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2023/01/22

2種類のパンダ(panda)

レッサーパンダとジャイアントパンダ のこと

 1972年、永年の懸案であった日本と中国との国交が回復されたとき、その記念として珍獣ジャイアントパンダ2頭が贈られて、みんなの耳目を集めました。ランランとカンカンという名前のメスとオス2頭です。すると、東京信用金庫協会というところから、このランラン、カンカンをおりがみに出来ないか?、との依頼が舞い込み、喜んですぐさまお受けしました。

 3日間の思案の末、それは手の上に現れました。そしてそれはすぐに全国の信用金庫の店頭チラシとなって、(パンダの国中国へのお礼キャンペーン)とて多くのこどもたちに折ってもらえ、折ったものは中国の幼稚園にと送られました。これは新聞にも大きく取り上げられ、このことで私の名は広く知られるところとなりました。自分で言うのもなんですが、これは傑作だろうと思います。

 さて時代は下って、2004年のこと、千葉の動物園のレッサーパンダ風太くん(ふうた)の(立ち上がった姿)が可愛いとて、大きなニュースになりました。私もこの姿を新聞やテレビで見て、すっかり魅了されました。で、すぐに(おりがみ化)を思い立ち、すぐに実現しました。そしてこれも良い出来だと自負出来ました。

 どちらも頭部と体との(複合作品)です。そして(1枚折り)にこだわらなかったことが成功の元だと思っています。もう見飽きたものかも知れませんが写真紹介します。なお、不切1枚折りの(ジャイアントパンダ)と、初紹介の(レッサーパンダ)の折り図は、「動物折り紙BOOK 朝日出版 2008年刊」です。今も生きている数少ない著書です。



2023/01/14

半開折り

木下一郎(Mr.Kinoshita Ichirou)さんの思い出から

 日本折紙協会の常任理事であられた木下さんが、2021年5月に98歳で亡くなられた。 立派な人生だったと思います。私は木下さんにはお酒で随分とご厚意に与った。

 さてかつて私は(半開折り)と名付けた、くふうの新手法のことを思い付き、所々で、そしてまたこのブログでも宣伝したが、あまり反応を得られなかった。そのことには何の残念さもなく私自身が大いに楽しんだ思い出ばかりだが、NOAの木下氏の訃報記事の中で、木下氏はこの技法を評価してくださっておられたらしきことを知り、嬉しかった。

 おっと、嬉しい評価をくださった数少ないお一人に、デンマークのトキ・エン(Mr.Thoki  Yenn)氏が居られたことは前に記した。

 そんなわけで、かつてこの(半開折り=Harf-opened Crease)だけで、こども向け小冊子に纏めてみた原稿が出て来たので、そこから1、2を紹介してみたいと思います。






2021/07/19

女王クレオパトラの横顔!

とうとう!!!

 このブログの始まりの方の頃で、「おりがみで、エジプトの女王クレオパトラが折れたら、もうおりがみ卒業だ!」なんて軽口をたたきましたが、あれれれれ どうしましょうか!

 それが手の上に現れてしまった! そしてそれは、私自身充分満足の行く表情で取り出せたのですね。でも前項で言いましたように、当初私はただ単純に、魅力的な「女性の横顔」が欲しかったのでしたのに。

 そこで、その最初の希望にちょっぴり色を付けて、ふふふっ…「女性の裸の胸像」もやってみました。

 なお女性の全身の裸像は、ずっと若い頃「ビーナス像=イブ像とも」として試みており、知る人ぞ知る、英文の著書に紹介していますよ。

 まあ講釈はともかくどうぞご笑覧ください。

 男女平等の社会と信じて生きて来た者とて、男性の全身裸像「アダム像」も公表していますよ。 おっと、イブはアダムのあばら骨から作られたって? まあ、おとぎ話にせよ、それって男尊女卑の意識からとしか思えませんがねえ。








ちょっとテーマイメージが薄れましたので、少々の休憩タイムを置きます。

2021/07/15

コロナ禍の中で、奇跡的に傑作が!

「雪女」が手の上に!…そしてなんと!!!

 350年余り前に起こったというペスト菌によるパンデミックは、今よりもっと人々を恐怖に追いやったことでしょうが、それが一応の収束となるまでに1年3ヶ月の時間が掛かったそうですね。そこで私は素人の思いにて、今年の3月にはなんとか、なんて思って人にも言ってきましたが、4月が過ぎて5月になって、6月になって、7月になっても、ああまだですね。

 しかしそんな4月に、なんとなくおり紙をもてあそんでいたら、おっ!これはこれは!…なんと「雪女」の姿が生まれ出てきました!

 この雪女というテーマについては、昔、小林正樹監督が、小泉八雲(ラフカデオ・ハーン)のオムニバス小説「怪談」の中から、四つの話を選んで映像化した中に、岸恵子さんの演ずる「雪女」があって、それに魅了され、おりがみに出来たらなあ!と心に温めていたものです。

 それが今ひょっこり手の上に現れた! でもただしそれは「折り雛」と同じく目鼻の表現は無いものです。それでも私はうれしかった。がここで欲が出て、女性の顔を描きたいものだ!と思ったら、これまた勝手に手が動き、女性らしい目鼻が現れてきたのです。

 かくてここからはもう夢中でイメージを駆り立てて、美しい女性のプロフィールを手にしました! (顔)と(髪の毛)との(2枚複合)の手法です。 が、ここでまた新たな欲が湧いてきて、ここでの(髪の毛)を(王冠)のような形に変えたら、あっあっ!「クレオパトラのプロフィール」が!

 いやまず今回は、「雪女」を下に写真紹介します。 もしかして高い鑑識眼をお持ちのあなたには、『どうってことないな。』と言われるかも知れませんが、私自身は大満足です。人の評価などどうでもいい!




2020/03/21

ケーナとコンドル

フォルクローレの魅力

 中南米の民族音楽(フォルクローレ)に、いよいよ強く魅了されるようになったきっかけは、横浜の楽器屋で、飴色の光沢を見せる葦から作られた「ケーナ」という楽器を入手してからだ。

 確かにそれは葦なんだろうが、見た目にはほとんど竹だ。(余談だが、尺八を趣味としていた父の遺品として、それをもらった。兄姉は、それにまったく興味を示さなかったからだ。…でも私には尺八はちっと難しく、より吹きやすいケーナがむいていたようだ。)
 葦にしろ竹にしろ、人間の息と植物繊維との調和により、なんとも美しい音が出る。もちろんうまくなればだが。

 さて、何台ものウォークマンが壊れて聴けなくなって、今山ほどのフォルクローレのテープが、寂しくストックされているが、いずれ折を見てなんとかCDに移して、改めて胸を熱くしてみたいものだ。
 名曲「コンドルは飛んで行く」だけでも、演奏者や歌い手が違うもので、20種を超えるものがあって、そのどれもがたまらなく好きだ。

 そんな自慢話と共に、おりがみの「コンドル」、ご披露しよう。

 インディオの人たちは、この鳥を(神の鳥)として崇拝しているそうだ。アンデス高地の上昇気流に乗って、ほとんど羽ばたかずに飛翔する、翼長3メートルもある最大の鳥。
 性質はおだやかで、悠然と高みを滑空する優美な姿は、正に神の鳥と呼ばれるにふさわしいようだ。

コンドルの翼の先の形状は、今の
航空機に応用されているそうですね。
 何ですか、省エネ効果があるとか!

2020/03/17

遠近法と遠近感

何を今更?

 2次元の絵画に、3次元的な奥行きを感じさせる技法(遠近法=perspective)のことを、私が述べるなどおこがましいようだが、逆に今の私たちの常識から思えば、ルネサンスにてこの技法が示されるまで、だれも知らなかったという、そんな事実の方が驚きだね!
 だって、広い風景の中で遠くを見れば、諸々は彼方に向かって収束してるじゃん!

 今の時代はあらゆるものが、信じられないくらいのスピードで解明されているので、昨日知らなかったことが、今日はもう常識に成っている!

 話はがらっと変わってすみませんが、(時間の遠近!)の話を紹介します。 脱藩浪士の坂本龍馬(Sakamoto Ryouma)が、江戸から土佐に居る姉乙女( Ryouma's sister Otome )に頻繁に文を送っていたそうだが、その一通の経費は今の金に直すと、十万円あまりにもなるだろうそうだ!

 だって飛脚が走って、途中では宿泊もしながらの配達だからだ。加えて、また帰りにも同じ経費が必要だ。もし複数の公文書ならもう少し安くはなるだろうが、なんせ脱藩浪士となっている筈の龍馬が、個人で、そんな金があるのはおかしい?…作家加治将一(Kaji
Masakazu)氏のこんな指摘には頷く他ない。

 この作家の明快な歴史推理における、距離や時空の(遠近感)には驚かざるを得ない。なんと、ヤマトとエルサレムが結び付けられる!

 スマホや電子メールが当たり前の今、歴史の遠近感の事実認識には時間が掛かる!

 いや、私に似合わぬ話は止めよう。ここに、おりがみで遠近法を使った(?)作例があるのでそれを紹介しよう。

「北極海の氷山」を描いてみたもの。あなたが(かもめ)になったとして見ていただくと遠近感を覚えていただけるのではありませんか?

大小二つの氷山の距離感での遠近。
ここでは氷山は2次元にしてあるが、氷
 山を起こして3次元にすることも出来る。
(既出)

 かくて今更、あえて知ったかぶりを語ってみました。変わったおりがみ作品に、もったいを付けるために!
 

2020/02/26

◯△⬜︎

イギリスおりがみ協会(B.O.S.)のブックレット

 私はブログ開設での「ごあいさつ」で、BOSに招いていただいたお礼の思いで、「ブックレット92号」を書かせてもらった話をしました。(自賛だけではなく、事実においてこのシリーズには、所持している数十点程を見るに、意欲的な著作が多いように認識しています。だから私もチャレンジの意欲を持って書いた。)

 数年にわたって(!)続けている片付け作業の中で、このブックレットのためにくふうした奇妙なものが出て来たので紹介しましょう。

「◯△⬜︎」と題した作例だ。下の写真をご覧あれ。よく見ると、(5角形)や(6角形)までありますよ。
もうちょっと良いアングルで写したかったが、力不足。

 なおこんな(お遊び)の中から、ちゃんと題を付けた作品が、次の写真のもの。これは題して「ガラス窓を這い登るカエル」!
これも上の写真同様、構成力不足。いや手抜き。

2019/12/11

7等分折りをトナカイの頭に!

昔の思い出から

 随分昔、「七福神の一人、寿老人(じゅろうじん)の連れている(鹿)」というくふうで、鹿の角の表現にここまで見て来た(3〜8までの等分折り)のような造形を用いていました。
「座る牡鹿」

 そこでそのことを思い出し、自慢の?(7等分折り)から「トナカイの頭」を思い付きました。
 でこれに(からだ)のくふうを、それこそ(ささっと)やって、結構力強いイメージの「トナカイ」を引き出しました。
 写真からこの複合作品(頭とからだは“のりづけ”)、チャレンジしてみてください。

『あれまあ、もうオイラの季節かね。時間の経過が早すぎるぜ!』
(頭部)と(体)で、同サイズの紙の2枚複合。

2019/12/07

ライフワークの最新「キューブ」

それは(6等分折り)からです。

 1枚折りのキューブの、最新作として既に先年(カラーメッシュ=八下田章一氏開発の折れる布おりがみ)で折った物を写真紹介しておりますが、今取り上げていますテーマでの(6等分折り)からの作例が、そのときの物つまり下の写真の「キューブ」です。造形の安定も良く、自信作の一つです。

前に、布折りのおりがみで紹介しました。

 次に、「思案は中間に在り」との、私ならではの成果物(7等分折り)からの作例は、実に3つも工夫出来ました!
 その一つが、「茂った木」です。会心作です。久しぶりに紹介するテーマ例ですね。

左は(両面おりがみ)からです。

 さてここで、(7等分折り)からの傑作をお見せしましょう! 皆さんきっとよくご存知でしょう! 「ハシビロコウ」という名前で、じっと動かないことで人気となった鳥のこと! そんなユニークな鳥の姿が、この(7等分折り)から工夫出来ました!

「ハシビロコウ」

 さて最後の(8等分折り)は、くるっと(輪)に組むことで「ブレスレット」となります。現代は、びっくりするほど美しい新素材の紙が開発されていますから、そのような素材で、可愛く素敵な「おりがみブレスレット」を作ってください。

小学生なら(15cmのおりがみ)でフィット。

 ただこの場合、どうぞお友だちの手にこの「ブレスレット」を着けてあげてください。
一人では着けられない作品とて(二人で完成するおりがみ!)、そんな楽しさを味わってください。

2019/12/03

楽しいくふう続々と!

なんとも楽しくやさしい工夫

 前項で、幼稚な興味にて、意味など無さそうな造形に喜んでいましたが、…これこそ私の工夫のコツの極み! 私の腕の程を3回に亘ってご披露しましょう!

 まづその1は、(3等分折り)からの、はいっ!「チンパンジーくんとの対話」です。もう図面を引く余力がありませんので、完成形の写真から折ってみてください。

耳のところを持って、押し引きするとおしゃべりする。

 なおこの(おしゃべりおもちゃ)は、チンパンジーくんだけでなく、ちょっとした折り変えで、いろんな表情が出せますから、どうぞ楽しんでみてください。

みんな「おしゃべりくん」

 次に(5等分折り)からは、私の大好きなテーマ「雀」のその(飛び姿)を紹介しましょう。これもどうぞ写真から折ってみてください。(目)と(くちばし)に紙裏を出すとの細部での思案が面白いですよ。

「飛ぶ雀(5等分折り)から。」

別の視点から。

2019/11/25

コーンドリーcorndollyの想い出

敬愛する同志、デーブ

 1998年のことでした。イギリスのおりがみ名人で敬愛する同志、デビット・ブリル(david Brill)さんのお声掛りにて、イギリスのコンベンションに娘を連れて伺いました。

 このとき、いくつもの収穫がありましたが、そのトップは、あの素晴らしい傑作、バレリー・バン(Valerie Vann)さんの「マジック・ローズ・キューブ(Magic Rose Cube)」に出会ったことです!(BOSのメンバーが折ったものだった。作者ご当人には2000年、ビッキー・ミハラさんのご好意にて、サンフランシスコで会えました!)

 もちろんその他にも、多くの良き出会いと、素敵な友情を得たことなど、熱い思い出をたくさんいただけたことは、言うまでもありません。

 ところでおりがみ以外でも楽しい出来事はいろいろありましたが、デーブのお母さんに会えたことは、忘れられない一事です。飾らず自然体で、すごく魅力あふれた人でした。
「ああこのお母さんにしてデーブみたいなナイスガイが!」です。娘も同意見でした。

 一方、粋な雰囲気を持ちながら、隅々まで神経が行き届いた彼の作品群。ところが彼個人の性格は、かなり大らかで、細かい事は気にしない少年のままのようだ。
 そんな彼の楽しさを覚えたエピソードがある。散歩で前を歩くデーブを見て、娘が私の袖を引いて指差す先を見ましたら、彼の靴下、左右で色が違ってました! くすくす!

 彼の住まいはゴルフコースの中の、農家を改造して、ゴルフのクラブハウスにしたものと言ったか?!正確な来歴について聞いたことは、もう記憶が曖昧になったが、とにかく、なんとも素敵な三階建ての住まいでした。

 外に出るとき、『ゴルファーの玉が飛んで来るかも知れぬから、気を付けろ!?』という注意の中をきょろきょろしながら歩いて行くと、ブルーベリーが実っています。彼の薦めで、ちょいとつまんで、喉を潤します。
 なんて素晴らしい環境に住んでいるのでしょう!

 さて次が、デーブの住まいの近くに、「コーンドリー(corndolly)」という造形をする作家が居るとのことで、紹介してもらいました。

 初めて見るこの「コーンドリー」ですが、ウェールズのケルト人の間に生まれた伝承造形で、麦の初穂を編んだものだそうです。(後日知ったことです。)
 おりがみに、伝承と新しいくふうや発見があるのと同様、このデーブの友人も伝承と新しい発想からの作品を作っていました。本来このコーンドリーは、一旦土に返し、翌年の豊作を祈願する行事のための祈念物なんだそうです。(これも後日の知識。)

 小品を2つほど頒けていただいたものをお見せします。 なおこのコーンドリーの言葉が、私の大好なフォルクローレの名曲、「コンドルは飛んで行く(El Condor pasa)」の鳥の(コンドル=Condor)に似て聞こえたので、思わずそれを口ずさんだら、デーブに叱られた。つまらないダジャレみたいなのは嫌いなデーブのようでした。

2019/10/07

(重心)探しの遊び

バランス

 伝承おりがみの最高傑作の1つ「やっこさん」は、おりがみ歴史研究の第一人者であられる岡村昌夫先生のお調べから、明治期に「弥之助(やのすけ)さん」と呼ばれた資料もあるとのこと。
 つまりは写真のように、バランス玩具の「やじろべえ」を、おりがみで折っていたとの証拠資料と言ってもいいでしょうね。

 なんですか?『弥次郎兵衛(やじろべえ)と、弥之助さんで、名前が違いますが?』と苦情がありそうですね。実は「やじろべえ」のことは、「やのすけ」とも「豆蔵」とも、あるいは「正直正兵衛(しょうじきしょうべえ)」など別名があるのだそうです。ほら、名作「宝船(たからぶね)」に、「唐船(からぶね)」「八幡船(ばはんせん)」などいくつもの名前で呼ばれているのと同じです。
 

針金か、竹ひごなどを使って
楽しい「やじろべえ」を作って 
みましょう。         

 ところで前項では、端紙から(まったく自由に切り出した三角形)を、(内角の和)の証明を(楽しむ教材)にして活用しよう!との提案をしましたが、今回はそれを「(重心探し)の教材とし、そこから(バランス玩具)作りを楽しもう!」との提案です。ねっ!端紙捨てるべからず、ですね。

まずは(三角形の重心)は、どう
やったら見つけられるか?を考えて 
みてください。そのためには(三角 
形の面積の求め方→底辺×高さ÷2) 
を思い出してください。ねっ!(い 
い教材)でしょう!        
 

2019/10/04

三角形の内角の和

これまた「良き教材案」

 おりがみ遊びを長年続けていると、膨大な(端紙ーはがみ)が溜まります。ねっ、そうでしょう! おりがみって、色とりどりのきれいな紙を使いますから、端紙でもなかなか捨てられません。
 まあ、「貼り絵」や「切り絵」などに使えばこれは生きますね。

 でもその他に、なんか役に立たないかなあ? なんて考えてみたときの一案として、「それらをすべて異なる三角形に切って、それから(三角形の内角の和)のひみつを知る」という教材にする、の思案を得ました。
 この発案の元は、藤田文章教授(Prof.Hujita Humiaki)から教わった事柄からです。

すべて異なる(三角形)から、その(三つのコーナー
の角度、つまり“内角”の和)は、必ず(180度)である
との、ギリシャ時代から知られる数理を、おりがみで証明
してみようではありませんか。            
これ、前項での教材案のつづきですね。      
            
一つのかどから、対辺に垂線を下ろし、その
足に三つの角を折り集めると、全体は長方形と
なり、180度が(目に証明される)!   
  この目に証明が、おりがみの大いなる力です!

2019/10/01

安息

教材案?

(安息=rest,repose)という言葉を、広辞苑などで引いてみてください。
 まずは(やすらかに休むこと)の解説の後に、…カスピ海沿岸に、イラン系遊牧民の創った王国の話などが出て来て、…その国が「安息国=Parthia」というに至って、大いに感激しますよ!

 ともあれ(安息)、いい言葉ですね。もっとも、後期高齢者となると、なんか「お迎えが来た!」みたいな響きも聞こえてきますが、まあそれも良しと思っています。

 さてこの(安息)の語は、(安息日)や(安息香)などの言葉となりますが、もう一つ(安息角)という言葉があります。ご存知ですか?

 この(安息角)は別名(休止角)とも言い、(ボタ=石炭の選炭後の屑)などを積み上げるとき、斜面が崩れ落ちることなく安定しているときの(最大角)のことで、まあ、ボタ以外の(砂)とか(小石)など粒状のものの積み上げでも使う言葉で、それぞれの粒の湿度の違いなどで、具体的な数値はバラバラですが、(平均値)で言って(30度)が妥当なところとされているようです。

 ではここで問題です。「おりがみで、この30度を正確に(2折り)で示すには?」

 これはおりがみの必須の基本知識で、写真のようにすれば簡単に折れますね。そしてこの折りは同時に(60度)も正確に折り出していますから、小学校の算数授業での(三角定規)がこれにて取り出せますね。かくて「おりがみって、とても良い教材」ですね。

この(正三角形)のための折りは、
おりがみ遊びを、(教材)にも繋げる 
大事な(30°折り)の基本です。   
 なおこの折りは30°と同時に(60°) 
も折り出していますね。次の写真を。 
ほらね!右側を見れば(60°)が!
上の事実から、「おりがみ三角定規」が。

はいっ!「おりがみ三角定規」です!
 そしてここから、「安息角のお山」が出来ま
した!                
上の「三角定規」から、すぐに出来る「安息角」。ちゃんと立ちますよ。
さてここで、教材案の根拠です。「この(お山)のてっぺんの角度は?」。 
(三角定規)の表面を見ると、そこに
ちゃんと「安息角」への折り目が現れて
いますでしょう。それを向こう側へ折っ
て、はみ出した部分も折って、それを支
え台にすれば、作品が立ちますよね。 
「安息角のお山」


2019/09/28

味をしめて

「いるか」発見!

 前項で、(比率変化)というちょっとした思い付きが、「ことり」を「白頭わし」に変化させてくれました。
 でこのことに(味をしめて)、この新しい(ことりの基本形)を、無作為に折り進めてみることを楽しんでいましたら、あれ!「いるか」が生まれましたよ!
 まあ、おぼろに得られたイメージを大切に、細部の折りをくふうして納得の形にしたことは言うまでもありませんが。

「いるか」

中央上から(時計回り)での「イルカ」の折り方
無数に在る(長方形となる2分の1)形

 前の項で、フレーベルから学んだ「おりがみで面積を考える。」のことで、フレーベルが3つに止めたものに、「もう一つ“5角形となる2分の1形を見つけた!」の話と共に、長方形には無数の折り方が在る、とのことをパズルにしましたが、判りましたよね。
 でもまあ、念のために写真で示しておきましょう。

右上のような(任意点)で折ったものなら、無数ですね。



2019/09/25

ことりの基本形

(シルバー矩形)との繋がり

 前の項で、(ことりの基本形)が出て来ましたが、改めてその形や「ことり」の姿を示します。(写真1・2)
 この「ことり」という伝承作品は、その完成形がかわいいだけでなく、前項で見ました通り、楽しい(幾何の図形)や(やさしい数理)とも繋げられる(教材効果)もあるものでした。

 さて次に、前項での(パズル)の答えの姿を(写真3)に示します。 ところで、この白い(面積1:2)の正方形の出方の上下を入れ変えたものから、(ことりの基本形)と同じ折り方をしてみたら、(写真4)のような形で「白頭わし」が現れました!
(ことりの基本形)の(比率変化)という思い付きが、思わぬ収穫となり「やったー!」


           写真1 「ことり」
次のことに、何の証拠も根拠もありませんが、
私はこれは大正時代に考えられたもののように思い
ます。何故って、大正ロマンの香りがするから!?
 なおこの形を(基本形)として取り上げたのは、
私が最初なんです。              
             写真2
(ことりの基本形)の姿は、正式には真ん中のもの
ですが、今日では右の変化形も同じく(ことりの基本
形にしています。いや失礼、こんなことを決めたのも
かく言う私のようです。はっはっは。       

写真3


写真4
上部に2、下部に1、の面積比から
出来た(新しいことりの基本形)です。

はい! 「白頭わし」アメリカのシンボル。
なお、下の台座は、(織り紙)の「正12面体」

2019/09/15

「はながたつつみ」?

フレーベルを知る前に

 先日実に久しぶりに、古い著作の掲載作品につき、読者から問い合わせがありました。それは、「おりがみ むしとはな 有紀書房 昭和45年(1970)刊」の中に紹介していた「はながたつつみ」についてのものでした。

「はながたつつみ」?…?…?

 はるか昔に書いたこの本は、…正直な話をすれば、結婚し独立して生活を始めた頃の作業で、折り図はもちろん、表紙の絵から作品写真まで自分で撮ったもので、まるまる一冊でいくら、として売り渡したものでした。(要するに、当時まだ駆出しの私には、交渉力も契約に関する知識も乏しかったのです。)

 ともかくこのようなスタイルで、…まあ、2、3ヶ月に1冊書けば、生活が成り立つかも知れないと考えて始めたわけです。

 そしてそんなスタイルでの生活が、数年続けられました。そこで、いつも「今度はどんなテーマで?」というような次のプランに思考は向けられていました。

 かくて、結局10余冊の非印税出版を続けました。でも、とにかく(本好き人間)とて、売り渡しであってもそれなりに楽しんで作業したことです。それに大事なことは、本は(記録)として残るわけですし、そして今回のように、何十年経っても読者と繋がっていられるということです。
(なお、著述を職業と決めるその前に、久保書店、日貿出版の2社は、お願いするまでもなく、きっちりと印税契約をしてくれました。)

 しかし、やがて気持ちにも少し意欲が出たところから、私なりの(おりがみ理念)もはっきりと主張すべく、そのためには責任も明確にとて、結構ハードな交渉をしなければならない場合もあったものの、ともかく決心してからは、印税契約の作業だけをするようになったのです。

 ともあれそんな経緯のため、心理において、売り渡して刊行されたもののことは、だんだんと記憶は薄れ、そして…今回のように問い合わせがあったときにやっと見直します。

 だからこの著書を見るのは、何十年か振りでした。そして開いてみて、懐かしい思い出が思い出されたのですが、なんとそこには、内山光弘さんの「花紋折り」のことを記しており、それに倣うような気持ちからでしょうか、「はながたつつみ」などと名付けた私なりの「畳紙(たとうがみ)スタイルの作例」を紹介していたのです。 でも本当に記憶から消えていたものなんですよ。

 さてそんな経緯で思い出した「花形包み(はながたつつみ)」ですが、改めて見るに、かなり拙い思案のものでした。
 そして今にしてじっくりと思い返せば、この頃の私はフレーベルの「美麗式(Beautiful System)」のことは、よく知らなかったか、あるいはまったく興味が無かったかのように思っています。

 私が「美麗式」に関心を持ったのは、昭和60年(1985)の頃、かつて小学校の校長をなさっておられ、そのご経歴から独自におりがみ史を調べておられた林正之(はやし まさゆき)先生のお声がかりで、玉川学園教育博物館との繋がりが生まれたとき、フレーベルのことをいろいろと学ぶ機会が訪れました。
 そして、(おりがみ実技)の中心に在るのが「美麗式」だと知ったことによります。

 で、すぐに「最新折り紙小百科 日本文芸社 昭和63年(1988)刊」に、新しく知った(62点)の「美麗式」を紹介しました。
 そしてこの頃、上記博物館でもご一緒していた高濱利惠さんも、時を同じくしてこれを紹介するご著書を刊行なさいました。正に切磋琢磨(せっさたくま)する同志でした!

 まあかくのごとくにて、私の(パターンおりがみ)の最初の、わずか11点の作業「花形包み」に(拙過ぎる)ものを外し、現在の視点にて付け足したもので(20点)とし、写真紹介します。

 このような造形変化は、正にフレーベルが「美麗式」に込めた理念通り、(“1折り”の違いが、大きくイメージの異なるパターンとなり、こどもにも“くふうの喜びの実際”を味わわせる!)でして、容易に、楽しく、どんどんと増やして行けるものなんです。

11種のパターンだけのものから、20種
に拡大してみました。これらは全部「入れ物」
になっています。つまり「花形包み」です。 
  なおこの折り方には(左回り)と(右回り) 
 がパターンの違いを生み、それがまた楽しい! 
                 
 





2019/07/30

大先達への(押しかけ女房)?!

「おしどりの(メス)」

 前項では、内山興正師に倣うものとして「ゆうれい」を紹介しました。で、次はご尊父道郎翁の作品「鴛鴦(おしどり)」が、(オス)だけで私にはちょっぴり寂しく感じられてしまいましたので、今度び(道郎ファン)となった私は、(メス)の姿をくふうして、大先達への(押しかけ女房)としてみました!

 ぜんぜん似合わないなんて言われて、突っ返されませんよう祈ります!

わたしで、いいでしょう?

2019/06/30

おりがみの豆本

ページ数の競争?

 1989年、サンリオから「ビバ!おりがみシリーズⅣ おりがみ新世界 名人達の傑作集 ORIGAMI El Mundo Nuevo(このイタリア語の題は、パドバ大学で物理学を教授しておられた藤田文章先生からいただいたものです。)」という、ちょっと豪華な本を出版してもらいました。

 いろいろと盛り沢山の内容のものでしたが、中で(おりがみの「本」=この本とは、表紙は色面、本文は裏面の白でと折り出したもののこと。)の競演を企画しました。その作者名を掲載の順番で下記すると、

 まずはトップバッターとして、マーチン・ウォール(Martin Wall)さんのシンプルな「本」と、私の易しい作例を紹介させていただいた後で、「かわいい本(私の勝手なネーミング)」の競演としたのです。

 そして、離れた後のページから、ー
フランシス・アウ(Francis M.Y.Ow)さん 作品「心のページ(彼の付けた名は、Book of Love)」。 競演の扉の役を務めて頂くための、これは別種の造形のもの。

マーチン・ウォール(Martin Wall)さんの2番目 作品「かわいい本」
前川淳(Maekawa Jun)さん 作品「かわいい本」
デビッド・ブリル( David Brill)さん 作品「かわいい本」
 なお、マーチン・ウォールさんの次に、私笠原の「かわいい本(2番目のもの)」を入れています。

熊坂浩(Kumasaka Hiroshi)教授 作品「かわいい本(原題はノートブック)」
 この次にも私の「かわいい本(3番目)」を。
 そして次には再びデビット・ブリルさんの「かわいい本(2番目のもの)」を。
阿部恒(Abe Hisashi)さん 作品「かわいい本」
 なお阿部さんの作品は、マーチン・ウォールさんと、デビッド・ブリルさんの作品とを合体させ、それを(1:2の長方形)から折ったら?との思案からのもののようでした。
 で、マーチン・ウォールさんの作品を(1:3の長方形)からとの案を加えて紹介。
 そして最後に四度私の「かわいい本 2案」です。

 さてここで、(切り)を入れる作例は私と熊坂教授だけで、私についてはジャキジャキと3箇所を切るとなっています! 言うまでもなく他の方々は完全に不切です。
 でも私は、「(不切)とは、おりがみをパズルとして楽しむ場合のルールみたいなもので、造形遊びとしてこどもにも復元を楽しんでもらう手芸と考えたら、切ることもOK」が考えにありますから、躊躇なく切っているわけです。
 もちろん、そんなのは笠原の勝手な考えと言われれば反論はしませんが、熊坂教授にはご賛同いただけるだろうと思っています?(熊坂先生、残念ですが既に故人)

 一方、そんな(おりがみ理念)とは別に、「本」というテーマでは(パズルとして、ページ数の競争?)といった考えもあったのではなかろうか?とも思っています。だから私も(パズルとしてのチャレンジ)から、不切で「本文12ページの本」を3番目に紹介しましたが、これかなり難しい(パズルおりがみ)!

 なお、イギリスのおりがみ名人、デーブ・ブリル(David Brill)さんの造形には、この「本」に限らず彼のどの作品にも、英国紳士のような品格を感じられて、それで彼の作品好きなんです。

同じ大きさのおりがみで折った、「かわいい本」のあれこれ。

一番大きく出来上がる3つの本。
中央の(6ページの「本」)が、不
切の前川作例。         
 左と右は共に(8ページの「本」)
ですが、左の熊坂教授の作例は、1
回の切りで出来ているが、右の笠原
作例では、3回の切りを用いている
ので、評価では笠原が一番劣ってい
るみたいに思われるでしょうが、本
人にはまったくそんな思いはない。
 何故ならこの切り方式、ページ数
の増加に用いることが出来、16ペ
ージ、24ページ…と可能にして行
    くのです!つまり同じ3回切りで。    

共に(不切で8ページ)を引き出し、なおかつ
本文部より表紙を1回り大きく折り、(束=つか、
本の厚み)までを表現されたのが、上の2作例で、
 左がデーブ・ブリルさん、右が阿部恒(あべ ひさ 
し)さんのものです。どちらもエレガントですね。
  15cmのおりがみ、ということに拘らなければ、 
もう少しきれいに折れたでしょうね。ごめん。  



2019/04/28

チャレンジ第2弾!

かやら草の「くじゃく」の謎解き

 足立一之さんが、私たちに残してくれた五作品についての(パズル的?記述)につき、私はそれらを一応は解いたと言いました。ただ、「くじゃく」については、それは正解とは思えないので、まだ謎解きの楽しみが残っているとも言いました。で、ここにその謎解き試案の第2弾をご紹介します。

 ただし、私自身これも正解とは異なると思っています。その理由は、これは(複合)での解答で、伝承の中には複合作例はほとんど無いからです。(“やっこさん”と“はかま”との複合は例外的な存在。他に6枚で作る「玉手箱」は、ユニットの原点と考える。)と、まあここでの解答は、伝承作例の「帆掛け船」からの折り方の発展ですから、その点で私のチャレンジの根拠とはなりますものの、まあ、やはり違うでしょうね?

 でもそんなことまったく「どうでもいいこと!」です。だってそれ(おりがみ、くふうの楽しさ)を楽しんでいるだけだからです。内山興正師の教えでは、『おりがみで一番の楽しみは、くふうする喜びを知ることです。』 ほんとにその通りなんですよ。
 まあそんな喜びを得るためにも、前にご紹介した「イメージ・ゲーム」をぜひやってみてください。

(帆)にだけ紙裏を出した「帆掛け船」
です。これを(鳥)に見立て変えますが
そんな試みは、前の(残る名前と消える
名前)のところでもご紹介しましたね。
なお、この「帆掛け船」は別名「だまし
船」とも言いますが、こんなふうに帆だ
け(反転)してしまってはだましぶねに
 はなりませんね!           


ほら!(尾羽)の大きな鳥です。そして、ー
これに(ジャバラ折り)した(尾羽)を差し込め
ば、ー                   

こんな「くじゃく」が誕生しました。

 実は、既に(第3弾)も出来ていますが、まあいずれの時にか機会があったら紹介しましょう。どうか皆さんも競争で考えてみてください。