2019/03/12

古典資料「かやら草」

楽しいなぞなぞ

 この資料のことを少しだけ具体的に言いますと、足立一之(あだち かずゆき)という実に多趣味の江戸の人物が、興味の赴くままに様々な書に触れ、それらからの抜き書きを、実に230余冊のノートに記録して残したもので、その記録の最後の巻にでしょうか、弘化2年(1845)とあるそうです。そこまでには、きっと永い収集の年月があったことでしょう。

 ところでその(21巻から50巻まで)を「かやら草」と題しており、その中の27巻と28巻、すなわち「かやら草」の巻七と巻八の中に(おりがみの筆写物)を残してくれたのです。(“かやら草”というのは実際の植物の名ではなく、"なにやら、かやらと種々(くさぐさ)”を記録した、の意からのネーミングでしょう。)

 さてこの記録には、かなり手の込んだ作品の折り方が36点ほど、上手な絵で描かれているのですが、巻八のおわりに『…孔雀(=くじゃく)、蟷螂(=かまきり)、ふくらすずめ、ふぐ、狐嫁入り、などの作例があるが、その折り方はよく分からないので略します。(以上は意訳です。)』とあって、最初の2点、つまり「くじゃく」と「かまきり」が、私たちに残された楽しい(なぞなぞ)でした。 ほかの作例は、現在は一応伝承作品などから当たりが付いていますので、なぞなぞの度合いは低い。

 ともあれ、そんな折り方不明の5点について、私なりの解答は既に得ております。そして「かまきり」と「狐嫁入り」については既に「ミニチュア・ボックス」と「久しぶりにミニチュア・ボックス」の項でご紹介しました。

 で、ここでは「くじゃく」について私の解答を写真紹介します。 もとよりこれは私なりの解答であって、足立さんが目にされた折り方と同じかどうか?には、まったく何の証明も出来ません。でもとにかく、私にはとても楽しいなぞなぞ解き、そう!パズルでもありました。(全5作例共に、まったくの私の推測解答です。そして「ふぐ」と「ふくらすずめ」については、後日解説したいと思います。)

 なお以上について、詳しく知りたい方は、拙著「おりがみ新発見3 古典から最新作まで300年の絵巻 2005年 日貿出版社」をご覧くだされば幸いです。もっとも、これ以降、新しい発見など続いておりますから、この著書に示したものは、2005年時点でのなぞとその解答ということです。

 これは(正方形1枚)からの(不切折り)です。
でも古人は何の拘りもなく(はさみ)を使いますか
ら、この折り方は足立さんが見たものとは違うこと
でしょう。だから(なぞ)はまだ解けていない?と
思うと、ああ、まだ楽しみは残っているようだ! 

これは(ミニチュア・ボックス)とし
て既に紹介した「蟷螂(かまきり)」
でしたね。            
(切り込み)を使ったこの私の解答例
なら、あるいは正解に近いかも知れない
 と思うも、まだ違う解答があるかもね? 





 

0 件のコメント:

コメントを投稿