2021/07/03

内山興正先生との最後の思い出

「コマ」の中心

 それは1994年、滋賀県大津の成安大学にて行われた「第二回国際おりがみ集会」に参加の後のこと。ドイツ在のブラジル人パウロ・ムラチンヨさんとドイツ人で彼の奥さんジルケ・シュレーデルさん、そしてオランダ在のポルトガル人、パウロ・タボルダ・バレットさん(Mr.PauloTaborda Barreto)の3人をお誘いして、内山先生のところをお訪ねしました。

 こころよくお迎えくださったのですが、驚いたのはそこに奥様がいらっしゃったことです。でもそれは本当に嬉しい驚きでした。

 いろいろと哲学的なお話をしてくださり、通訳を促されるも、高度な説話はまったく通訳など出来ず、冷や汗をかきましたが、3人はとてもスマートな人達とて、その場の雰囲気で多くを察して、私の語学能力の程度を理解してくれたようです。アルコールが入ると、蛮勇が出てしゃべりますが、シラフのときは、まるでボンクラ!

 そしてこのとき、最新のくふうだとおっしゃって、(おりがみのコマ)をプレントしてくださると共に、それを回しながらこんなお話をしてくださいました。

『ほら、この通りよく回るでしょう! コマって”独楽(どくらく)”って書くでしょう。だから一人で回して楽しんでいるんですよ。はっはっは。 ところでね、ここで回っていないものがありますがわかりますか? それ(コマの中心)ですね。

 さて私は仏様の教えに従って生活しているだけで、食べ物も住む家も、ぜんぶひと様に支えて頂いて生きているわけですが、そのことを少しも恥じたりはしません。

 すなわち私の心はこのコマの中心のように、不動でいられるんです。私が仏様の教えを不動の心で人々にお伝えすることで、皆さまが忙しく回ってくださって、私の不動心を援助してくださっているのです。』 

 これが内山先生との最後の思い出なんです。なおブラジル人の方のパウロさん、彼は写真の腕はプロ級でして、そんな彼ががたくさん撮ってくれた師との(ツーショット)は、私の宝ものです。



 なお別れ際師は、『私はもうおりがみの方の活動をする時間がありません。で、おりがみについては、あなたに衣鉢(いはつ)を託します。』とおしゃられた。
 このことは、3人に帰り道「師からおりがみのバトンをタッチされた」と話したら、3人揃って握手してくれました。でも具体的には何をすればいいのか? 今尚分からない。
 こんなブログをやることがそれに当たるのかな? なんて思っています。



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