるようだ。

 ともかくもう言い訳はよそう。いづれにせよ、加治氏が言ってもいないことを、勝手に言い換えてしまったような文章で誤解を与えたことをお詫びし、撤回しよう。

 それにしても(ワ国)と言うと親しめるが、(ヤマト国)となると謎だらけだ。(弥生人)は(縄文人)よりずっと複雑な心の持ち主のようだ。とても縄文人の進化形が弥生人とは信じられない。つまるところ、二者は同一民族とは思われない。…そんなふうに思うとき、…ボートピープル(渡来人)=弥生人=古代日本人と考えたなら、はて、縄文人はどこへ行った? 各地に発生した(豪族)とは何人だ?

 確かに文明は弥生人によって飛躍されて、国家という形態が諸外国と並ぶように整えられたとは言えるだろうが、その結果、階級意識や権力闘争だのが吹き出して、支配被支配や貧富の格差が生み出されたのだ。しかしそんなもの、縄文人の心にはまるで存在しなかった欲望ではないだろうか。
 だがどうあがこうとも、時代をはるか昔に戻すことなど出来はしない。弥生人が持って来てくれた(鉄)や(米)や、そして(文字)を捨てることなど出来よう筈もない。

(日本)や(日本人)のことについて加治将一氏が言っておられたのは、…あゝまた間違った記述となりそうで怖いので、改めて「失われたミカドの秘紋 祥伝社文庫」をお勧めすることで止めておきましょう。同氏の著作物は、いずれも見事で痛快な(歴史ミステリーの解答の書)だ!

 なお、初めて(貨幣)を造ったのも、(天皇)の称号を自身に付けたのも天武天皇だそうだ。だから斉明天皇も、そして天智天皇も弘文天皇も、(天皇)とは呼べなく(女王か王かオオキミ)だ。…それとも(ミカド)か?
 いやはや、かくてともかく私のファンタジーではよく解らない史実なんか気にせず、もうはっきりと妄想の中に留まって、一人楽しんで書くことにしよう。


 もう一つ訂正、というより新知識。「二人の天才を思い、ため息をつく」の項で紹介した(ヒメツルソバ)という植物は、春から初夏の開花の他、初秋からも開花するようで、12月の今現在、可愛い花をいっぱいに開花させている! つまり年がら年中元気な植物のようだ! (シロツメクサ)も年に2度開花するようだ。自然のなんと逞しい生命力!

2017/12/04

レーザー・カットされた紙

1枚390円(!)の15cmおりがみ

 息子が、『インターネットですごい紙がマーケットに出たが、人気爆発でなかなか買えなかったが、やっとなんとか2種類を手に入れたよ!』とて、(千代切り紙)という商品名にて販売された(15cm角の紙)の2種を持って来てくれました。
 具体的に言いますと、レーザー・カッターにより、紙にすごく繊細な模様を切り抜いたもので、それ自体がもう美術品のようです。ふつうレーザー・カットすると、焦げ目が出てしまうらしいが、この紙にはそれが無い!

 15cm角とて、それは正におりがみですが、1枚390円(これは送料も加えての金額です。3枚1セットで、16種類の模様がある。)ともなるこのおりがみは、何を折ったらその素材が生きるだろうか? そんな思いから気持ちはぐるぐると迷想して、具体的な作品選択の判断がいつまでも浮かびませんでした。
 でもこんな見事なおりがみ素材のことは、ぜひ紹介したいと考えて、ここにやっと一例として「葛の葉狐」との組み合わせを思いました。そしてこの場合、肝心の高級おりがみ(商品名は“切り紙”)は、恐る恐る(1折り)しただけです!?

 まあ、「おりづる」が似合うだろうとはすぐに思いましたが、それは既にこの紙の広告写真の中で折られていました。やっぱり「おりづる」は、どんな素材も生かすことの出来るおりがみの永遠の名作なんだなあ!…といまさらながら、痛感する。

「葛の葉狐」
この作品の折り方や、題名についての説明は
「(白のおりがみ)を極める スーパー長方形
 おりがみ 日貿出版社 2009年刊」でご
覧いただけたら、嬉しいです。      


 

2017/10/09

織り紙

「経木(きょうぎ)」という素材

 私が小学生の頃、いろいろな美しい色で染められた、1cmほどの巾で30cmくらいの長さの経木(杉やヒノキなどの木を、紙のように薄く削ったもの)の束が、どこの文房具屋さんでも売られていて、よくそれを(織って)「手提げ篭」なんかを作ったものですが、男の子でも別に恥ずかしくもなく、とても楽しかった。
 ところで和菓子などの包装材として、無地の経木は今でも売っているところがあるのを知り、それを買って来て、こどもの頃を思い出して、…前に紹介した「織り紙(経木)」として楽しんでみましたものを、二番目の写真に紹介してみます。
 織ってからだいぶ時間が経ちましたので、経木に渋みが出てきたようです。なお合わせて、色画用紙での「織り紙」も紹介してみます。


これに(手)を付けた篭がよく作ったもの。
なおこれは経木ではなく、色画用紙から。

経木で織った「みの亀」

色画用紙の織り紙「闘牛」


色画用紙の織り紙「鳳凰の飛び姿」

2017/09/25

(布)での造形から

手ぬぐい、ハンカチ、ナプキン、ふろしき、おしぼりタオル、などでの造形

 もう60年以上昔、美しい模様の(布の端切れ)を母にもらい、それに紙を貼って、その糊が乾かぬうちに折ることで人形などを作ることを試みたことがあります。結構いい効果が出ますから、どうぞ皆さんも試みられてはいかが? 布もおりがみの素材になるということです。

 ところで、そのような細工をせず、布をそのまま折る伝承の作例がいろいろとありますね。よく知られた例では、手ぬぐいでの「はっぴ」「着物」、ご存知でしょう。
 またハンカチで作る「リボン(ブラジャー)」「ねずみ」「バナナ」なども、きっとご存知でしょう。

 それからナプキンの折り方については、いくつもの本も出ているくらいですから、実に見事で楽しい造形がいっぱい在ることもご存知ですね。
 それからふろしきは、これは品物の保護と携帯のためのもので、折るではなく包み、そして(しばる)ものですが、しかし包む品物毎にくふうされたその造形は実用性を伴っている上に、とても美しい!
 これまたいくつもの解説書が出ているようです。

 さて、もう10年くらい前のことになるでしょうか? 信州おりがみ交流会「りんどう(成田光昭さん主催)」の大会にお招きいただいた折の懇親会の席で、前の席の前川淳さんが、そこにあった(おしぼりタオル)をくるくると巻いてから折って、『これ、だれの考えたものか判りませんが、「E.T.」です!』と言って紹介してくれました。
 おしぼりタオルを長方形に折り、その一端をぐるぐると巻いたら、それを内側にして縦に半分に折ると、巻いた部分がE.T.の(目)のようになって見えるのです。

 どうやらこれは、宴会などでの(余興芸)としてのアイデアのようで、…この目を(豚の鼻)に見立てるなどのアイデアもあることをその後に知りましたが、ともあれナイス・アイデアだと思いました。

 でその後、これをおりがみにも応用してみましたところ、なんとも楽しい表情が得られました。下に写真紹介するのがそれ。
 さてこの造形のネーミングですが、おしぼりタオルからの発案とて、「シボリン妖精」とでも名付けようかと思っています。

妖精「シボリン」
折ることが出来る布

 栃木の八下田章一さんは、美しく着色したガーゼのような布に、特殊加工されて(折ることが出来る)ようにしたものを「からー・めっしゅ」の名で、おりがみの新素材として商品化なさいました。
 確かもう20年以上も前の開発で、今ではそのバリエーションが広がっていますが、とても楽しい素材です。沢山プレゼントしていただき、一時大いに楽しませていただきました。(折り目の交点が見えない点を乗り越えるくふうが、また楽しかった!)
 ところでつい数日前、最新の「キューブ」を思い付きましたが、それは同じ折り方のものが、1枚でキューブに出来る他、3枚で組んでも出来、それは2種の造形となることが
判りました。その3態を写真紹介しますが、中の1枚折りのものを八下田さんの「からー
めっしゅ」で折ってみました。中が透けて見えますから、この構造も分かるでしょう。
 ともあれこのように、ねっ、楽しい素材でしょう!

後ろの2つが、ふつうの紙3枚からのユニット・キューブ。
まったく同じ折り方のものから、1枚折りキューブも出来ま
すが、そうと分かっても仕上げには(ワザ)が必要ですよ!
もう何百番目かになる!我が(キューブ・コレクション)!


 

2017/09/21

マイカ・ウォールという素材

砂壁のイメージの(壁紙)

「花鳥風月」の項で、(マイカ・ウォール)という、多分聞いたことも無いでしょう素材のことを言いました。この(マイカ)というのは(=雲母=絶縁体などに用いる鉱物)のことで、頁岩(けつがん)という岩石や、ミルフィーユというお菓子のように、薄い層になって積み重なっているものです。しかし、そのように層の形を成さず、大粒の砂のような状態のマイカの欠片を、紙の上に接着させ、それを壁紙として売り出した会社がありました。つまり簡便に「砂壁」の印象を生み出せる、とのアイデア壁紙というわけです。
 私の一番上の姉の彼氏で、貿易会社をやっておられた方からこの(マイカ・ウォール)のサンプルのいくつかをいただき、おりがみにしてみました。するとこれが実にいい感じなんですね!

 具体的には、「またも訂正、個人史つづき」の項で、「Creative Origami」と言う、私の初の英文書のことを話しましたが、その表紙にこの(マイカ・ウォール)で折った「牧神の面」を飾ってもらいました。
 今、じっくりと見直してみても、良い出来だと思います。この画期的な壁紙の現在のことは、私にはまったく分かりませんが、生きていたら、実に嬉しいことです。

マイカ・ウォールでの「牧神の面」


OHP・シート

 素材の話をしたところで、もう一つ私の好きな現代の新素材のことを言いましょう。OHP(オーバー・ヘッド・プロジェクター)の原稿作りのための透明なシートがそれで、文房具屋さんで売っています。まあこれもプラスチックの一種だろうと思いますが、折ることが出来ます。ただし、反発力が強いので、折り目はすぐに戻ってしまいます。
 で、逆にその点を利用した作品を考えたり、あるいはまた、これも私のアイデアによる
「キューブ・アート」と名付けたおりがみ(=おりがみの表裏の色の違いを生かして、キューブの一面の“正方形面に絵を描く”と言う新表現の作品の保護と、広がり防止のための素材として愛用しています。 二番目の写真の作例のように、キューブに接続させていないものなら、“スクエア・アート”です。)
 ともかく、いくつか写真紹介してみましょう。

ジョロウグモの巣がOHPシートです。
「スクエア・アート」の作品名は、左から時計回りで、
「ピラニア」「コアラ」「じゃれる猫」「かに」
OHPシートが、よごれ防止と作品の固定の働き

キューブ・アート(ただしキューブはカット形)の「おしどりカップル」



2017/07/07

パピルスのこと

 1999年のこと、アメリカのPCOC(Pacific Coast Origami Conference=愛称ピーコック=くじゃく)の集まりにお招きいただきました。そのとき、地元の研究機関において、植物のパピルスを栽培し、そこからパピルス紙を作ることを実践されているのを見学するツアーに参加させていただきました。すごく嬉しい体験でした。

 ところでこれは余談ですが、…「パピルス」は日本語で、英語だと「パパイラス」って言うんですね。似た経験は、恐竜の「トリケラトプス」のことは、「トライセラタプス」と言ってくれとは、アメリカのおりがみ名人、ジョン・モントロールさんからのご教示でした。『ギョヨテとは、おれのことかとゲーテ言い。』昔聞いた笑い話です。ともかく私は語学が苦手ですが、今はおりがみが、十分共通語の働きをしてくれています。だからあまり不自由は感じません。パソコンの翻訳機能もかなり進歩していると聞きます。

 まあそんな話はともかく、図鑑などで「パピルス」の様子を見ると、それをもし折るなら、ぱりん!と割れてしまうように思っていました。ところが上記のパピルス体験ツアーの後で、サンフランシスコの大きな文房具屋さんに、連れて行ってもらいましたら、なんと! 大判のパピルスを売っていました。もちろんすぐに買いました。

 ただ、折ることは無理との先入観がありましたから、1枚しか買いませんでした。そして日本に帰って数日後、これを小さな正方形に切って、折ってみましたところ、…ああ、実に気持ちよく折れるではありませんか!

 エジプトで作られていたパピルスと、サンフランシスコで復刻生産されているパピルスとが、同じものかどうかは判りませんが、…でも、古来植物の(葉、ないしは茎)は、組み、編み、織り、そして折ることを可能としてきました。だからパピルスが折ると割れるなどの思い込みこそ誤りだったようです。

2017/05/05

楽しい新素材

 ごく一般的に「おりがみ」と呼ばれる正方形の色紙の素材は(上質紙)です。そしてこれは機械漉きで作られますから(洋紙)とも呼ばれます。これに対してコウゾやミツマタなどの木の皮を解繊し、手漉きで作られるのが(和紙)です。従来からのおりがみ用紙の2つの中心素材です。

 さて現代は科学の時代。ここにかつては夢にも思わなかったような、びっくりするようなおりがみ用紙(?)が登場しました。その一つが(プラスチックのシート)です。そしてその中には、まるで宝石のようにキラキラと輝くものがあります。そしてまた、これは水もはじきます。

 そこでこのキラキラのプラスチックおりがみで、例えば「くじゃく」などを折ると、それはもう美術工芸品のようにも見えます。

 そしてこの新素材は、ふつうのおりがみで折ったのでは、だれの関心も呼ばなかったような造形に、充分な魅力を与えることが出来る可能性を付け加えてくれました。例えば、「勲章」とか「家紋」などの伝承作品が、復活するのですね。

 なおこの他に、力士ふたりが引っ張っても破れない紙だとか、宇宙空間でソーラーヨットの(帆)となるシート材だとか、ともかくこれまで想像も出来なかったような、楽しい新素材がいろいろと開発されていますね。こんな(素材の話)は、これからも続けてみたいと思っています。

紙とプラスチックとの合紙からの孔雀

これはプラスチックだけのおりがみの「くじゃく」

勲章に魅力を!

2017/04/25

作ってもいない「サタンの顔」

見る位置で変わる表情を楽しむ「イメージ・ゲーム」

 おりがみ用紙のセットを買うと、中に保護材のボール紙が入っていますね。ほとんど人はこれがおりがみに使えるとは思っていないでしょう。しかし私が思い付き提案した「半開折り(Half-opened crease)」という造形表現の材料として、この保護材のボール紙を、水でびしゃびしゃに濡らして、やわらかくなっているうちに素早く折り目をつけて、そして形を整えて乾くのを待つと、落としても壊れない新感覚のおりがみ造形となります。

 そんな1例として「なまはげの顔」を作りましたが、実はこの「なまはげの顔」、見る角度で表情がかわり、…なんとプロフィールで見ると「サタン」となりました!

なまはげ

サタンのプロフィール