2020/02/14

市松パズル物語 1

(パズル懇話会)で聞いた話から

 もうふた昔も前のことです。私は(パズル懇話会=Academy of Recreational Mathematica
Japan)」という、大変レベルの高い会に入れてもらっていました。
 大学の先生や著名なパズル研究家などが多く、入れてもらったのは嬉しいものの、月一回の集まりで発表される事柄の半分近くは理解出来ないものですから、窮屈感が強かったのですが、気楽な飲み屋での二次会が魅力で、それで何年か留まり続けていました。

 さて そんな集まりの立ち話の中で、『おりがみで(市松模様=checker)を(3×3)で折ることを考えると、常識的には(8回の折り)が必要だが、当会のエースの一人はそれを(7回の折り)で可能だと、前に発表してましたよ。』と教えてくださる人がおられました。
 帰宅して試みてみると、いやっー!こりゃ難しい! 私は三日掛ってやっと答えを手にしました。

 ともかく私なりに答えを得たので、この話をおりがみ仲間に自慢げにしたようです。すると、これが密かに伝聞されたようで、しばらくの後『私も出来ました!』とて、答えを手渡されました。東京の小松英夫(Hideo Komatsu)さんがその解答者で、…私の解答より(一回り大きく)出来たものでした。
 つまり同じ(7回折り)でも違う折り方なのです。 私はパズル懇話会の方の解答を知りません。だから、それが私と小松さんのもののどちらかと、同じものか違うものか? ともあれ「答えは一つではない」ことを知ったわけです。

 ぐっと下がって2012年の夏のことです。久しぶりに会った愛知の川畑文昭(Fumiaki Kawabata)さんが、このパズルのまた別の答えを提示してくれました。 そしてこの解答はまた別の折り方のものだったのです。私と小松さんとの解答の、丁度中間の大きさになるものでした。
 具体的に言いますと、小松さんの答えは(全体を7等分したサイズでの3×3)。川畑さんの答えは(全体を8等分したサイズでの3×3)。そして私の答えは(全体を9等分したサイズでの3×3)とて、サイズ面からは私が最下位?
左から、笠原、川畑さん、小松さんの(7回折り)解答

 ところで、です! 2020年、つまり今年の川畑さんからの年賀状に、とんでもない記述がありました。『私の友人が、3×3の市松模様折りに、(6回折り)の解答を見つけました!』
 本当かい!? 7回折りでもあれほど時間が掛ったのに!? 川畑文昭さんって、大いに真面目な方です。 で、この話を心から信じて考えています。…しかし、一ヶ月半考えてまだ答えを得ていません!

 世界最難問と自称する(21・スクエア・パズル)の二つの未解決問題と違い、この超難問には答えが在ると知らされているのですから、頭のトレーニングとして、こんなに楽しい話はありません。でもムズ過ぎる!

 なお、探求の途中で楽しい造形を得ました。 それは写真の「6回折りの、市松模様のハート」です。(要するに、3×3の1コマが足りないものです。)
6回折りの「市松ハート」

 


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