2019/04/28

チャレンジ第2弾!

かやら草の「くじゃく」の謎解き

 足立一之さんが、私たちに残してくれた五作品についての(パズル的?記述)につき、私はそれらを一応は解いたと言いました。ただ、「くじゃく」については、それは正解とは思えないので、まだ謎解きの楽しみが残っているとも言いました。で、ここにその謎解き試案の第2弾をご紹介します。

 ただし、私自身これも正解とは異なると思っています。その理由は、これは(複合)での解答で、伝承の中には複合作例はほとんど無いからです。(“やっこさん”と“はかま”との複合は例外的な存在。他に6枚で作る「玉手箱」は、ユニットの原点と考える。)と、まあここでの解答は、伝承作例の「帆掛け船」からの折り方の発展ですから、その点で私のチャレンジの根拠とはなりますものの、まあ、やはり違うでしょうね?

 でもそんなことまったく「どうでもいいこと!」です。だってそれ(おりがみ、くふうの楽しさ)を楽しんでいるだけだからです。内山興正師の教えでは、『おりがみで一番の楽しみは、くふうする喜びを知ることです。』 ほんとにその通りなんですよ。
 まあそんな喜びを得るためにも、前にご紹介した「イメージ・ゲーム」をぜひやってみてください。

(帆)にだけ紙裏を出した「帆掛け船」
です。これを(鳥)に見立て変えますが
そんな試みは、前の(残る名前と消える
名前)のところでもご紹介しましたね。
なお、この「帆掛け船」は別名「だまし
船」とも言いますが、こんなふうに帆だ
け(反転)してしまってはだましぶねに
 はなりませんね!           


ほら!(尾羽)の大きな鳥です。そして、ー
これに(ジャバラ折り)した(尾羽)を差し込め
ば、ー                   

こんな「くじゃく」が誕生しました。

 実は、既に(第3弾)も出来ていますが、まあいずれの時にか機会があったら紹介しましょう。どうか皆さんも競争で考えてみてください。

2019/04/25

我が指のトラブルのことと、…

なんとも率直な病名!

 いつの頃からか、おりがみを折っているとき、それを取り落とすことが、多くなりました。指の第一関節部が、硬く変形してきて、指先の感覚が鈍麻してきたからのようです。

 友人が言いました。『それって(老人性指関節変形症)って言うのよ。私もよ。』この(老人性)という言葉が気にいりませんが、まあ事実ですからだれにも文句は言えませんね。しかしそれにしても、原因と症状をそのまま病名にしていて、自分のことなのに笑えます。

 それからもう一つ、おりがみとか細かい作業が時として難しくなったのが、手の震えなんです。特に重いものを持ったり、力仕事の後などにそんな震えが強く現れます。でもこれ、父からの遺伝かも知れません。

 はるか50年も昔の話、お蕎麦を食べるとき、信州人のわが家族は(七味唐辛子)をかけましたが、父は唐辛子の入った容器を持って、どんぶりの上にかざすだけで、手の震えで実にうまいことふりかけられる?!(妻もこのこと知っていて、我が父のことを懐かしく楽しく思い出してくれていますよ。はっはっは。)
 父自身も笑っていたそんな症状が、数年前から私にも現らわれ、そうなったときは、父の姿を懐かしく思い出すのです。

 でもまあ、自分でも笑えるくらいだから、不便さはあるも、とくに痛いわけでもありませんから、あまり気にはしていません。でもつい先日テレビで、まったく指だけで(ミクロのおりづる)を折る人のことが紹介されていて、…それを見ていて、自分の若い頃を思い出しました。

 ある日のこと、突然「千羽鶴折形(せんばづるおりかた)の全49種をミニチュアで折ってみよう!」なんて思い立って、二十数種まで折ったところで、なんだか急につまらなくなって止めてしまったことがあったのを思い出すものの、その場合でも、1羽の子鶴のサイズは1cmくらいはありました。ところが、この人のおりづるのいちばん小さいものは、なんと!(2mm)だと! 「ほーっ」と驚きの大きなため息が出ました。

 そしてここで昔、本多功(ほんだ いさお)氏から伺った、『吉澤章(よしざわ あきら)さんと初対面したときのエピソードだよ。』との話を思い出したのです。

『吉澤さんがね、初めて私のところに訪ねてきたときにね、ポケットからマッチ箱を取り出してさ、私の手の上にゴマ粒のような小さなものを、そのマッチ箱から振り出して、乗せてくれたのよ。
 そこで目を凝らして見たら、それは極小サイズの「さくらの花」や「ちょうちょ」や「のみ」や「おりづる」なんかだったのよ! で私は思わず、「ほーっ」と驚きのため息をついたら、そのおりがみの作品たちがぱーっと掌から舞い上がって、無くなっちゃったのさ!』

 まあ、本多さん一流のユーモアを伴っての作り話的な匂いもしますものの、吉澤氏という方の技量の高さを言っているようでもあります。

 さて私の方の話は本当であることの証の、ミニチュア千羽鶴が出て来ましたので、その一部を写真紹介します。1円玉とでその大きさを確認してください。おっと、私1円玉の直径は1cmくらいだと思っていたが、今回測ってみるにきっちり(2cm)でした!

(1cm)と誤解していたのは、先の項での(室内飛行機)の話の中で、「1円玉を“はかりの分銅”にした(天秤)を、同書の中での指示にて作りましたが、そこで1円玉はきっちり(1g)だと教わったところからのようです。


こんなのを、自在に折れたとは! 若かった
んだなあ! そして根気もあったんだなあ!
でも、49種全部を折らず、途中でつまらな
くなっちゃうところも、若かった現象だね?
かくて(49種全点の展覧)は幻となった!
訂正: 大分前の項で、“なかなかに人とあらずば、…酒にしみなん”を大伴家持さんの作
   と記してしまったようですが、気になっていて、今回調べたら、家持(やかもち)
   さんの父親の、大伴旅人(おおとものたびと)さんの作でした。訂正します。




2019/04/22

私のライフル!

最初は小学生のときに

 女性の方にはがっかりされるかも知れませんが、ずっと話題から離れていた、おもちゃ銃器の話を一つだけさせてもらいます。

 大好きだったアメリカ映画の大スター、ジョン・ウェインが、多くの場面で愛用していたライフル銃を、小学生の頃から手作りして、それを愛用していました! これ、要するに(パチンコ銃)です。これで(青木やヤツデの実)なんかを飛ばしていました。

 30歳を過ぎた頃、これを懐かしく思いまして、作ってみました。それが写真のものです。その頃も今も(日曜大工コーナー)なんかで、様々にバリエーション豊かな加工木材を売っていますから、実に容易くかっこいい造形が工作出来ます。

 なおその後、プラモデルで名銃のあれこれが、次々と売り出されるようになりました。それらの大半は精密で弾発射の機能も持つ上に、構造もよく解ってまいりますので、まあ、その製作に追われるほどでした。はっはっは。
 そして今、こんな制作物が、部屋の大きなスペースを占有しているんですよ。とほほ。

私の愛用の「ライフル」

このライフル銃の精度はとても
良くて、その点でも嬉しいもの
でした。でもこのアイデアは、
はて?どこのどなたからのもの
だったのか?自身のアイデアだ
ったのか?覚えていません。 
でもこれ、私には名銃「ウイン
チェスター73」みたいな気分
のものでしたよ。おっとこれ、
アメリカ映画になった名銃。 

2019/04/19

「ふね」を「帽子」へのアイデア

スペインの古書(紙の世界)での「ボート」

 まずは日本伝承の「ふね」の折り方、ご存知ですね? あの、最後にぐるっと反転して出来上がる奴です。ただこの作品、昔からこのことが苦手意識となっていたのですが、それはこの折り方、出来上がりが(しわしわ)になってしまうことが多かったからです。(写真)

 ところが2000年、サンフランシスコにて、ボブ・ブロコップ(Robert Brokop)氏から戴いたスペインの古書「ドクター・モンテロ著 紙の世界(既出)」の中に紹介されていた「ボート」の折り方では、ほとんど同じ形が、まったく(しわ)が付かないで出来る折り方が示されていたのです!(写真)

 前項で紹介した「ふぐ」でも、この(しわ)の問題の話をしましたが、同様な例としては「蓮の花」もそうですよね。これらの作品が考えられた頃のおりがみ遊びで使う紙は、(和紙)だけでしたから、まあ(しわ)が目立たないのですね。しかし、(技術革新の現代)であるのなら、こんな問題の解決は、むしろ楽しみの課題ですね。だから、こんな事例に出会ったときは、むしろ楽しんで考えてみたいものですね。

 それから、前掲したスペインの古書では、日本伝承の「ふね」も紹介されていますが、そこで面白いのは、(新聞紙など大きな紙で折って)「ふね」ではなく、「帽子」にするアイデアです。
 下の写真では、ボブ・ブロコップさんからいただいたマトリューシカに、そんな帽子案のモデルになってもらいましたよ。

日本伝承の「ふね」
スペイン伝承の「ボート」
この作品、完全に(技術革新)
が成されていますね!    
ねっ、こんな感じの「帽子」です!

「ふね」に(ざぶとん折り)をプラス
 して作る「モーターボート」もあるね。

古書「紙の世界」では、左のもの
のように、(長方形用紙)から折る
ようになっていましたが、右のよう
に(正方形用紙)でも折れますね。

2019/04/16

(かやら草)の「ふぐ」

二人の先輩が発掘してくださいました。

 さて、次に(かやら草)の「ふぐ」について考えてみましょう。しかし、これは既に解決済みのようです。
 おりがみの歴史研究の第一人者であられる、岡村昌夫(おかむら まさお)先生と高木智(たかぎ さとし)氏との探索にて、この作例については、実際に折られたものの伝承が在ることも判り、まあ『ほぼ間違いなくこれだろう!』と思いました。(高木智氏のコレクション「森脇家旧蔵のおりがみ」の中に、この「ふぐ」を折ったものがあったと!)

 それから付け加えて言いますなら、この「ふぐ」とほとんど同じ造形のものを「なまず」とした例が、つじむら・ますろう著・絵「伝承おりがみⅢ 1984年 福音館書店」に、古書を出典として紹介されています。つまり、折り方までしっかり伝承されていたのでした。

 なお、「ふぐ」と「なまず」。岡村先生はこのほぼ同形の二者のことを解説しておられます。ともあれ、そんなこんなで、この作例についてのなぞは、解決されたと、私はそう思っています。

つじむら・ますろう氏の本の図解に従って
和紙で折ったもの。左が「なまず」で、右が
「ふぐ」です。和紙だと(しわ)が目立ちませ
んが、洋紙だと目立ってしまいます。   
そこで折り方を少しくふうして、しわがつき
難くくしたのが、下の写真のものです。  

「ふぐ」

「なまず」
ふぐでの(ひれ)を、(ひげ)にして
の見立て変えですね。        

2019/04/13

(かやら草)の「ふくらすずめ」

「ふくらすずめ」、しっかり伝承されていますが…?

 きっと皆さん、この名の伝承作品よくご存知でしょう。(下の写真参照) でも私、この造形にどうしても(すずめの姿)が感じられませんでした。 それから(ふくら)という言葉には(福良)の当て字を与えている資料もありますね。

 ところで、(ふくらすずめ)という名を昔、母や姉たちの会話の中に聞いた覚えがありました。
 すなわち(帯の結び方)あるいは(髪の結い方)の言葉だったように覚えていました。で今回、改めて広辞苑を引いて見ました。すると、まず『肥えふくれた雀の子、また、寒気のため全身の羽毛をふくらませた雀。』との説明の後に、『女の髪の結い方の一』と『帯の結び方の一』ともあって、私の記憶が正しかったことが分かって嬉しかったです。

 さてここでは、そんな自慢が目的ではなく、この伝承の造形が、(冬のふとったすずめの子)とは見えず、(髪型)や(帯の結び方)の方が似合うように感じていたのです。

 ところでもう一つの疑問は、この「ふくらすずめ」は、実に易しい折り方のものなのに、「かやら草」の記録者、足立一之さんは、なぜ『その折り方がよく分からないので、紹介出来ない。』なんて記したのでしょう? 多分、全然違う造形だったのでは?

「ふくらすずめ」として伝承されて
いるものは、この形ですね。でもこ
の形にはスズメの姿は見い出せない
でしょう。なお、「ふくらすずめ」
の名で紹介されている形にやっこさ
んの形をスズメに見立てた2種があ
ります。ところがつい先年、岡村昌
夫先生がやっこさんの形を「すずめ
踊り」と題した資料のあることを、
明らかにしてくださいました。  
「ふくらすずめ」の名で、こんな
造形も伝承されています。なお、
やっこさんそのものを「すずめ踊
り」との見立てのあることは上記
の通りです。         
どうしてもスズメに見えなかった「ふくら
すずめ」を、少しでもスズメらしくしてみよう
の折り変えです。「ふくらすずめ」の原型を少
し折り変えるだけですから、折ってみて。  

左の原型を右のようにしてください。

 さて、上のような折り変えから、少なくとも雀らしい造形にしてみましたが、でも満足できませんでしたので、さらにくふうを進めて、別伝承の「ふくらすずめ」2形が「やっこさん」からの見立てであったことから、私は今度はやっこさんからの「すずめ」を試みてみました。 その結果が下の写真のもの。これには(足)が付いていますよ。

(やっこさん)からの「すずめ

「やっこさん」の半分を反転させ、
そこから三角のかどをつまんで折り
それを(足)にして、「すずめ」と
してみました。なお奴よりさらに1
回(ざぶとん折り)を増やして折る
と、嘴が二つになったり、目の表現
が出来たりしますよ。      
上記説明のもの。
「ふくらすずめ」についての探索は、私の中では以上で終了しました。でも(福良)を付けない「雀」は、大好きな鳥ですし、くふうが楽しいので、すでに10種以上くふうしていますが、これからも楽しむことでしょう。