2019/11/29

大好きな造形

加賀前田家伝承「紅入れ」

 これは確か阿部恒さんから教えてもらったものですが、実に見事な造形のおりがみ作品です。「紅入れ」とは、女の人が唇に塗る紅(べに)の容れ物として、当時は実用だったであろう、おりがみ作品です。
 赤いおり紙で折ると効果的です。これを現在に活かすために阿部さんのアイデアから、「ティシュ・ケース」などと見立て直していますが、私は「シールとか切手の入れもの」なんていうのもいいかな?なんて思っています。いやそれより「お年玉袋」がいい!

 さて写真でご覧いただくと分かるように、この作品造形の(赤)と(白)の面積が、表裏共に(1:1)なんですね。
左が表の形で、右が裏です。ねっ!どちらも赤:白=1:1。

 いやいや、実は私がさらに大好きな造形とは、完成前の次の写真のような形で、…私の幼稚性は、このように白い正方形が連なっている造形に、無心に惹かれるのです?!
 そして、この白い正方形を数えると、それは(4)で、この数字は辺の等分数を示しています。
正方形の団子が4つ!

 ばかみたいな視点でしょう! でもね、私の発想はそんな幼稚な好奇心から始まるのですよ。つまり、これが(4等分)なら、(3等分)は? また(5等分)(6等分)は?
 そしてそんな造形を並べて楽しむのです。…とそこに、新たな思案が生まれます。すなわち(3)(4)(6)は楽に折れるが(5)はどうやったらいいのだろう?の思案なんですね。

 また(8等分)のものも実にやさしく折れますが、はて「(6)と(8)の間の(7等分)はどうやったらいい?」
 でも思い出してください。私の工夫のコツとは「思案は“中間に在り”」でしたでしょう。かくてイメージは湧きましたが、でも折りの実際は?

左から(3)(4)(5)(6)(7)(8)の等分形。
さてこの形、白い正方形を数えれば、それが何等分かが解る。

 ここに(幅がきっちり3cmの、プラスチック定規)が有ります。すると、15cm角の一般的なおり紙を、(5等分)するなら、15cm÷5=3cmとて、このプラスチック定規を使えば、5等分が楽々出来ますね。(100円ショップで売っている短い定規ー写真のものーが、きっちり幅3cmです。)
幅3cmのプラスチック定規

 しかし、次の(7等分)は、15cm÷7=2.1428…とて、どうもうまくありません。が、ここで、15cmのおり紙の、(対角線)の長さを測ってみると、これがほぼ(21cm)なんです。で、対角線を折って、そこに3cmの定規で印を(2方向)から付けると、いとも簡単に(7等分)が出来るのですね。
左が(7等分)、右が(5等分)。
右の長い定規も、幅きっちり3cmです。


0 件のコメント:

コメントを投稿