2019/11/05

博士の愛した数式

感激した映画から。

 作家小川洋子さんの名作「博士の愛した数式」を、小泉堯史(こいづみ たかし)監督が、平成17年に映画化されました。とても素晴らしい作品で、心を揺さぶられると共に「ああ、数学って本当に美しい学問なんだな!」と、しみじみ思わせてもらいました。もちろん本の方をまず読み、そこでも感激したことです。

 なおこの小川さんの小説について、数学面で協力をされたのは、藤原正彦さんだったとのことです。テレビに出られていて、何度かお話を聞きましたが、すごく魅力のある数学者ですね。『数は、宇宙の生まれる前から在った!』映画の中で語られたこの言葉、藤原先生はテレビで言っておられ、大いに感動しました!

 さてドラマの中で、博士から愛され(ルート)とあだ名を付けられた野球好きの少年が、やがて高校の数学教師となって、生徒たちに数学と博士の魅力を語ってゆく、というストーリー展開ですが、映画では当然映像で数学の意味を教えてくれるので、私の頭にもその思考するところが理解されました。
 階乗(かいじょう)、虚数(きょすう)、素数(そすう)、友愛数(ゆうあいすう)、完全数(かんぜんすう)、…そして最後に、博士の愛した数式「オイラーの等式」まで、…知るだけで楽しい!(ーマイナス)を(+プラス)に変えることで(0ゼロ)と結び付ける!という小川さんの構成の見事さ!

さて私に数学の楽しさ、面白さなどを教えてくださった阿部恒(あべ ひさし)さんは(ユークリッドの“比例”の考え)の応用から発見された(立方根の折り出し法)からスタートし、やがて(フェルマーの最終定理)の意味だとかのびっくりするような話をして教えてくださいました。 ああ、楽しかったあの頃。
(上記のような話は、1989年にサンリオから出版された「おりがみ新世紀」の“付記 折り紙最前線レポート”に解説しています。)

 まあ阿部さんの慧眼から見たら、相当低い次元の話になってしまうでしょうが、でも低い次元こそわが道と思う私には、(初等幾何とおりがみ)といった教材案を、楽しく探したいのが念願です。
 だからこれからも、(やさしく楽しい教材案)を、時にはパズルのスタイルで紹介してゆきたいと思うのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿